プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

原発事故と被害拡大の原因

2012-10-21 11:06:01 | 日記
 フクシマの事故原因については、4つの「事故調」を持ってしても、様々な指摘はあるにしても、解明されたわけではありません。これについて大阪大学の馬場教授が、元東電副社長が先日、「過酷事故対策の手順書に誤りがあった」ことが事故の原因だとしたことに対して、その「誤り」について指摘をされています。ご紹介致します。(以下、引用は『朝日新聞』)

「東電は事故の何年も前に、電源喪失などを危惧したスイスの原子力工学専門家や国際原子力機関(IAEA)から助言を受けていた」、しかしGE(ジェネラル・エレクトリック)が「何も言ってこないなどの理由で無視」、「米国の研究機関が実施した全電源喪失のシュミレーションの結果も、米国は安全規制に活用したのに我が国は顧みなかった」、「要は、東電の尊大さと政府の無能さが事故を招いた」と断罪しています。

 また、「東海村で発生したJCO臨界事故の後、通産省の肝いりで民間企業が開発した遠隔操作ロボットは、全ての電力会社から受け入れを拒否され、解体された」そうです。これは、「ロボットを必要とする過酷な事故は起こり得ない」という「安全神話」がもたらした傲慢そのものの姿勢です。その姿勢は未だに改まるどころか、全く変わってはいません。地震や津波の危険性に対しても、事故までの多くの専門家の指摘がなされ、その危険性は東電地震が十分に把握していたにも拘わらず、それを無視し、放置した、明らかな「人災」であったわけです。

 事故の拡大に関しても、「外部電源が絶たれた時点で何故、自衛隊を投入してでも非常用電源をしゃにむに現地に持ち込まなかったのか」と憤りを込めて主張されていますが、原発内でお金を集めてバッテリーの買い出しをしている場合ではなかったことは明らかです。正直、適切に、迅速に対応していれば、3度の水素爆発は無かったのではないかと私は考えています。正にこの点に関しても、「人災」による事故の拡大であったわけです。勿論、事故拡大後の、(SPEEDIのデータ隠蔽による)多くの方の被曝も、「人災」であったことは否定のしようもありません。しかし「人災」ならば、その責任が当然問われます。が、未だに東電も政府も、官僚も、誰も責任を取らないということは、やはりその「責任」すら認めてはいない、そういうことのようです・・・

P.S. 南相馬市立総合病院で内部被曝の検査結果を一定期間ごとに発表してきた坪倉医師は、「きめ細かいデータ開示で現在の内部被曝量を把握できれば、食品摂取などで何に気をつければ被曝のリスクを下げられるか具体的に説明できる」と言われています。そして同医師が、現在最も知りたいのが、「原発事故直後の被曝量」なのですが、「放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構、福島県が連携し、昨年6月から実施してきた被曝検査のデータは、一部を除いて公表されていない」とのことです。山下氏がその情報をどのように管理し、事実を隠蔽しようとしているのか、それはしかし被曝した方々の命を行く先を握っているということを是非とも自覚して頂きたいと思うのです・・・

P.S.2 (青山学院大助教でもある)弁護士の水上氏が、値上げをした東電の「適正な利潤」を独自に試算したところ、「実態に即した額と比べて1,000億円も多い」、「これは全て電力消費者の負担に転嫁される」と指摘されています。これまでどおりのコストの「水増請求」で、それを全部利用者に押し付けているわけです。同氏は、(東電は)事故を起こし破綻状態で、3年間は配当の予定のない株主利回りが、事故前5.42(これも以上に高いですが)よりも高い(極めて高い)5.89%であることを指摘、経産省が「(破綻状態にも拘らず)平常時に得られる儲けを確保した」だけでなく、原発事故のリクスを認めた、(利回りが高いということは)つまり(事業としての)原発運転が極めて「危険」であることを認めた結果だと指弾しています。危険なものを動かす為に、利用者にその付けを回そうということのようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年10月21日)

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