goo blog サービス終了のお知らせ 

ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

建築は、

2006-02-02 00:43:44 | ミュンヘン・TUM
おひさしぶりです。こみやまです。

昨日、スタジオの最終講評会があった。

発表の順番は今回も一番最初だった。
ホールデンからは「君らが言うように、本当にその“五番目のファサード”はそのように働くのかな。断面詳細図には嘘が多いね。君らは○○教授(名前失念。環境系の先生)にもエスキスを受けるべきだったんじゃないかな。そういうことをやりたいならノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノからもっと多くを学ばなければいけないね。でも模型を見れば君らの異常な熱意はわかるよ」との評価を受けた。



もしコンセプチュアルなアイデアの段階にとどまっていれば、もし無理して断面詳細図を書こうとしなければ、もしかしたら「面白いアイデアだね。可能性を感じるね。もし君が望むなら次のセメスターも…」という好評価を受けて終われたかもしれない。去年の年末の段階ではそういう雰囲気だった。でも僕らは(少なくとも僕は)アイデアの段階でとどまることは本望ではなかったのである。図書館でディテール社の『ファサードアトラス』や『ルーフアトラス』、『ソーラーアーキテクチュアディテール』…などを読みあさったのである。でも結果的に僕は自分が今理解している以上のことを図面で表現しようとしてしまったのだった。でもその点では、悔いはない。講評会の合間の昼休み、一緒にタイ料理レストランでビールを飲みながらかいくんは言った。「確実に増えてるはずだよ。善玉か悪玉かは知らないけどね笑」。そうかもしれない。思っていたような結果が得られず、結局同じ自分に戻ってしまったような気がして落ち込んでいたのだけど、見えないところで何かは確実に増えているはずなのだ。

自分のスタジオの発表の後、他のホールデンスタジオの講評会も合わせて聞く。
最後の二組は、前のセメスターから継続してデザインを続けているグループだった。北極の雪原に立つ持ち運び可能なリサーチラボ。マテリアルの会社や調査会社とスポンサー契約をして、現実に建てることを前提として設計を進めていた。最後には、建てるために必要なエネルギー・コストとそれを捻出するための経済戦略も合わせてプレゼンテーションしていた。これがデザインだと思った。これだけ内容の濃い講評会に当事者として参加できただけでも、ミュンヘンを留学先に選んで、ホールデンスタジオを選択した価値があったと、体が震えた。

夜、講評会後の立食パーティで、僕はホールデンに個人的に話しかけた。
ホールデンは言った。「君のやろうとしたことは、ありふれたことではないから、1セメスターでやり遂げるのは難しいだろうことはわかっていた。だからそんなに落ち込むようなことではないのだよ。僕を見なさい。僕だって大学時代はよい成績を得られなかった。でもフォスターの事務所に行ってから人生が変わったのだよ。フォスターが僕の先生になったのだ。忘れてはいけない。人生は長い!僕のように60歳で花開くこともある。それが建築だろ?」。続けて、自分がどうして彼のスタジオを選んだのか、どうしてこのようなテーマを選んだのか、を話した。「フォスター事務所?行きなさい行きなさい。行くべきだ。僕の事務所?もちろんだ。いつでも来なさい」“フォスター事務所に行きたい(ホールデン事務所に行きたい)”「go to get a job」と言う単語を使う勇気はなくて、「visit」という単語を使ってしまったのだけど、ともかく、春休みに彼らの事務所をロンドンに訪ねる決意は固まった。

パーティは終電の時間まで続き、寮に帰ってからも目が冴えて眠れなかった。
整理つかない気持ちを殴り書いてメールにして出したりした。この数ヶ月間、楽しいことばかりではなかった。ブログにすべてを書くつもりはないけれど、よい経験になった。結局、自分への自信はついたのか、つかなかったのか。よくわからない。でもある人はメールでこう返信してくれた。

「満たされない気持ちと、もてあます自分のエネルギー。どこに行ったって、誰とやったって、何歳になったって、この思いから逃れられることはないんじゃないでしょうか。まだ君は、自分にエネルギーがあることを信じてるじゃない。君にやり場のないエネルギーがある限り、次のステージは眠って待ってても、やってくるはずだと思います。だから今はちょっと休もうよ。ぐっすり眠って、美味しいご飯食べて」

僕はこれからも悩み続けるだろう。でも目の前のことにいつも一生懸命でいたい。
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゲホゲホ、ゲホ

2006-01-22 08:49:43 | ミュンヘン・TUM
夜、チュニジアから帰ってきたくろさかくんに水タバコ吸いませんかと誘われる。

チュニジアは大統領が独裁をしく観光立国で、治安は良いけど物売りがしつこいらしい。旧宗主国のフランスやドイツからの観光客が多いらしく、英語よりもドイツ語フランス語が通じるとのこと。街では男たちがお茶を飲んでいて、女性の姿はあまり見かけなかったそうだ。遊興施設はあまりないらしい。一週間、昼間はカルタゴ遺跡を見て、夕方から水タバコを吸って、夜は踊っていたんだそう。そんな彼がお土産に水タバコセットを買ってきてくれたのでさっそく二人で試してみる。

花瓶のようなガラスの壺に水を八分目くらいまで入れ、錫で出来た管をセットする。接合部の気密性がいまいちなのでビニールテープやアルミホイルで密封する。現地でもこんな感じだったらしい。管の頂部にタバコの“葉”をセットするお皿があって、そこにエジプト製の林檎味の葉を乗せる。アルミホイルをかぶせて穴を開け、その上にマッチで火をつけた小さな練炭を乗せる。その上からフードをかぶせて準備完了。あとは管を通って水の中に入りニコチンが減衰された煙を、装飾が施されたチューブの先から吸い込むだけ。ぶくぶくと壺の水が泡を立て、口の中にあまっとろい煙が入ってくる。ゲホゲホ、ゲホ。慣れてきたら鼻からふ~っと煙を出したりしてみる。キッチンに甘い林檎の香りが充満する。これでチュニジアの半分は理解できたことになるとのこと。まあ、常習したくはないしタバコを吸うのはこれが最初で最後かな。くろさかくんも、そんなにうまいもんでもないですよね、と笑。


砂漠を旅するベドウィンの服装で水タバコを吸ってみる。気分はノマド(想像)。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

建築は、やめられない!

2006-01-21 09:30:30 | ミュンヘン・TUM
今日はシンポジウム「Housing is back!」がTUMで開かれた。

午前11時から午後11時までのマラソン講演会である。
一人の持ち時間30分で、それぞれの住宅観を自分のプロジェクトと共に紹介する。午前中は主にドイツ語圏出身の建築家がしゃべった。今日はスタジオ作業は中断したので、自分たちのプロジェクトの参考になりそうなところはないかと探しながら適宜メモする。マックスに時々翻訳してもらいながら一緒に聴いて、休憩時間に昼飯を食べに二人で大学の近くのタイ料理のお店へ。以前かいくんと来たときと同じジージャオグン(肉野菜炒め?)を頼む。「マクドナルドとそんなに値段変わらないし、ずっと健康的でしょ?おいしかった?」「まあまあかな」こいつめ…。マックスとは昼飯を食ったところで別れる。彼はこれからフランクフルトへ行って、週末は来春のルフトハンザパイロット試験受験者のためのガイダンスに出席するのだ。

午後の部に出ようと会場に戻ると、隈研吾さんが外で休憩しているところだった。
一瞬足が震えてしまったが、すぐに気を取り直して話しかけてみる。自分の名前・所属を名乗ってから、留学でTUMに来ていることを話す。「(もししばらくミュンヘンに滞在されるなら…)」と何か起こることを期待してしまったが、隈さんは明日ロンドンに発ってしまうとのこと。ああ残念…と思っていると、「ミュンヘンはビアホールがすごいらしいねえ。まだ行ってないんだよなあ。今晩案内してよ」

他にも日本人学生がいることを言ったら、一緒に行きましょうと言ってくれて、自分のレクチャーは六時からなので終わったらすぐに行きましょう、と。なんたる幸運!そわそわと落ち着かないまま、午後の部のレクチャーを隈さんの後ろの席で聴く。

隈さんのレクチャーは「Ambiguity/あいまいさ」について。
「水/ガラス」における縁側空間・借景の話から始まって、インテリアでもエクステリアでもない空間の必要性、という軸で自身の作品を解説していく。トラヴァーチンを細かくタイル状にして吊り下げるのもAmbiguity。話は茶室に移り、茶室はその存在自体があいまいさで成り立っている空間だという話に。そしてフランクフルトで進行中の茶室プロジェクトの話へ。茶室は究極のコンパクトホームだと考えて、あいまいさを許さない空間に引用したホールデンの捉え方とは異なるんだな。

終了後、すぐに隈さんに声をかけて、タクシーでホーフブロイハウスへ。
いかにもドイツらしい雰囲気のなか、三人で乾杯。かいくんと一緒に食べ物や街並みなどドイツのお国事情の話から始まって、今日のレクチャーの話へ。そこから現在公開中の熱海の日向別邸の話になって、タウトつながりでしばらく井上房一郎と群馬の裏話を。隈さんも審査員だった富弘美術館コンペの話をしているあたりでかばさわくんうちべさんも合流。改めてそれぞれの大学の話をした後、再び今日のレクチャーの話題になって、茶室の話へ。原美術館で展示されていたKRUGの話や、フランクフルトで進行中の空気膜構造茶室の話を聞く。その後世界中で進行中のプロジェクトやコンペの話を聞いているうちに隈さんは次の予定の時間に。フィルハーモニーまで道案内してから、僕らは大学へ戻ってレクチャーの続きを聴く。

シンポジウム最後の話者は妹島和世さん。
「洗濯機ってなんて言うんだっけ?」と小声で最前列の西沢大良さんに聞いたりするようなマイペースな語り口だったけど、図書館のプロジェクトの話を聴いているうちに、頭の中が洗浄されていくのを感じた。頭の中のまだ働いていなかった領域にポツっと明かりが点いたような感覚。とにかく感動する。自分自身のプロジェクトを考えて考え抜いている日々なので、刺激に敏感になっているらしい。

シンポジウム終了後に開かれた大人たちの懇親会にも飛び入りしようと思ったが、とても紛れ込めそうな雰囲気のお店ではなかったので入り口で断念。

帰り道、公衆電話から実家に電話。
センター試験を受ける弟にエールを送ろうと思ったが、すでに家を出てしまった後だった。興奮冷めやらぬまま、電話口に出た母に今日の感動を伝える。揺さぶられ、生きているってことを実感できる衝撃。だから建築はやめられない、のかな。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

15分

2006-01-20 10:15:11 | ミュンヘン・TUM
Schwarzfahren? Nein Danke! 「タダ乗り?やめようよ、そんなの!」

地下鉄のコンパートメントの中から。僕らの寮の一駅前、Harthofに着いたところ。ドイツに来た当初、電子辞書を片手に車内の広告やら注意書きやらを片っ端から訳して単語を覚えようとしていたっけ。右上に写り込んでいるのはミュンヘン交通局のタダ乗り防止啓発ポスター。無賃乗車はかっこ悪いよ、と訴えている。最近は見慣れた広告ばかりになったので、日本の小説を読んだりしている。
大学と寮を往復する毎日。地下鉄で片道15分。電車通学はよい気分転換。


今日は遅めの集合時間にする。昼過ぎに大学でマックスと待ち合わせ。
一昨日マックスは腹痛で大学に来れなくて、医者に行っていたらしい。同じものばかり食べないできちんとした食生活をしてください、と言われたそうな。ファーストフードばかり食べていて、ペプシのペットボトルをいつも持ち歩いてたら、そりゃ体調も悪くなるよな。彼は平気で食事抜いちゃったりするし。いつも半そでのポロシャツの上にジャケット羽織るだけで「薄着健康法!」とか言って実践してる割には、肝心なところでズボラなんだよなあ。

今日は模型のスタディ。
マックスが用事で帰った後、図書館で詳細図見ながらスタディを図面にフィードバック。残り1週間ちょい。どう見せれば僕らの考えが伝わるかを考え始めている。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ディプロマの季節

2006-01-18 10:30:54 | ミュンヘン・TUM
朝、ざわざわとした話し声が聞こえてソファの上で目が覚める。
気が付くとCAAD室は学生でいっぱいに。TUMでは今週の木曜日がディプロマ(卒業製作)の提出日らしい。プリンタがひっきりなしに何かを打ち出している。窓の外を見ると、「明日雪が降る気がする」との昨日のマックスの予言通り、雪が降り始めていた。書き終わった分の図面を出力してスタジオに戻る。

今日はエスキスの順番が僕らまで回らなかったので明日の朝一で受けることになり、今日はアシスタントのブカードのエスキスだけを受ける。断面図の描き方について。部材の組み合わさり方がわかるように、少し隙間を空けて部材を描き並べた方がよいとのこと。

夜はユージンのささやかなバースディバーティ。
いつものとんかつレストランへ。初めは三人だったのだけど、だんだん人が増えて大所帯に。結局ホールデンスタジオのメンバーがだいたい揃う。課題が終わったら改めてしっかり飲む約束をして、僕は今日はほどほどにして退席。

大学で寝た方が朝が楽なので今日もついつい大学に残ってしまった。
m-chが立ち入り禁止になってしまったので(模型なので中に入らないでね、との張り紙)、今日は椅子を並べて寝よう。スタジオでは、ホールデンの主査でディプロマを製作している学生がヘルパー二人を引き連れ夜を徹して作業をしている。
Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

暖かくてふかふかしたとこ

2006-01-17 09:45:14 | ミュンヘン・TUM
僕が最終プレゼンの構成を考えて、マックスが図面を清書する。
途中から僕も断面図の検討。エスキスを挟みつつそんな作業を続けていたら、気が付けば終電を逃していた。マックスは中央駅まで歩いてそこでタクシーを拾うと言って帰っていった。僕は「君はクレイジーだ」と言われつつも大学に泊まる道を選択。スタジオに残っていたダニエル、ユージンとどこで寝たら気持ちいいか話す。暖かくてふかふかしたところ…。スタジオには1分の1スケールの住宅模型がいくつか置いてあるのでその中で寝ようと思ったら、「そのm-chは今夜は俺の家だぜ」とダニエル。僕はCAAD室にあるいつものソファで寝ることに。「椅子が3つ並べばベッドに見える」という話を卒業設計期間中によく製図室でしてたっけ。ソファなら立派なベッドである。どこでも寝られる僕をマックスは驚嘆の目で見ているが。

明日はホールデンのエスキス。夜はユージンの誕生会(つまり飲むわけです)。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラ・マンチャの男

2006-01-16 09:35:25 | ミュンヘン・TUM
夜、ゲルトナープラッツ劇場にミュージカル『ラ・マンチャの男』を観に行く。

主人公はカトリック冒涜の罪で投獄されたセルバンテスであり、彼が獄中で演じる劇中劇における田舎騎士アロンソ・キハーナであり、そのキハーナの妄想である英雄ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャである。書きかけの台本を囚人たちに取り上げられそうになったセルバンテスは、自ら主人公ドン・キホーテとなって獄中で劇を演じる。行く先々でトラブルを起こしながらも世直しの旅を続けるドン・キホーテ一行を、残されたキハーナの家族が追いかける。旅先で出会った食堂の女中をドルネシア姫だと思い込んでしまうドン・キホーテ。酔っ払いの悪漢たちから正義の一心で彼女を救い出すが、ドン・キホーテが去った後に彼女は再び悪漢たちに襲われてしまうのであった。やがて家族に発見され家に戻されると、ドン・キホーテは病の床に就き、ようやく家族の名前を思い出しキハーナとして生涯を終えそうになる。するとそこへ先ほどの女中が駆け込み、売春婦として生きてきた自分を懺悔する。そして息を引き取ろうとするキハーナに対し、もう一度自分を救ってくっれた騎士ドン・キホーテとして戻ってきて欲しいと必死に語りかける。再び覚醒し、サンチョと共に高らかに歌うドン・キホーテ。しかし「そうだ私は、私は…」と言い終わる前に崩れ落ち、息を引き取るのであった。そこで舞台は明転し、牢獄の階段を下りてくる衛兵。宗教裁判の結果、セルバンテスの罪が解けたのである。今まで一緒に劇を演じてきた囚人たちに別れを告げ、荷物をまとめて去っていくセルバンテス。しかし残された囚人たちは「不屈の精神で正義を勝ち取った」セルバンテス(=ドン・キホーテ)に向けて明るい希望に満ちた歌を歌う。妄想としてのドン・キホーテは家族の呼びかけによって死に、肉体としてのドン・キホーテは売春婦の呼びかけに応えた後に死に、作者セルバンテスが台本を持って階段の向こうに消えると劇中人物としてのドン・キホーテも消えてなくなった。セルバンテスが牢獄で衣装箱を開いた瞬間に始まった劇中劇の重層構造はこうして最後にパタパタと閉じられたが、囚人たちの希望としてのドン・キホーテはセルバンテスが去った後も獄中に生き続けたのであった。

ドルネシア(売春婦)を助けた直後に「あなたはいったい何が望みなの(やっぱり私の体なんでしょ?)」と問われたドン・キホーテが騎士としての自分の本分を語った上で歌う歌が「見果てぬ夢」。同じ歌を、セルバンテスが去った後にドルネシアのリードで囚人が大合唱する。全編を通じて台詞も歌もすべてドイツ語だったけど、この歌だけは英語の歌詞のまま歌われていた。
「To dream the impossible dream...」


一昨日の晩はボック先生・戸島先生(日本語教室)主催の新年会があった。
日本からの留学生とTUMで日本語を勉強している学生が大集合。日本語・ドイツ語・英語が飛び交うにぎやかな会になった。料理は持参だったので、僕らはきな粉もちとたこ焼きを実演(コミュニケーションツールとしては抜群)。日本語、ドイツ語、お互いたどたどしながらも会話。来夏から東大に留学する物理学科のバレンティン(漢字で「芭恋」と書くらしい)と意気投合し、ドイツと日本の似てるところ違うところを比べながら盛り上がる(英語で…)。バイエルン州は関西圏に似ている、とか。今度ミュンヘンで一緒に改めて飲んで、東京でもまた会おうと約束する。

それ以外は基本的にスタジオの作業に集中している。週が開けたらまたアシスタントさんのエスキスを受けてみよう。火曜日はホールデンのプレゼンエスキス。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の生活

2006-01-13 04:29:34 | ミュンヘン・TUM
CAAD room

地下の工作室の隣にはCAAD室と呼ばれるコンピューター室がある。24時間自由に使用可能。20台ほどのパソコンと、A1サイズも余裕で打ち出せるロール式のプリンタ・レーザープリンタが備え付けられている。学生は事前にアカウントを登録し、ユーロをプリペイドしてプリンタを使う。CADソフトはVectorworksとArchiCADを装備。画像編集ソフト・プレゼンソフトもadobeのものがひととおり揃っている(InDesignの使い方はミュンヘンに来てからマックスに教えてもらった)。終電を逃してしまった日はこの部屋にあるソファで僕はたまに寝ている。


しばらくブログを更新していなかったけど、僕は元気です。

昨晩はホーフブロイハウスでくろさかくんのご両親と食事をさせてもらった。
プレッツェルの売り子が練り歩き、楽団の演奏がにぎやかに繰り広げられる中、隣の席にいたドイツ人のグループと何度も乾杯を交わす。陽気なドイツの典型だ。

年越しを経てリセットされたスタジオにもう一度作業場所を構築。
マックスと共有しているロッカーは、図書館で集めた資料やスタディで書き溜めたトレペでいっぱいになってきた。もう使わないだろう本は寮の部屋に持って帰る。

中間講評のちょっと前くらいから、毎日朝九時にスタジオに集合して夕方までスタディし、それからアシスタントさんにエスキスをお願いして、最後にまた二人で反省会という生活スタイルが続いている。ときどきトーマスもスタジオに僕らの様子を見に来てくれる。もう提出まで残り三週間をきったので、アシスタントさんと二人三脚でゴリゴリいく所存(時には担当外のアシスタントさんも交えて)。担当アシスタントのブーカードもノッてきてくれている。彼の経験値はとても頼りになる。毎回消費されていく大量のトレペ…。

最終提出前最後の中間講評会では、プレゼンテーションの仕方も含めてたくさんのリクエストをもらえたのでよかった。ディテールに関する意見ももらえたし、次のステップとしてより現実的な問題への対応も求められた。フォスター事務所から来た人が言う。「これからは三十分の一と言わずに、十分の一、五分の一、一分の一のスケールでもスタディしてみたまえ」うんぬん。本来は2学期間かけて完成させるスタジオ課題なのだけど、残念ながら僕にはその時間がない。この学期の間に行けるところまで行くつもり。最後にホールデンは直筆のスケッチを今回も僕らに手渡す。「これは試験のようなものだよ。来週までに僕のこのスケッチよりも優れたセクションを書いて僕のところに持ってくるように!」
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

They come !

2006-01-10 06:10:43 | ミュンヘン・TUM
Max with CNC machine

TUMには地下にまるで工場のような工作室があって、登録して講習を受ければ学生は誰でも24時間自由に使える。木材のほか、アクリルや金属も切断・加工することが出来る。僕らが今回使用したCNCはCADと連動した切断機で、CADの三次元データに基づいてプロッターのようなアームが動き、取り付けられたドリルが回転して材料を正確に切り出す。耳保護用のイヤホンを取り付けながらカバー越しに試運転の様子を見守るマックスの真剣なまなざし。


Tomorrow, we have the pre last testat.
I heard that 3 architects who work in Foster&Partners will come as guest clitics.
So I got a little bit nervous now. But I will do as usual.
I am really looking forward to see them.

Good night !
(I need sleep now...)
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祭日・ただしカトリックのみ

2006-01-07 08:44:24 | ミュンヘン・TUM
Some mock-ups in the Horden studio

朝10時にマックスとスタジオで待ち合わせ。
早めに家を出て大学に行く前に銀行に家賃を振り込もうと思ったら、銀行は閉まっていた。パン屋や本屋も軒並み閉まっている。もしやと思い大学に直行すると、案の定正門が閉まっている。今日はドイツでは休日らしい(あとでマックスに聞いたところによると、宗教的祭日らしい。キリストの生誕と関係あるらしい。ただしカトリックのみ。ドイツ国内でもプロテスタントの多い地域では普通に平日扱い)。休日用玄関から入ろうとすると、珍しく警備員に止められ、休日入構許可証の提示を求められる。でもてっきり今日は平日だと思っていたので携帯していない。学生証も置いてきてしまった。図書館のカードを見せてもダメ。おじさんは頑として中に入れてくれない。しかも英語が通じない。あやしいドイツ語で粘り強く交渉し、最後に定期券を提示すると、ようやく生徒台帳みたいのをめくって僕の所属を確認してくれた。定期券にTUMと入っていたのが効いたらしい。やがて僕の名前を台帳の中に見つけてくれて一件落着。「なんだ、ホールデンスタジオの学生さんか。だったら始めからそういってくれれば良いのに」と言って中に入れてくれた。ホールデンスタジオは勝手のわからない留学生が多いから大目に見るってことだろうか。

十時からマックスとミーティング。
午前中は分担作業して、昼飯は近くのケバブ屋に二人で行く(いつも行くスーパーが開いてなかったので)。午後もまた分担作業して、八時頃集まって成果報告し、九時頃解散。ちょうどかいくんも帰るところだったので、二人で中央駅に行ってケバブを食べる。寮に帰り、旅行中の写真整理をしようと思ったけど、強烈な眠気に襲われて断念。明日も10時に集合し、CNCルーム(工作室)の機材を使って模型をつくり始める予定。

(12月30日以降の記事に写真を追加しました)

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする