プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

再稼動のための「自然エネ」潰し

2014-11-29 11:02:23 | 日記
 太陽光発電の電力会社による接続「保留」(事実上の「中断」)が問題となっている自然エネルギー事業ですが、電気を買い取ってもらえないのは、太陽光発電だけではないようです。実は日本の風力発電の導入量は世界18位、自然エネルギー固定価格買取制度(FIT)の導入後も、増えるどころか減っているそうです。2010年度までは毎年15万~40万kWづつ増えていたのですが、2011年には9万kW余りに急減その後も導入量は減っているのです。設備の建設費の3分の1を国が出す「助成制度」が廃止されたからだそうです。(参照・引用は『朝日新聞』)

 しかし、北海道の陸上風力の潜在能力は約1億kW(100万kWの原発100基分)もあるそうです。(北海道なら人口密度も低く、適切な場所を選べば騒音の問題もクリアできます)しかし、北海道電力が接続を認めているのは56万kW(原発半基分強)に過ぎません。勿論、送電線のキャパシティーの問題や、北海道全体の需用電力の上限もありますが、(経産省も少し動いていはいますが)送電線を整備し、北海道と本州を繋ぐ送電線「北本連係線」の増強などで対処すれば、大量のエネルギーを消費地に送ることができるようになるのですが、それがなかなか進んでいません。風力発電事業を進める苫小牧の森町長は、「10年も待たされたのでは地域は持たない」危機感を募らせています。

牛の糞尿を発酵させ、発生するメタンガスを燃やして発電する「バイオマス発電」、糞尿の臭いがなくなり、発酵させた糞尿が肥料となり、電気も発生するという優れた発電方式ですが、「変電所能力などで決まる地域の受け入れ可能容量を超えた」ということで買取って貰えません。発電方式別の「枠」がなく、太陽光発電の申請が急増したということが理由にされています。

その太陽光発電ですが、2013年には北海道電力から、導入枠を全体で(原発半基分にも満たない)40万kWしか接続を認めないとの書類が事業者側に届いています。しかし、同年3月末時点で既に合計157万kWの申し込みがなされており、計画を推進し、土地まで買っている事業者にとっては死活問題となっています。東北電力管内の(事業者である)会津電力の折笠常務は、「本気で自然エネを増やす気がないのが良く分かった」と述べています。東北電力は太陽光発電の計画認定が1,000万kWを超えた、多過ぎるということを「中断」の理由に挙げていますが、実際の(接続を認めた)導入量は100万kW強に過ぎません。(しかも、実際に発電しているのは極々僅かです)

 ドイツでは現在、太陽光が3,500万kW、風力が3,200万kW導入されていますが、両電力で同時に発電できる最大値は合計3、400万kWだそうです。陽射しや風に変化しますから、導入量の約半分しか実際には発電できません。つまり、導入枠を2倍にしてやっと実際に発電量に届くわけです。「枠」を理由に買取を拒否するのは、只の「言い訳」に過ぎないようです。(上記)会津電力の佐藤社長は、政府は『福島の復興なしに国の復興なし』と言うが、言葉が形になっていない。自然エネルギーは、最強の地域再生策のはずだ」、原発再稼動のため自然エネを止めた「そう思われても仕方がない」と述べておられます・・・

P.S.  政府は批判を恐れてか、福島の自然エネの買取を優先するようにとの方針を出しました。しかし、問題をすり替えても、原発再稼動のために、自然エネの買取を「中断」するように、政府が電力会社に裏で「通達」したのではと、誰もがそうお考えだと思います。太陽光に風力、バイオマスや地熱と、日本には無限に近いエネルギー資源があるのです。本気で国策として取り組めば、設備投資を促し、技術開発が飛躍的に躍進します。(危険でリスクが大き過ぎる原発よりも)こうした技術や発電設備を海外に輸出すれば、それこそ福島の復興のみならず、日本全体の「再生」を促すことができると思うのですが・・・

P.S.2 原油および天然ガスが下がっていますが、円安の為、その恩恵は感じられません。貿易赤字を拡大させている「燃料費」の輸入も数量ベースは変わらず、只円安の為に赤字が増えているのです。何のための円安なのか?(消費者物価指数は14ヶ月連続で上がっていますが)何のための物価上昇策(インフレターゲット)なのか?風が吹けば(株の上昇で)桶屋(富裕層)が儲かるのは分かりましたが、庶民の家計は苦しく、消費を抑えるしかありません。(7ヶ月連続減)今後もこの傾向は続くと思います。せめて円高であれば、安定したデフレ下(物価安)で、倹しく(つま)暮らしていくことも容易だったのですが・・・

P.S.3 F1の(デブリではなく)燃料プールからの使用済燃料等の取り出しに関して、(これまで)1号機は2年の遅延、2号機は2年後に取り出しの具体的な方法を検討する(つまり現在何も決まっていないということ)とのことでしたが、3号機プールからの取り出しのために東電は、現在建屋上部の除染を行なっていますが、東電の試算によると、除染後も最高で60mv/時、また10mSv/時を越える場所も多数存在するということで、追加の除染をすることにしたとのことです。追加の除染の作業にどれくらの時間が掛かるのかは分からないそうで、使用済燃料の取り出し時期は見通しが立っていません。(デブリは不可能だと思いますが)使用済燃料だけでも取り出せれば、リスクは格段に減らせますが、只、作業員の方の「リスク」が減ることはないように思います・・・

P.S.4 やっと鴨居社長と折り合って、ウイスキー作りに乗り出すマッサンですが、やはり「売り」は、「マッサン、ナニモワカッテナイヨー」、「マッサンノ、アホ」、「アンポンタン」といったエリーさんの叱咤激励でしょうか。(エリー役のシャーロットさんの片言の日本語とイントネーションが愛らしさを倍増していますが)「夢があれば生きていける」そう言ってマッサンを励ましたエリーさん(男性から見ると理想なの)ですが、世の女性からはどう映っているのでしょう?・・・ちなみに、「花子とアン」の花子の幼なじみだった(花子を一途に愛し続ける)「あさいち」は、脚本家の方が作った「理想」の男性像だったそうです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年11月29日)