おひさしぶりです。こみやまです。
昨日、スタジオの最終講評会があった。
発表の順番は今回も一番最初だった。
ホールデンからは「君らが言うように、本当にその“五番目のファサード”はそのように働くのかな。断面詳細図には嘘が多いね。君らは○○教授(名前失念。環境系の先生)にもエスキスを受けるべきだったんじゃないかな。そういうことをやりたいならノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノからもっと多くを学ばなければいけないね。でも模型を見れば君らの異常な熱意はわかるよ」との評価を受けた。

もしコンセプチュアルなアイデアの段階にとどまっていれば、もし無理して断面詳細図を書こうとしなければ、もしかしたら「面白いアイデアだね。可能性を感じるね。もし君が望むなら次のセメスターも…」という好評価を受けて終われたかもしれない。去年の年末の段階ではそういう雰囲気だった。でも僕らは(少なくとも僕は)アイデアの段階でとどまることは本望ではなかったのである。図書館でディテール社の『ファサードアトラス』や『ルーフアトラス』、『ソーラーアーキテクチュアディテール』…などを読みあさったのである。でも結果的に僕は自分が今理解している以上のことを図面で表現しようとしてしまったのだった。でもその点では、悔いはない。講評会の合間の昼休み、一緒にタイ料理レストランでビールを飲みながらかいくんは言った。「確実に増えてるはずだよ。善玉か悪玉かは知らないけどね笑」。そうかもしれない。思っていたような結果が得られず、結局同じ自分に戻ってしまったような気がして落ち込んでいたのだけど、見えないところで何かは確実に増えているはずなのだ。
自分のスタジオの発表の後、他のホールデンスタジオの講評会も合わせて聞く。
最後の二組は、前のセメスターから継続してデザインを続けているグループだった。北極の雪原に立つ持ち運び可能なリサーチラボ。マテリアルの会社や調査会社とスポンサー契約をして、現実に建てることを前提として設計を進めていた。最後には、建てるために必要なエネルギー・コストとそれを捻出するための経済戦略も合わせてプレゼンテーションしていた。これがデザインだと思った。これだけ内容の濃い講評会に当事者として参加できただけでも、ミュンヘンを留学先に選んで、ホールデンスタジオを選択した価値があったと、体が震えた。
夜、講評会後の立食パーティで、僕はホールデンに個人的に話しかけた。
ホールデンは言った。「君のやろうとしたことは、ありふれたことではないから、1セメスターでやり遂げるのは難しいだろうことはわかっていた。だからそんなに落ち込むようなことではないのだよ。僕を見なさい。僕だって大学時代はよい成績を得られなかった。でもフォスターの事務所に行ってから人生が変わったのだよ。フォスターが僕の先生になったのだ。忘れてはいけない。人生は長い!僕のように60歳で花開くこともある。それが建築だろ?」。続けて、自分がどうして彼のスタジオを選んだのか、どうしてこのようなテーマを選んだのか、を話した。「フォスター事務所?行きなさい行きなさい。行くべきだ。僕の事務所?もちろんだ。いつでも来なさい」“フォスター事務所に行きたい(ホールデン事務所に行きたい)”「go to get a job」と言う単語を使う勇気はなくて、「visit」という単語を使ってしまったのだけど、ともかく、春休みに彼らの事務所をロンドンに訪ねる決意は固まった。
パーティは終電の時間まで続き、寮に帰ってからも目が冴えて眠れなかった。
整理つかない気持ちを殴り書いてメールにして出したりした。この数ヶ月間、楽しいことばかりではなかった。ブログにすべてを書くつもりはないけれど、よい経験になった。結局、自分への自信はついたのか、つかなかったのか。よくわからない。でもある人はメールでこう返信してくれた。
「満たされない気持ちと、もてあます自分のエネルギー。どこに行ったって、誰とやったって、何歳になったって、この思いから逃れられることはないんじゃないでしょうか。まだ君は、自分にエネルギーがあることを信じてるじゃない。君にやり場のないエネルギーがある限り、次のステージは眠って待ってても、やってくるはずだと思います。だから今はちょっと休もうよ。ぐっすり眠って、美味しいご飯食べて」
僕はこれからも悩み続けるだろう。でも目の前のことにいつも一生懸命でいたい。
昨日、スタジオの最終講評会があった。
発表の順番は今回も一番最初だった。
ホールデンからは「君らが言うように、本当にその“五番目のファサード”はそのように働くのかな。断面詳細図には嘘が多いね。君らは○○教授(名前失念。環境系の先生)にもエスキスを受けるべきだったんじゃないかな。そういうことをやりたいならノーマン・フォスターやレンゾ・ピアノからもっと多くを学ばなければいけないね。でも模型を見れば君らの異常な熱意はわかるよ」との評価を受けた。

もしコンセプチュアルなアイデアの段階にとどまっていれば、もし無理して断面詳細図を書こうとしなければ、もしかしたら「面白いアイデアだね。可能性を感じるね。もし君が望むなら次のセメスターも…」という好評価を受けて終われたかもしれない。去年の年末の段階ではそういう雰囲気だった。でも僕らは(少なくとも僕は)アイデアの段階でとどまることは本望ではなかったのである。図書館でディテール社の『ファサードアトラス』や『ルーフアトラス』、『ソーラーアーキテクチュアディテール』…などを読みあさったのである。でも結果的に僕は自分が今理解している以上のことを図面で表現しようとしてしまったのだった。でもその点では、悔いはない。講評会の合間の昼休み、一緒にタイ料理レストランでビールを飲みながらかいくんは言った。「確実に増えてるはずだよ。善玉か悪玉かは知らないけどね笑」。そうかもしれない。思っていたような結果が得られず、結局同じ自分に戻ってしまったような気がして落ち込んでいたのだけど、見えないところで何かは確実に増えているはずなのだ。
自分のスタジオの発表の後、他のホールデンスタジオの講評会も合わせて聞く。
最後の二組は、前のセメスターから継続してデザインを続けているグループだった。北極の雪原に立つ持ち運び可能なリサーチラボ。マテリアルの会社や調査会社とスポンサー契約をして、現実に建てることを前提として設計を進めていた。最後には、建てるために必要なエネルギー・コストとそれを捻出するための経済戦略も合わせてプレゼンテーションしていた。これがデザインだと思った。これだけ内容の濃い講評会に当事者として参加できただけでも、ミュンヘンを留学先に選んで、ホールデンスタジオを選択した価値があったと、体が震えた。
夜、講評会後の立食パーティで、僕はホールデンに個人的に話しかけた。
ホールデンは言った。「君のやろうとしたことは、ありふれたことではないから、1セメスターでやり遂げるのは難しいだろうことはわかっていた。だからそんなに落ち込むようなことではないのだよ。僕を見なさい。僕だって大学時代はよい成績を得られなかった。でもフォスターの事務所に行ってから人生が変わったのだよ。フォスターが僕の先生になったのだ。忘れてはいけない。人生は長い!僕のように60歳で花開くこともある。それが建築だろ?」。続けて、自分がどうして彼のスタジオを選んだのか、どうしてこのようなテーマを選んだのか、を話した。「フォスター事務所?行きなさい行きなさい。行くべきだ。僕の事務所?もちろんだ。いつでも来なさい」“フォスター事務所に行きたい(ホールデン事務所に行きたい)”「go to get a job」と言う単語を使う勇気はなくて、「visit」という単語を使ってしまったのだけど、ともかく、春休みに彼らの事務所をロンドンに訪ねる決意は固まった。
パーティは終電の時間まで続き、寮に帰ってからも目が冴えて眠れなかった。
整理つかない気持ちを殴り書いてメールにして出したりした。この数ヶ月間、楽しいことばかりではなかった。ブログにすべてを書くつもりはないけれど、よい経験になった。結局、自分への自信はついたのか、つかなかったのか。よくわからない。でもある人はメールでこう返信してくれた。
「満たされない気持ちと、もてあます自分のエネルギー。どこに行ったって、誰とやったって、何歳になったって、この思いから逃れられることはないんじゃないでしょうか。まだ君は、自分にエネルギーがあることを信じてるじゃない。君にやり場のないエネルギーがある限り、次のステージは眠って待ってても、やってくるはずだと思います。だから今はちょっと休もうよ。ぐっすり眠って、美味しいご飯食べて」
僕はこれからも悩み続けるだろう。でも目の前のことにいつも一生懸命でいたい。