プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

不必要な検診の実態

2013-03-26 12:09:14 | 日記
 医学研究の信頼性を検証する、「ノルディックコクランセンター」が公表した、検診に関するレポートでは、「一般健康診断は罹患率と死亡率のいずれの低下にも繋がっていない。それは、心血管疾患や癌によるものをはじめ全ての病気についても同様だった」、「一般健康診断が有益である可能性は低い」と結論付けました。(以下、参照・引用は『週刊ポスト』)欧米の18万人のデータの分析と9年間に渡る追跡調査の結果、検診を受けた成人群と受けなかった成人群とで、「全体の死亡率、及び心臓病、脳卒中、癌による死亡率に違いがなかった」、「検診によって病気の罹患率や死亡率は減少しなかった」のです。

 逆に、追加の検診や治療による経済的負担や精神的な負担、国の医療費増大といった問題点も指摘され、「アメリカやカナダの政府研究機関は、20年以上も前から網羅的な健康診断は必要ないと勧告」しています。日本でも2005年に、厚労省の支援を受けた研究班による調査で、「一般的な検診24項目の内、16項目は有効性の証拠が薄い」と結論付けていますが、未だ改善はなされていないとのことです。検査だけしても、その後のフォローがなければ何の意味もありません。また、検査の基準(値)自体に、科学的根拠がないとの指摘も出ています。

 癌検診も例外ではなく、1986年に(9,000人を対象に)米国で行なわれた調査では、「発見された肺癌の数は検診群が勝りましたが、肺癌による死亡数は放置群のほうが少なかった」そうです。また1990年にチェコスロバキアで(6,300人の喫煙男性を対象に)行なわれた調査でも、「肺癌による死亡数は放置群が47人だったのに対し、検診群は64人」で、死亡数の増加の理由としては、「手術の後遺症でなくなった」り、「健康という検診結果に安心してタバコを余計に吸ってしまった」と考えられています。これでは、(検診が)無益どころか(全てではありませんが)有害ということです。

 さらに、乳癌検診については、カナダとスウェーデンで(4~5万人規模で行なわれた調査では)死亡率に差はなく、胃癌検診については、(スウェーデンの大学での小規模の調査ですが)「死亡率に差はない」という結果が出ています。日本で推奨されている「PET」ですが、「医師は膨大なデータを見なければならず、見逃される癌は少なくはない。PETは決して万能ではない」ということを知らない受診者は多いのではないかと思います。(正確な数字を忘れましたが)3割程の見落としがあると言われています。

 では何故、こうした無益な検診が、日本だけ異常に多くの人々に行なわれているのでしょうか?例えば、海外ではその有効性が疑われている胸部X線検査ですが、厚労省が2005年に検査の法的義務付けを廃止しようとしたところ、業界団体が反対し、40歳以上の義務化は継続されました。1,000億円規模の「売り上げ」が失われるからだそうです。疑問のある基準値の設定で、正常な人も病人(或いはその疑いがある人)にされている、それで病院や医者、製薬会社が「利」を得ている構図があるようです。その「お陰」か、国の医療費は37兆円強まで膨らんでいます。ちなみに、コレステロール低下剤や降圧剤、メタボ関連薬の売上高は数兆円にも達するそうです。これでは、「止められない」のも無理はないのかもしれません・・・

P.S. 全ての検診が無意味である訳ではありません。大腸癌検診や子宮頚癌検診の有効性は確認されています。只(これまでも指摘されていますが)、(結果)癌ではないのに、再検査を求められるなど、経済的な面だけでなく、再検査を受けて結果が出るまでの精神的な負担は非常に大きいものがあります。検診を受けても(罹患率や死亡率に)差がないのなら、受けないという選択肢がもっと尊重されるべきだと思うのです・・・

P.S.2 しかし(業界のみならず)政府は、癌検診の受診率の向上を謳い、検診奨励のために補助金まで出しています。大手広告代理店に依頼して、(見落としや精神的負担は隠して)様々に広報を行なっています。その広告費だけでも、357億円です。(どうも、「医療村」もその構造は「原発村」と同様のようです)本当に患者さんの為の病院でも、医師でもない、検診でも薬でもない、寧ろ「医療村」の為に検診がある、患者がいる、そのように感じるのです・・・そんな検診より、「免疫力検査を無料で全国民に実施して欲しいです。あと、病気、未病関わらず、(実は私自身が打ちたいのですが)丸山ワクチンの注射を望む人に実施すれば、(既に効果が実証されている)結核やらい病、癌だけでなく、あらゆる病気の罹患率が落ち、医療費が大幅に削減できるのでは?と思うのです。せめて、原発事故で放射能被曝をした方々だけにでも、発病する前に打ち続ければ、(私には証明できませんが)多くの病気を予防できるように思うのです・・・

P.S.3 関電による値上げに関するアンケートで、値上がり分を「殆ど転嫁できない」企業が約83%だそうです。また、経営への影響に関しては、「大きな影響がある」約27%、「ある程度影響がある」約34%で、約71%の企業が、影響があると答えているのです。関電の経営失敗の付けを、他企業に払わせる今の料金システムはおかしいと思います。(コストカットの努力を怠り)世界一高い液化天然ガスを買っている企業は、(値上げなど認めず)やはり自分の付けは自分で払うのが当然だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年3月26日)

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