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ミュンヘンなんて、どこ吹く風

ミュンヘン工科大留学、ロンドンの設計事務所HCLA勤務を経て
群馬で建築設計に携わりつつ、京都で研究に励む日々の記録

近況報告

2006-05-27 03:32:52 | 帰国・コンペな日々
近況報告

25日 インフィルコンペ無事提出
26日 五月祭の稲山ドーム@農学部キャンパス無事完成

今後の予定

29日 すずきせんせいと修論エスキス(先学期と今学期の活動報告をする予定)
30日 AUSMIPスライド会(アドリブでいきます)
6月1日 DECo会(プロジェクトが同時進行で走り出している)
6月2日 コンバージョンコンペ自主締め切り(けいかくんを笑顔で送り出す!)
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信じて疑わない

2006-05-19 00:15:08 | 帰国・コンペな日々
十時半起床。院生室に椅子を並べて寝ていたので体が痛い。家でシャワーを浴びてから大学へ。コンバージョンコンペのスタディ。攻める方向については三人で共通認識を得られる。一時、農学部の稲山研究室へ。5月祭に向けて建設中の木造仮設ドームを、僕らDECoもバックアップさせてもらうことになったのだ。つまりは人足であるが。もともと僕らがセルフビルドについてDECoのブログ上で話題にしていたところ、稲山さんの方から持ちかけてきてくれた話。交代制でDECoから毎日5人くらいが参加する。作業を手伝いながら、部材計画や施工計画についてアドバイスをもらう。今はドームの構成部材をプレファブりケーションしているのだが、これが終わったら施工時の足場計画にも参加させてもらえることになった。三時、大学へ戻りなんばせんせいとインフィルコンペのエスキス。僕らの提出した案の問題点を指摘され、再考を要求される。先生はまだ僕ら三人の可能性を信じてくれているということなのだろう。残り少ない日数だがエスキス日を何回か設定してもらう。入賞・佳作ではなく、最優秀賞を狙いたい。そして実施設計まで持ち込みたい。演習室に戻りエスキスの反省を三人でしたあと、六時から斉藤裕さんのレクチャーに参加。今回は「途中入場退出厳禁」とのことだったので身構えてしまっていたのだが、会場は満員。なんだかつかみどころのない人物で、どこまで信じていいのか僕は最後までわからなかった。何千枚も撮って厳選するという建築写真の美しさが印象に残る。「オリジナルなものがつくれる建築家は全体の1%しかいない」との冒頭の一言に胸が騒ぐ。建築に対して免疫のなかった三年前なら、僕は斎藤さんに夢中になっていたのかもしれない。「朝夕に気球が発着する花びらのような住宅」という幻想的な計画に、寝食を忘れて真剣に取り組んだ15年間が、戯画的にプレゼンテーションされる。「僕はドンキホーテです」という締めの言葉に、救いと身震いを感じる。

終了後、本郷通りのラーメン屋で一人ラーメンをすすっていると、隣に座る学生が二人で今日のレクチャーの話をしている。聞き耳を立てていると、二人ともどうやら斎藤さんの「奇」の部分にすっかりやられてしまっているらしかった。気づけばそのうちの一人はレクチャー後に質問をしていた三年生だったので、興味がわき少し話をする。彼は「口ばかり達者でカタチがついていっていないな」と先々週の中間講評で言われたらしい。「練習すればだんだんカタチはつくれるようになるんでしょうか?」と相談されたので、「というより、思い切りと覚悟、それと思い込みなんじゃないかな」と半ば自分に言い聞かせるようにして答える。『日本の現代住宅』を推薦図書として掲げながら、斉藤さんはレクチャーの終わりにこう言った。「この本には1985年以降に日本でつくられた住宅が大体網羅されています。とはいえ、2,3例を除いて残りはクズのような建物です。でもここに載っている建築家たちは皆、自分はその3つの内に入っていると信じて疑わないでしょう」
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今日/一週間と一日前

2006-05-18 05:06:09 | 帰国・コンペな日々
九時半に起きて十時に大学に登校。昼飯をはさみ、コンバージョンコンペのスタディを続ける。今日は学部の講義がある日なので、すずきせんせいが何回か演習室の僕らの作業場の横を通り過ぎる。夜七時からDECo会。「学内プロジェクト班」からしっかりとした企画書のプレゼンテーションがある。その後それをもとにブレインストーミング。そのあと僕ら「実際にリノベーション班」も企画書をプレゼン。こちらはArchiTVとのコラボレーションを視野に入れている。終了後、DECo本についてのミーティング。去年度までに行ったインタヴューのまとめとそれを踏まえたコラムの推敲。コラムについては、スケールの大きな話題だとしても、個人の生活体験に基づいた、実感のこもった泥臭い文章にしようと提案。自分が本当に書きたいことを書けばそれでいいのだと思う。文章は勢いが大切。会終了後、晩飯を食ってから再びコンバージョンコンペのスタディ。五時過ぎ、大学で就寝。

母の日のプレゼントが届いたと母からメール。「母の日ギフト」にはしたくないなと思って、自分のポートフォリオを送ることにしたのである。先週の大学院講義の時間に発表した僕の卒業論文をまとめたものに、近況報告の簡単な手紙を添えて。

歴史系全体ゼミにおける僕の修論テーマ発表の期日が決まる。来月6月14日。

昨日までは、各自が一つのコンペを担当し、適宜意見交換をしながら分担スタディを同時並行で続けてきた。インフィルコンペの締め切りまでは残り一週間。明日からはプレゼンテーションボードのスタディに入る予定。提出まではこちらに集中。
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明日走り出すための準備

2006-05-14 01:33:55 | 帰国・コンペな日々
シャワーを浴びて九時に大学集合。

三井住空間のスタディ。先生も日記上で鼓舞してくれているように、いよいよこのコンペも大詰めである。今まで考えた案を全部印刷し、演習室の壁一面に貼り付けてみる。高々80平米の空間だけど、「ああ、それならもうやったよ、って言えるくらいスタディしよう」を目標にしてきた。貼り出した案を似ているもの同士で系統別に分類。まったく条件を逸脱した案や、常人には理解できない(笑)宇宙的な案を除くと、だいたい6系統に分類できることがわかった。初期にずっと考えていたナナメ案、三人でミニコンペをしたときに登場したカワシマ案・ケイカ案・コミヤマ案、先生とエスキスをしていてたどり着いた現在の最新案であるナンバ案、普通のマンションの平面図に近いミツイ案(三井住空間コンペなので)。それらを比較検討した結果、最終的に一つの案に収斂した。僕ら三人の中ではコンセンサスが取れる。

気が付けば夜七時。近頃時間が発つのが妙に早く、作業効率が心配である。そこで「デキル男は息抜きがウマイ」との教えに従い、今日は再決起集会を開くことにした。帰り支度を整えてから、本郷通り沿いの公衆集会場に集結。埼玉で開かれている国際親善会合を受像機で硬派に視聴しながら、串に刺されて燻された鶏肉や、炙られた魚肉を、数杯の麦芽酒と共に口にした。六月下旬の独逸国訪問の件についても議題に上る。即刻対処すべき問題である。九時半に終了。テンション↑

大学に戻り三人でDECoミーティング。担当分の書き込みをして一時過ぎ解散。
かわしまくんは我が家に一泊。
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2006/05/13

2006-05-13 01:39:47 | 帰国・コンペな日々
十時、大学に登校。図書館にてコンバージョンコンペの資料集め。昼飯はルオーでカレーライス。二時に再集合し、コンバージョンコンペのスタディ。模型材料買い出しや晩飯休憩を挟みつつ作業。また一つ模型ができたが、良い点と悪い点がまだ整理つかず。新鮮な頭でもう一度見てみようと、一時過ぎに解散。
けいかくんは我が家に一泊。
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僕が、卒論生だった頃

2006-05-12 02:33:11 | 帰国・コンペな日々
ここ数日、発表に向けて自分の卒業論文を読み返していた。恥らいつつ読んでいたのだけど、当時「終章」として書いた文章の書き出しの一節が懐かしかった。

リチャード・バックミンスター・フラー。今までも、その名前や業績について少しくらいは知っているつもりだった。でも本当の意味での彼との出会いは、講義中に紹介された、彼の数奇な生涯と発言と思想を知ってからだった。リチャードとの衝撃的な「出会い」の後、しばらく軽い酩酊状態になっていた僕は、何かに憑かれたようにチラシをつくり、製図室の自分の机の横に貼り付けた。別に何の意味も無いのだけれど、ただなんとなくフラーのすごさを他の誰かにも知ってほしかったのだ。

これが、僕の運命を変えた、そのチラシなのです。(「これ」をクリックしてね)


九時に大学に集合。コンバージョンコンペのスタディを少々。

十時からなんばせんせいの大学院講義。今日は僕ら卒論生三人が卒業論文を発表する日。フランクロイド・ライト、レンゾ・ピアノに続き、僕は三番目に発表した。

僕の卒論の第一章は、バックミンスター・フラーがノーマン・フォスターに投げかけた一言で始まる。「君は自分の建物の重量を知っているかい?」 クリマトロフィス計画を通じて継承されたフラーからフォスターへというサステイナブルデザイン史の流れを卒業論文の概要としてまず説明し、その続きとして、フォスターの弟子であるリチャード・ホールデンのスタジオで過ごした半年間のミュンヘン留学のこと、サステイナブルデザインの今後を考えるために今かわしまくんらと活動しているDECoのこと、を最後に付け加えた。先生からは「まったく何言ってんだかって感じですけれど、卒業論文で学んだことがその後の活動につながっていくっていうのは僕としてはうれしいです」と補足してもらう。この時期に自分を振り返る絶好の機会を与えてくださった先生に感謝。忙しい中、聴きにきてくれた友達にも感謝。

昼過ぎから東京電力寄附講座のセミナー。けいかくんと二人で聴きに行く。なんばせんせいによる「箱の家」のコンセプト説明に続き、かわしまくんが「箱の家」の性能測定について成果報告。設計もやりながらこうして研究も充実している彼を素直にすごいと思う。「一年前はQ値のQの字も知らなかったのですが、彼はこの一年でよく勉強したと思います」と最後にまえせんせいが誇らしげに締めくくった。

休憩時間に、合流したかわしまくんと一緒に三人で先生からインフィルコンペのエスキスを受ける。また少しブレークしそうな予感。そのあと僕は椅子で少し仮眠。

図書館で、ひさしぶりに後輩に会う。休学したと聞いたのだが、復帰したようだ。「復学したというと先生から仕事を任されてしまうので、こっそり生活してます笑」と言いつつ、卒業論文・卒業設計に向けて今から準備を進めているらしい。

夜は今日卒論発表した三人で先生に晩飯をおごってもらう。場所は山猫軒。四年生のとき、卒論発表会後の打ち上げで訪れたのもここ山猫軒だった。おのくん曰く、研究室でここを訪れるのはあの夜以来とのこと。あのときは研究室といっても僕らが最初の卒論生で、先生助手秘書さんまで含めて総勢たった6人だった。

大学に戻り三人でコンバージョンコンペのスタディ。現代のクリマトロフィスだ!

帰り道、本郷通りを歩いていてすれちがいざま「こみやまさん!」と声をかけられる。卒業設計を手伝ってもらった後輩だった。学科も全然違うし、卒計の打ち上げ以来なのに、こんな暗がりの中でもよくわかったなと感動する。「7月にはSも東京に帰ってくるんですよ」 Sさんは前にも書いたけど、僕の卒計のプレゼンが12枚中1枚だけ時間内に印刷終わらなくて「くやしい」と言って泣いてくれた人。


「君は自分の建物の重量を知っているかい?」 まだ、はじまったばかり。
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2006-05-10 05:52:44 | 帰国・コンペな日々
十時に演習室に集合。インフィルコンペについて昨晩からのスタディのつづき。一時半から難波スタジオのエスキス。まえせんせいら環境系の先生方によるレクチャーの後、四年生から順番にエスキスを受ける。終了後、晩飯を食ってからインフィルコンペのスタディのつづき。九時半頃一旦休憩し、一時間半仮眠。十一時から再開。三時頃、案が固まったので、以後はコンバージョンコンペのスタディをする。五時半、こちらも方向性が見えてきたので十時まで睡眠をとることにする。どちらのコンペもだいぶ見えてきた。どちらも面白くなりそう。いいものつくれそうだ!

以下は昨日の話
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夕方六時から難波研で卒論発表の予行演習。コンペの作業もあるので、順番を最初にしてもらいチェックを受ける。建物名の入っていない写真が幾つかあったので直すよう注意されたが、内容は一発OKをもらった。「なんだか、講義がジャックされたみたいで癪に障るけどな」というお褒めの言葉をもらう。せっかくの機会なので、DECoのこと、マンモス設計集団のこと、いっぱい宣伝させてもらおうと思う。

夜はインフィルコンペのスタディ。終電までで解散。今夜はよく眠ることにする。
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さらりと

2006-05-08 02:20:43 | 帰国・コンペな日々
八時半起床。演習室に集合しコンバージョンコンペのスタディを続ける。時間を区切って個人でスタディし、その後に三人で発表しあう。それらを総合しながら次に進むべき道を相談し、再び個人スタディ。自分のペースで作業しながら、決められた時間ごとに必ず三人で前に進んでいく。このシステムが今はうまく行っている。

一日そんな感じで進めて、終電の時間に解散。やるべきことがだいぶ整理されてきた。その後僕は明日の卒論発表会予行演習(本番は木曜日の講義中)に向けてパワーポイントづくり。一年半前の卒論発表時のパワーポイントをベースに、「その後」の部分をこれに加える感じでつくっていくことにしよう。留学先のミュンヘンで思ったこと、今DECoで考えていること、これから。さらりと、言えたらいいな。

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昨日の奥村昭雄邸訪問の件をブログ上でまとめようと思ったのだけど途中で挫折。勉強になったし、もっと勉強したいと思わされる有意義な時間だった。簡単なメモは手元にあるので、時間あるときに必ずアップするつもりである。
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ボディは後半に効いてくる

2006-05-05 23:37:42 | 帰国・コンペな日々
表参道で昼飯を食ってから、神宮前の箱の家112を模型と図面持参で訪ね、インフィルコンペのエスキスをお願いする。話をしながら、三人それぞれが提示した案のグラデーションのような連続性が改めて明らかに。その三極を行ったり来たりしながら中間地点のどこかで落ち着くのかな。この一体感は一ヶ月間三人で顔つき合わせ考えてきた時間の賜物である。ともかくスタディすべき方向は定まる。その後かわしまくんが測定機器を取り付けている間、僕とけいかくんは先生から自邸の解説を受ける。新開発の押し出してから開く細身のサッシとか、断熱材の厚みを目立たなくするディテールとか。きな粉アメもおいしかったです。帰り道そのまま青山のケンタッキーに入りコンバージョンコンペのブレスト。解散後、かわしまくんの地元に遊びに行く。夕暮れ時、田園都市線に揺られ、初めての川崎市宮崎台。都心とも田園とも違う、不思議な街。行けども行けども、さまざまな価格帯の住宅がひたすら連続する。これが郊外、ベッドタウンなのか。宮崎台は最近では高級住宅地になりつつあるらしい。企業の研究所跡地に造成中の新しい住宅地は、同じ顔をした住宅が緩やかにカーブしながら連続する迷宮のような場所だった。大学の製図室にいてはわからない、これも一つの建築界の現実。 かわしま家で晩御飯をご馳走になる。テレビでボクシングの試合を見ながら家族四人(+猫一匹)+僕で食事。格闘技にはもともと興味無いのだが、シンプルに叩き合うボクシングの試合スタイルに引き込まれる。ボディへの一突き一突きが徐々に効いてきて、タイミングを狙い済ましたパンチが顔面に決まると疲労していた相手は戦闘意欲を失い…。ボクシングをあきらめた親父が、息子三人に夢を託し、手作りの練習法を施しながら三人をプロボクサーにするまでの物語が、試合映像に挟み込まれる。インタヴュアーがマイクを向ける。「君はどうしてボクシングをするの?」「お金を稼ぐためや」「どうしてお金が欲しいの?」「親孝行するためや」…そこで映像は試合会場に戻る。ボクシングもショービジネスなのだな。2ラウンドKO。加工編集されない生の試合を見てみたくなった。


以下は昨日の話
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七時半に目が覚め、シャワーを浴びて大学へ。歴史系院生室に籠もりスタディを続ける。前の晩にかわしまくんが院生室を訪ねてきて僕に伝えていった彼のアイデアは、去年の夏に二人でコンペ「サステイナブルな住居」で考えたことの延長上にあるスマートな解だった。それからずっと、自分はその後の半年間で何をやってきたのだろうと考えながら線を引いていた。昼頃、ミュンヘンで考えたことをそのまま今回のプラン上に当てはめてみたらどうかと思いつく。「!?」考える方向性が急に見えた気がした。昼飯の誘いを断って集中。三時の集合時間ギリギリに案が固まり二人の待つ演習室へ。三人の案を順番にプレゼンテーションする。それぞれの案は一見対照的だったが、一人の案は他の二案のいいとこどりとも読めることに気付く。色々と想像の余地があるその案を純化させることに。三人のアイデアがそこかしこに現れ、誰が引いたわけでもない線が自然に描かれていった。
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2006-05-03 19:39:08 | 帰国・コンペな日々
十時からデコ会。デザイナーズウィークへの参加検討を含め、プロジェクトの具体的な勧め方について話し合う。デコブログはそうしたプロジェクトの途中経過報告と、先週のような各人の自由なネタ振りで構成していくことに。デコブログのアドレスはこちら。http://d.hatena.ne.jp/deco2005/ いつか本にしたいね。

天気は快晴。安田講堂前でピクニック風昼食をとる。世間はゴールデンウィーク。

演習室に戻り、コンペの進め方について話し合い。やり方を変えて、一人で考える時間をもっと設けることにしてみた。去年の夏とミュンヘンでの半年、共同設計を一年間続けてきた。僕ら三人にはどんなスタイルが適しているのかわからないけれど、「いいものをつくりたい。その一心」友達の迷い無い一言にハッとする。

御茶ノ水の三省堂で奥村昭雄氏の本『樹から生まれる家具』を買い、駅前のマクドナルドで休憩がてら読み始める。土曜日に奥村氏の自邸を取材に行く太田浩史さんに僕も同行させてもらうのでその準備。向かいのテーブル席では三人組の学生がチキンナゲットを食いながらコンペの議論をしていた。「そういう方向性もありっちゃありなんだけどさ…」「今話してて共通に面白いと思ったのはさ…」うんぬん。

ビールの王冠にはギザギザが27個ついていて、連続する小さな三角形が構造を保持しているらしい。「いいものをつくりたい。その一心」で自分と相手の境界が溶けるような感覚。去年の夏のことをふと思い出す。あのときと同じで、僕らの日々のストーリーが、あるとき僕らの案を強烈に後押しするのではないかという予感。

晩飯休憩を挟み、歴史系院生室でインフィルコンペのスタディを続ける。
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