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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

クリスマスイブ・ミュンヘン

2005-12-25 03:10:24 | ミュンヘン・TUM
FRAUEN KIRCHE

クリスマスマルクトも閉幕し、静かになったマリエンプラッツをぶらつく。
フラウエン教会に寄ると、クリスマスイブのミサの案内が出ていた。会場内にいた人に「誰でも参加していいのですか?」と聞くと「もちろんです!今夜10時から始まるので、その時間にいさえすればあなたも参加できますよ」と言われる。

今夜はこれからくろさかくんとささやかにクリスマスを祝う予定。
彼がつくってくれたタイの兜煮をメインディッシュに、僕が母から送ってもらったお餅と味噌汁を食すつもり。みんな実家に帰ってしまったので寮のキッチンはとても静かである。その後二人でミサに行って、そのまま早朝の電車でデッサウへ向かう。午前中のうちに着けるので、お昼でも食べてのんびりバウハウス校舎を観ようかな。その後再び電車に揺られ、夕方までにドレスデンに着ければよいだろう。

メリークリスマス!
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気が付けばひとり

2005-12-24 06:47:26 | ミュンヘン・TUM
forum theater

朝、かいくんと一緒にポッチシュトラーセにある外国人局のオフィスへ。
懸案事項だった(わりにはのんびりしてしまっていた)VISAをようやく取得する。必要書類を揃えて渡したら、あとは簡単な質問に答えるだけ。担当の女性事務官が早く友達と昼飯に行きたかったがってたせいかもしれないけど、あっという間に終わった。会計窓口で50€を払い、パスポートにVISAのシールを貼ってもらう。これで4月1日までは大手を振ってドイツで生活できるようになった。

そのまま中央駅へ行って、ジャーマンレイルパスを買う。
バーンカードを買うか、レイルパスを買うか迷ったが、乗り放題の気楽さに惹かれてレイルパスを購入。1月25日までの間の希望する10日間が乗り放題になる。さっそく今週末のドレスデン行きから使ってみよう。せっかくだからドレスデンに行く途中でデッサウに寄ってみてもいいかもしれない。

駅のスタンドで昼飯を食べる。かいくんは午後一の電車でベルリンへ行くらしい。
別れ際、日本の携帯電話からドイツの携帯電話に電話をかける方法を教えてくれた。ドコモからだと、「009130-010-49-(自分の携帯番号の0を取った番号)」でかかるらしい。お試しあれ。なんてね。

寮に帰って少し休んでから、髪を切りに出かける。
大学の近くで目星をつけておいた理髪店(美容院かな?)へ。込んでいたので予約をして、一時間後くらいに改めて来店。簡単に希望を言って、女性理髪師にあとはお任せする。「あなたのセンスを信じてますから!」。見事に刈り上げてくれた(剃り上げた、ではない。念のため)。これでもうしばらくは切らなくて大丈夫だな、うん。すっきりすっきり。

映画を観ようと思ってローゼンハイマープラッツにあるいつもの映画館へ。
観たかった映画は上映開始までに随分時間があったので周りをぶらぶらしていると、もう一つ別の映画館を見つけた。どうやら近くにあるドイツ博物館の付属施設らしいのだが、ちょうど僕が観たかった『ナルニア国物語』を上映している。いつもの映画館が単館系の小さな劇場だとすると、こちらはシネコンのような規模。上映開始時間は10分ほど過ぎていたが、知ってる話だし途中からでもいいやと思って中に入る。ロビーはがらんとしていて人気がない。僕が無人の受付でうろうろしていると慌てて奥から人が出てきた。6€で学生チケットを買う。巨大なスクリーンを持った300人以上入れそうな劇場なのに、客は僕だけ。スクリーンにはまだ何も映っていなくて、客が来なければ無駄だから流さないつもりだったらしい。せっかくなのでど真ん中の席に陣取る(ポツリと)。僕が席に着くと映写機が回り出して、僕だけのための『ナルニア国物語』が上映開始された。

『ナルニア国物語』は小学生くらいのときに夢中で読んだ大好きな本。
今でも実家に帰ると本棚から引っ張り出して読んだりする。空想の国ナルニアの誕生から終わりまでを、その時代時代の事件に関わった人間界からの訪問者を主人公として描く。原作の最終巻『さいごの戦い』で一つにつながった物語は、「最後の審判」のような結末にたどり着く。そういうところが『ナルニア国物語』はキリスト教的世界観が色濃く出ていると言われる理由なのだろうか。

原作に忠実に映像化されている場面はそれだけで涙が出てしまった。
ああ、あの挿絵が動いている!という感動。でも残念ながら、映像手法的には見たことあるような場面のつなぎあわせだと思った。ナルニア至上主義で言えば「今までいろいろな表現技法を試行錯誤してきてくれた映画界ありがとう。おかげでようやくナルニアの世界観が映像化できました」。冷静に考えれば「ロード・オブ・ザ・リングの二番煎じの言い訳に、別のファンタジーの古典の名前を使っているだけ」。最初の空襲の場面はただ特撮したいだけに思えたし(戦争だから疎開したって、言葉で言えばいいだけの話)、クライマックスの草原での戦闘シーンは『ロード・オブ・ザ・リング』そのままだし(魔女方のクリーチャーの造形もね)。
とか言いつつも、旅の途中でサンタクロースに出会う場面や(当然サンタクロースは赤いコスチュームではない!)、復活したアスランの背中に乗ってスージーとルーシーが草原を疾走する場面は、涙が止まらなかった。小学生のころ何度も頭の中で空想した場面だったから。今回映画化されたのは全7巻のうちの第1巻目『ライオンと魔女』。シリーズ化されるといいな。でも子役が成長しちゃうのが問題か。ハリーポッターと違って時間軸が行ったり来たりするので。

寮に帰ると、隣室のエンリケが僕の留守中に届いていた荷物を持ってきてくれた。
母からの国際小包。中身はお餅・落花生・胡麻・味噌汁の素・手拭い多数・香り袋・ちりめんストラップなど。うれしい。預かってもらったお礼に、エンリケに味噌汁の素と手拭いとお餅をおすそ分け。エンリケは日本通なので大丈夫かもしれないけど、いちおうお餅の食べ方は図解して解説書をつけて渡してあげた。手拭いは初めて見たらしい。エンリケはクリスマス・年末年始はここにいないとのこと。ちょっと早いけど、メリークリスマスアンドハッピーニューイヤーを交わす。
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年の瀬、静かになっていく

2005-12-23 08:46:04 | ミュンヘン・TUM
昨日からまた雪が降っているので地面は真っ白だ。

夕方、ハルトホッフにあるテンゲルマンまで歩いて買い物にいく。
寮とテンゲルマンのちょうど中間くらいの場所に、以前からアパートの一階を工事をしている場所があって気になっていたのだが、今日見たらALDIが出来ていた。テンゲルマンよりも少し安い商品を扱っているスーパーマーケットである。今までも三駅ほど離れた場所にあるALDIに買い物に行ったりしていたのだが、これからはこっちを利用することが多くなりそうだ。郊外の新興住宅地なので、こうやって徐々に街の体裁が整っていく様子が見れるのが楽しい。
寮に戻り、共用冷蔵庫に買ってきた食料品を納める。気が付けば、僕の部屋の共用冷蔵庫はいつのまにかカラッポになっている。寮暮らしをしている多くの学生はそろそろ実家に帰り始めるのかもしれない。なんとなくいつもより寮が静かだ。

夜、かいくんが貸していた『ヨーロッパ建築案内』を部屋まで返しに来てくれた。
ちょうど晩飯用にパスタを作っていたところだったのでかいくんにも食べてもらう。かいくんが持ってきてくれた紅茶を飲みながら夕食。旅行の計画を話し合う。年末年始はドイツ国内を回ろうかと思っていたが、かいくんと一緒にポーランドに行くことになるかもしれない。調べてみると、シュトゥットゥガルトからワルシャワまでわずか29€で飛べる。それからハンガリー・チェコ・オーストリアといった東欧諸国を巡りながら南下するってのも、なかなか素敵な計画である。

かいくんを送りながらくろさかくんの部屋に米を受け取りに行く。
くろさかくんは今日が語学学校の今年最後の授業で、明日が弓道場の引き収めらしい。年末だなあ。買出しはいつまでにしたらいいかとか、少し立ち話する。
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旅行計画覚書

2005-12-23 05:06:02 | ミュンヘン・TUM
○ドレスデン旅行 25~27日
-ドレスデンまではドイツ国内乗り放題の週末チケットで行く。30€。
-ドレスデンではユースホステルに滞在。一泊17€。
-ミュンヘンまでどうやって帰ってくるかは未定。ヒッチハイク?
-もしくは初めからジャーマンレイルパスを使えばいいのか?四日間で130€。

○トーマスの家に遊びに行く計画 28~29日
-日程・交通手段は一緒に行くフロリアン、かいくんと要相談。
-ホテルはすでにトーマスが予約してくれている。

○ドイツ(の西側半分)縦断計画 30~4日
-ハンブルクまでは飛行機で一気に北上(Germanwingで29€程度)。
-以後はジャーマンレイルパスを使って電車でゆっくりと南下。
-ジャーマンレイルパスはドイツでも買えるが、ミュンヘンでも買えるかは要確認。
-ジャーマンレイルパスは7日間有効なもので160€。
-ユースホステルが年末年始やっているかは要確認。

ジャーマンレイルパスはドイツ国内の鉄道全線に期間内乗り放題のチケット。ICE(都市間超特急)にも乗れる。旅行者向けの特別チケットなので、「留学や業務等で6ヶ月以上ヨーロッパ滞在の方」は購入できない。思いっきり旅行者面して明日D-Bahnのオフィスに行ってみようと思う。

と、書いていて気づいた。初めからジャーマンレイルパスを買えばいいのかも?

25日は週末周遊チケット30€を購入。
26日~4日の10日間はジャーマンレイルパス190€を購入。
合計しても220€。電車乗り放題。「ドイツの車窓から」な10日間。素敵だ。

ともかく明日朝、中央駅のオフィスに行ってみよう。
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ネット上で親指を立てる?

2005-12-22 09:46:41 | ミュンヘン・TUM
朝起きて、日本にいる友達とスカイプで電話する。
そろそろ就職活動を始めようとしている友達も多い。僕はあまりそのことは気にしないようにしている。留学期間が半分終わって、何か僕に変わったところがあるかと聞かれる。手が動くようになった(言葉で説明することに難があるから、モノを見せたほうが早い)。積極的になった(黙っていると埋もれてしまい、ホントに黙殺されるから)。簡単に謝らなくなった(謝っても優しくしてくれないし、低姿勢を見せると付け上がられるから。謝るよりも自分の考えをきちんと主張したほうが建設的)。物事を白黒はっきり言うようになった(英語にはあいまいにぼかして言う表現がないので)。とはいえ、基本的にはマイペースでのんびり暮らしている。

昼過ぎにマックスと待ち合わせ。
ロンドンのおみやげを渡す(大英博物館グレートコートの小さなガイドブック)。昨日のエスキスを振り返りながら、今後の方針を決める。今年はこれでおしまいにし、新年は5日から活動を再開することにした。クリスマス休暇中にドイツ国内を旅行してみようと思っていると言ったら、マックスが日程作りを手伝ってくれるという。クリスマスはミュンヘンで過ごし、その後ドレスデンに3日くらい旅行して、28~29日はトーマスの実家に遊びに行き、年末年始はドイツ国内を放浪しようと思っている。マックスはドレスデン大学出身なので、ドレスデン市内についてネット上の地図を示しながらかなり詳しく教えてくれて、「絶対に訪れるべき場所リスト」をつくってくれた。地元出身ゴットフリート・ゼンパーのオペラハウスなど。年末年始にかけてはマックスの勧めどおりにドイツの西半分の都市を訪ねてみることにした。まずハンブルクまで一気に北上し、その後、ブレーメン、デュイスブルク、デュッセルドルフ、ケルン、ボン、シュトゥットゥガルトと南下してミュンヘンに戻る。特にハンブルク・デュイスブルクの船着場(かつては水運が盛んだったらしい)、ケルンの大聖堂、ボンの博物館は見逃してはいけない、とマックス。それぞれの土地特産のビールも教えてもらう。
交通手段としてマックスが紹介してくれたのは、mitfahrgelegenheit.deというサイト。ドイツ国内でポピュラーになりつつある、オンラインの“ヒッチハイクサイト”らしい。ある都市からある都市へ車で移動しようとしている人が、空いている座席を登録し、同じ目的を持った人がそれに応じて乗り込むのだという。電話またはメールで連絡を取って、待ち合わせ場所に行くだけ。料金は100kmあたり4~5ユーロ払うのが相場らしいが、人によって対応は違うらしい。ドライバーにはガソリン代が浮いたり話し相手が出来たりするメリットがあって、乗り込む方にとっては電車よりも安く(ときに電車よりも早く)目的地に着けるというメリットがある。「これはホントに信用していいの?」「信じていいと思うよ。僕も登録してるし、僕の彼女も使ったことあるし」。マックスはすぐに電話してあげると言ってくれたが、もう少し考えてからお願いするか決めることにした。

夜はよねやまさん、かいくん、かばさわくんと飲む。
クリスマスマルクト会場で軽く飲んだ後、中央駅構内のバーに移動して、バイエルン対ハンブルガー戦を大画面で観ながら飲む。バイエルンがハーグリーブスのゴールで延長戦を制した。
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マックスが交通事故に遭う

2005-12-21 07:59:36 | ミュンヘン・TUM
先週から降り続いていたらしい雪は、少し積もって明け方にようやく止んだ。

待ち合わせの時間になってもCAAD室にマックスが現れない。
20分くらい過ぎたところでマックスからメールがくる。「今日は大学に行けない。駅に向かう途中の道路でぶつけられてしまった…。僕は無事。でも車が壊れてしまったので木曜日までは身動き取れない」。驚いて直接電話をかけてみる。マックスは少し頭痛がするものの怪我はしていなく、今は家にいるらしい。ちなみにマックスは未だにミュンヘンから車と電車で一時間半以上離れた街に住んでいるのだ。しかもマックスの家にはインターネットが通っていないので、せっかく描いてくれた3Dモデルも僕は受け取ることが出来ない。先週僕はロンドンに行っていたので、僕が描いたスケッチ類はまとめてマックスに預けてあった。それもすべて彼の家にあるという。困った。

アシスタントのブーカードに相談してエスキスの順番を後回しにしてもらい、マックスと相談して、彼が描いたCADデータをなんとか僕のパソコンに送信してもらう手はずを整える。隣の家にはインターネットが通じているので、その人が帰ってきたらパソコンを貸してもらうとのこと。僕はそれまで大学で待つことにした。

学食で昼飯を食べてから、ピナコテーク・デル・モデルヌに行く。
時々椅子に座ってうとうとしながら、二時間くらいぶらぶらと観て回る。企画展で上映していたショートフィルムに釘付けになる。Pier Paolo Pasoliniという作家。

マックスが送信してくれたデータを受け取り、CAAD室でプリントアウト。
そこにペンで補足説明のための図を書き込みし、エスキス用のネタが出来た。

演習室でブーカードとホールデンからエスキスを受ける。
ホールデンはすでに僕らの提案をわかってくれているので、話は早い。前回からの改善点を提示し、なぜそうなったかについて説明した。「前回より良くなっているね。次の中間講評(1月10日)でも前回のような模型を期待しているよ。次回は収まりなどがわかるような詳細図面も書いてみたまえ」。全体のデザインはこれでよいのでこのまま細部までスタディを続けなさい、ということらしい。

エスキス後、エスキスの間ほとんどしゃべらなかったブーカードを引き止めて話す。
彼は今もホールデン(≒それに近い方法を選んだ僕ら)とは異なる考え方を支持しているらしい。ミュンヘンでは、担当した学生の成績がアシスタントの評定に影響する(だから提出物には担当アシスタントの名前が併記される)。逆に学生にとってもそれだけアシスタントの存在は重い。ブーカードと気まずい関係のままスタジオを続けたくなかったので、これを機会に話し合うことにした。僕らが、ブーカードの考え方の利点をわかった上で、かつホールデンの考え方の欠点を知った上で、今の僕らの方法をとっていることを説明する。続けて、お互いが疑問に思っていることを話し合った。最後にブーカードは「君もわかっているように、僕の考え方は必ずしもリチャード(ホールデン)とは一致しないこともあるだろう。でも選ぶのは君自身だ。気にすることはない」と言ってくれた。ブーカードの指摘する事柄は確かに僕らも気になっている部分だ。ホールデンはなぜかそこに関してはまったく楽観的なので僕らも油断してしまっていたが、自分たちとブーカードの両方を納得させるためにもそこを避けて通ってはいけないだろう。今週中にもう一度ブーカード個人のエスキスを受けることにして、今日は終わる。

上々だったエスキスの結果をマックスの携帯メールに送信する。
マックスは叔母の友達の車に乗せてもらって明日は大学に来るらしい。

帰りがけにマリエンプラッツに寄ってLudwig BeckのCDショップへ。
ここのクラシックコーナーは、ヨーロッパでも最大級の品揃えとのこと。
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そして僕は再びロンドンへ

2005-12-15 10:51:16 | ミュンヘン・TUM
ブログをサボっていたここ数日のことを簡単に。

月曜日
久しぶりに早起きして気持ちがいい。マックスが腹痛で大学に来れないというので今日も大学で一人でスタディ。増えた要求事項によって付加的に要素が増えた建築を、要素を統合しながらもう一度シンプルなものに引き戻そうとする試み。ときどき気晴らしに外へ出て、ピナコテーク・モデルヌや近所の本屋、大学の隣の公園などへ。夕方からドイツ語講座に出た後は、デパートやクリスマスマーケットを回ってクリスマスプレゼントを物色。至福のひととき。夜はそれらを梱包して過ごす。

火曜日
朝からマックスと大学で待ち合わせ。今日はスタジオの週例エスキスはないということなので、二人でミーティングをして過ごすことに。マックスは盲腸がよくないらしい。午後から病院を予約しているというので、昼までで切り上げた。マックスと別れた後、僕は中央駅前のドイチェポストへ。昨日梱包した荷物を発送する。初めはドイツ語でお願いしようと頑張ったが、そのうち英語になり、最後には「日本語でも大丈夫ですよ」と言われる。一度寮に帰って昼寝した後、夜はアネグレットのアパートでパーティ。かばさわくん、マーク、うちべさん、ダニエル(スペイン人の方の)、アネグレットの友達、かいくんが参加する。アネグレットはとてもおしゃれに住んでいる。キッチンにあったサザエさん柄の手ぬぐいさえかっこいいのはなぜ?帰りはオデオンプラッツ駅まで酔い覚ましがてらけっこう歩いて、終電ギリギリで帰る。その後、四時くらいまで翌日のIBTのプレゼン準備。

水曜日
起きるとすでに10時。予定時間をすでに一時間過ぎている。慌てて用意をして大学へ向かう。教室に駆け込んでパートナーのダニエルに謝ると、彼はキョトンとした顔。いつものように時間が押していたらしく、僕らの発表はまだ順番が来ていなかった。僕らの順番は最後。そつなくこなす。一度家に帰ってシャワーを浴びて、午後からマックスとミーティング。明日からしばらく会えなくなるので、いろいろと指示を出しておいた。プランやらなんやら僕の考えをトレペに書き込んで、マックスに託す。それに基づいて、彼は僕がいない間に模型をつくっておいてくれるらしい。ロンドンからも逐一メールでチェックすることに。ミーティングの合間にマックスが、ドイツの就労試験(?)で使われる簡単な数学クイズを僕に解いてほしいと言うのでやってみる。マックスが「400秒で出来たら僕と同じ」というので内心対抗心燃やす。結果は300秒ちょっと。「僕、ドイツで働けるかな?」「君はすでに仕事を得たも同然だよ」。よねやまさんからミュンヘン空港に着いたとの電話連絡があったので、七時頃マックスと別れ、中央駅へよねやまさんを迎えにいく。無事落ち合えた。まだ宿を取っていないというので、僕の部屋に泊まってもらうことにした。僕はちょうど明日からいなくなるし、それならタダだし。宿も決まったところでアウグスティナービアホールに飲みにいく。ドイツらしい料理をたくさん注文。喜んでもらえてよかった。マリエンプラッツをぶらぶらしてから、寮に帰る。よねやまさんがホームセンターのリサーチをしている間、僕は部屋の掃除とロンドン旅行の準備。その間にかいくんやくろさかくんもやってきたので、よねやまさんに紹介。僕は寮の設備を紹介してからよねやまさんに鍵を渡し、よねやまさんは一時頃就寝。僕は引き続きロンドン旅行の準備とブログの更新(よねやまさんが起きてしまわないように、そっとね)。

今、午前三時になろうかとしているところ。
あと一時間くらいで地下鉄の始発が出るので、それに乗って空港に行く。出発は早朝七時半なので、寝過ごしたときのことを考えて今日は寝ないことにしたのだ。ロンドンには来週の月曜日まで5日間滞在する予定。荷物は少なめに、ディパック一つで。

今年の春に訪れたときは、
田舎から初めて上京したときに受けたショックと比べると「ああ、東京と変わらないな」と思えてしまったロンドン。でも風邪で寝込んだ次の日にふらふらとしたまま訪れた大英博物館グレートコートでココアを飲みながら、涙が出そうになるほど幸せな気持ちになったロンドン。食事と言えば、機内食よりもまずい料理しか食べられなかったという思い出だけのロンドン。でも僕の大好きな建築家たちが住んでいる街ロンドン。終電を逃し、ユースまで二時間近く歩いて帰ったときもあったロンドン。アポ無しで訪れた僕を門前払いしながらも、持参した卒論だけは受け取ってくれて後日大学の研究室の住所に宛ててお礼の手紙を送ってくれた律儀なフォスター卿の住む街ロンドン。まずいスープと失敗した蕎麦みたいなヘロヘロの麺で“野菜ラーメン”を出してきたおしゃれヌードルバー「ワガママ」がチェーン展開するロンドン。ユースで会った友達に教えてもらった食べ放題の中華料理屋が暗い地下で営業していてちょっと怖かったロンドン。立見席で観たミュージカル「ウィーウィルロックユー」。旅行会社で応対してくれた優しいお姉さん。サマセットハウスで観たモディリアーニの絵。ベルリンからの帰りに立ち寄ったスタンステッド空港。警備員に止められてしまったスイスRe。買ったその日にページが外れてしまった安いノートブック。夜のバス停で食べ物をせがんできておきながら、僕が渡したカロリーメイトを「ホントにこれ食べ物?」と疑ってきたホームレスのおじさん。

そして僕は再びロンドンへ。今度はどんなロンドンが見られるだろう。
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体を動かせない辛さ

2005-12-12 08:14:59 | ミュンヘン・TUM
なんばせんせいが入院されていると知り、お見舞いのメールを送る。
すぐに返信があって驚く。生まれて初めての入院なので先生ご自身もびっくりされているそうだ。でもこの入院期間を読書や思索の良い機会と捉えているところがタフな先生らしい。

松村研修士のよねやまさんからメールが届く。
ミュンヘンに到着する日時が決まったとのこと。14日の夕方にミュンヘン空港に到着するそうなので、その日の晩御飯を一緒に食べる約束をした。ドイツのDIY事情について調べていると聞いた。翌日から僕はロンドンに出かけてしまうが、できるかぎりお手伝いをさせていただこうと思っている。とりあえずミュンヘン市内のDIYホームセンターはリスト化してあるので、もし時間があればそのうちの一つくらいは案内したいのだけど…。

夜は缶入りカレーに野菜をたっぷり追加してスープカレーをつくって食べる。
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クリスマスマルクト

2005-12-11 09:23:31 | ミュンヘン・TUM
夕方から気分転換にクリスマスマルクトに出かけてみる。
オクトーバーフェストの会場がこの時期はそのまま巨大なクリスマスマルクト会場になっているのだ。色とりどりのテント小屋が立ち並び、クリスマスツリーの飾りやクリスマス風ファッションやクリスマスにちなんだ食べ物やクリスマスにちなまない食べ物などを売っている。コンサートや演劇をやっているテントもある。日が落ちてくると、蝋燭台や張子の照明器具を並べている出店が目立ってくる。暖かな光に吸い寄せられるようにして自然と人だかりが出来る。ただ見ているだけでも目に楽しいが、誰かにプレゼントすることを想定して見て回るともっと楽しい。家族、恋人、親子、老夫婦。行き交う人誰もが皆幸せそう。だから僕はクリスマスのこの雰囲気が好きだ。クリスマスツリー用の小さな飾りを揃えた出店がにぎわっている。店先のテントの下にぶら下がったいくつものオーナメントのなかから、太った白ヒゲのサンタクロースが足をぶらぶらさせながら楽器を掲げている小さなクリスマスツリー用オーナメントを選ぶ。現品限りで売り切れだったらしく、そのまま包んで箱に入れてくれた。

夜はかいくんらとマリエンプラッツで待ち合わせてヴァイスブロイハウスへ。
三人でビールを飲む。つまみはソーセージの盛り合わせ・チーズの盛り合わせ・乳牛の乳房の衣揚げ。デザートはアップルパイのアイスクリーム添え。さっき買ったオーナメントをお土産にプレゼントする。明日の午後便で日本に帰るそうだ。


僕ら二人今夜ここにいる  それだけで十分なのさ
さあグラスを上げて  ほら、下なんか向かないで
こんな気分になれるのは 一年のうちで今だけだから
クリスマスを楽しもう  ただ素敵なクリスマスを

Wonderful Christmastime / Paul McCartney
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かっこいいドイツ人マダム

2005-12-10 12:18:00 | ミュンヘン・TUM
昼過ぎからダニエルと一緒にプレゼンづくり。さくさく進んですぐ終わった。

夜はゲルトナープラッツシアターにふらりと演劇を観に行く。

どこでも空いている席に座れる当日券(学生7ユーロ、一般は10ユーロ)で入ろうと思っていたら、入り口のところで初老のマダムにドイツ語で声をかけられる。「あなた今夜の演劇を観に来たの?チケットはもう持ってるの?」ダフ屋かと思って「学生なので当日券を買おうと思ってます。おかまいなく…」みたいにして通り過ぎようとすると、「連れが来れなくなってしまってチケットが余ってしまったのよ。このままじゃもったいないからあなた私から買ってくれない?値段はあなたが払いたい額でいいわ」と英語で話しかけてきてくれた。「では7ユーロでもいいですか?」と言おうと思って10ユーロ札を出すと、受け取りもしないで「10ユーロね?十分よ。さあ行きましょう!」。導かれるまま一階のガードローブで荷物を預け、席に案内される。なんと一番前のド真ん中。普通に買ったら50ユーロくらいする一番高い席だ。「こんな席に10ユーロなんて安すぎます。もっと払わせてください」と慌てて訴えたが、彼女は10ユーロしか受け取ってくれない。夫と一緒に年間パスを買っているらしく、今夜は夫が用事で来れないので誰か一緒に見る人を探していたらしい。僕が交換留学で日本から来てTUMで建築を勉強していることや、オペラや演劇に興味があって暇が出来たら観に来るようにしていることを話す。ミュンヘンには多くの日本人が芸術を学びに来ていることも。「今日の演目はモダンなのよね。私ホントはあまりモダンは好きじゃないの。つまらなかったら途中で帰るかもしれないわ」「途中で帰るのはありなんですか?」「時間を無駄にする必要はないもの。家で過ごした方がいい場合もあるわ」「でも僕はモダンが好きです。先週もモダンバレエを観に来たんですよ」「私は古典がいいわ。来週の『蝶々婦人』は最高よ。いつ見てもうっとりするわ。あなたも絶対に来るべきよ!」。僕が元吹奏楽部員だったことを話すと、目の前のオーケストラピットを指差しながら「あの楽器はなんていうの?」といろいろ質問される。「あれはチューバと言って僕も日本で吹いていた楽器です。あ、今日の奏者も日本人みたいですね」「あれはバスクラリネットと言ってクラリネットの一種です。人間の声域に最も近い音が出る楽器といわれています」といった感じで説明しているうちに、開演の時間になった。

半分くらい終わったところでマダムは僕に向かって「つまらないわね」というしぐさをし、僕が渡した10ユーロ札をおもむろにカバンから出すと僕に返してきた。耳元に小声で「あなたはこんな演劇に10ユーロも払う必要ないわ」「でも僕受け取れません!」「いいのよ。私も帰ろうと思ってるの」「…じゃあ、この10ユーロで来週『蝶々婦人』を観に来ます」「そう、それがいいわ。私は来週もこの席に座っているから見つけたら声をかけてね!じゃあ、またね」そう言って彼女は途中退席していった。時々ドイツ語が混ざるけど彼女の英語はとても流暢だった。

寮に帰り、かいくんのところでやっていたパーティーにワインを持って途中参加。
かいくんお手製のたこ焼きや、かいくんの彼女お手製のたこやきや、かいくんのコミュニティの女の子がつくってくれた料理を振る舞われる。途中、ワールドカップの組み合わせ抽選会をテレビ中継で見る。日本の相手はブラジル・クロアチア・オーストラリアに決まった。僕らが悲嘆にくれていると、かいくんのコミュニティに住んでいる女の子の彼氏が勇気付けてくれた。「君は1994年を忘れたのか!」「ああ、オリンピックのマイアミの奇跡だね。伊東輝悦のゴールで日本がブラジルに勝ったあの試合…」「そうだよ。今回も勝てるさ!」部屋で中継を見ていたドイツ人の女の子は「まあ、ドイツが勝ち抜けるように抽選は操作されてるのよね…」と冷静。
一時くらいにくろさかくんと先に帰ったが、パーティーはまだ続いていた。

帰りにくろさかくんの部屋に寄ってお茶をもらいながら、床に敷き詰めたカーペットを見せてもらう。彼の部屋のテレビでBBCのニュースを見ながら、二時くらいまで過ごす。
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