『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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忘れ草垣もしみみに植ゑたれど~。今日の出来心2014年12月12日(金)

2014年12月12日 08時38分02秒 | Weblog

コメントありがとうございます。

中村紀代さん、体調管理気を付けてがんばります。

りんごさん、「ジョン子」は、本当に、中途半端なことはできないな、という緊張感から生まれました。

いまこさん、28日、昼はモーメント・ストリングカルテットとの、ちょっと楽しい曲もあるセッション。夜はGakuさんのお仲間が集まってのイベント。加納順くんの「ケンモホロロ」も登場、お楽しみに。

というわけで、久保田洋司、昨日も楽しみにかよっている万葉集の講座に。

昨日は、巻十二、草に寄せる恋。

その中から、一つ。

忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜(しこ)の醜草(しこぐさ) なほ恋ひにけり 【万葉集巻十二 3062】

訳)忘れ草を 垣までびっしり 植えてあるが 能なし草め やはり恋しいわ

「忘れ草」というのは、ユリ科の「萱草(かんぞう)」。

夏、ユリに似た橙色の花を咲かせますが、歌に詠まれたのは、花ではなく、もっぱら草葉。

「忘憂草」、憂いを忘れさせる草、とも呼ばれ、

なにかを忘れるために、身につけたりします。

この歌の場合は、忘れたい恋があって、家の垣まで、びっしり忘れ草を植えたのに、忘れられない、

それで、忘れ草に「能なしめ」と。

忘れたいことを、忘れようとすればするほど、忘れられないものですよね。

そんなに「忘れ草」を植えていては、それを見るたびに、思い出すというものでしょう。

こういう歌に、関連してかと思いますが、先生が講座の前に、お話してくださったことに、

最近、旅行に出かけたとき、乗り物の切符やホテルの資料なんかを、ごっそり家に忘れてきた、と。

留守番の息子さんに電話して、届けてもらった、そうですが、

まさか、この自分が、と思うところに、息子さんから、

「そろそろボケてきたのでは」と言われ、それがもう冗談にも聞こえず、落ち込んだ、と。

さらには、ご両親に対して、平気でそんなことを言っていたご自身についても、猛烈に反省した、と。

先生ならではのユーモアも交えてのお話でしたが、

この講座、はじまってからすでに15年、

それだけの時が流れて、我々も、それだけ年を取りました、と。

残すところ、1400首ちょっと。

皆、元気で、続けられたら良いですね。

それで、僕も、役所に用があったので、講座の帰りに寄ってみれば、

持ってくるはずだったものを、持ってない。

さらには、夜寝てるときに見た夢が、

タクシーに乗って、降りるときに、財布を忘れてきたことに気づくストーリーを、非常にリアルに。

今も、その運転手の顔や話し方など、はっきり覚えているのでした。

やらなくちゃいけないことで、まだ手を付けてないことが、いっぱい。

忘れないように、紙に書いて、目立つところに置いてあるんですが、

なかなか取り掛かれない。

今日は、午後から、長江健次さんのレコーディング。

これは、Naoさんが、非常によくやっているので、安心。

The東南西北の新レコーディングも、清水くんや加納順くんが、取り掛かってる様子。

僕も、しっかりがんばろう。

今日も素敵な一日になりますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司