今でも胡同の雑居四合院に暮らすのは、ほとんどが北京で最も低所得に属する人々である。
今日、雑居四合院に入ると空き部屋が少なくない。
そこに粗末な南京錠一つがかかかり、もう何年も人が住んでいないことが多い。
それはある程度お金に余裕が出来たり、職場からアパートが支給されると、
そこから引っ越していき、住まなくなった部屋である。
何しろ「大雑院(ターザーユエン)」生活は、
・ 狭い: ほとんどの家庭は一部屋でせいぜい一二部屋しかない。隣の部屋を買い取ることもできない
・ 暗い: 前述のとおり、ほとんどの部屋が「せり出し小屋」を立てているため、採光が悪く、24時間電気をつけなければならない。
・ 汚い: 水道が共同、雑多な人々が使う水周りを清潔に保つのは難しい。
・ トイレが遠い: 道端の公共トイレへ行かなければならない。時には数百mも離れていることもある。
の悪条件が揃っており、どうにも改善できない。
これでは条件のある人は出て行きたくなるのは自然だろう。
外国人が胡同の間を練り歩き、素敵だ、文化だ、と興奮できるのは、
人事だからであり、実際に住んだらひどく不便なのである。
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写真: 番外編
西単の小堂胡同の王さんのお宅を後にし、
友人は実の祖母どののところに案内してくれた。
小堂胡同から歩いていくばくもない什坊胡同である。
おばばさま、やや耳も遠く、話の受け答えもおぼつかなく、
夢見心地なようだったので、写真を撮らせてもらうだけにとどめた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/07/b583ae1f0c0ed61e49a77a4bffe117d5.jpg)
ばばさまの住むのも、ごくこじんまりした「一進院」の雑居四合院だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/f6/3dc74abec39ff8891cc0d1af7df92698.jpg)
中庭。ばばさまの住まいは、南向き正面の部屋である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/69/5273a3dc7c90eba627051585b861a99e.jpg)
入り口には、豆炭を保管するための小屋を設ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/14/68e388f36bf830ddf507fd0e22f42ef9.jpg)
「せり出し小屋」を造っていないため、南の太陽が冬でもさんさんと降り注ぐ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/e6/cf86793530abedb4351fba5bd13c6fd3.jpg)
部屋の中では、グリーンを育てる。琺瑯のコップは、使い込まれて年季が入っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/9f/d916c0d411508beb1e56ea8a5590f757.jpg)
暖房主力の豆炭ストーブ。
手洗い用の洗面器入れも必須の生活用品。
写真ではわかりにくいが、
上に重ねてある赤っぽい洗面器は、プラスチックではなく、なんと真鍮製。
めったにみかけないものだ。
せり出し小屋のない理由は、台所が共同になっているためである。
どうやら四合院の規模が小さいので、可能だったらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e0/998fc75dd87b7ac0b85d2770fd6146a5.jpg)
台所の外観。
北向きの部屋をあてている。
誰も住みたがらない位置を利用。
入り口のテーブルの下に積まれたレンガや石に注目。
おそらく「スペアの建材」として、ストックしてあるのだろう。
ストーブの下に敷いて底上げしたり、ドアストッパーにしたり。あると何かと便利なのだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/b3/e3c55ac43af0f1fcb10013a50cf98893.jpg)
ばばさま、炊事中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f5/c930831f35274a1af638b9adf71b5423.jpg)
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今日、雑居四合院に入ると空き部屋が少なくない。
そこに粗末な南京錠一つがかかかり、もう何年も人が住んでいないことが多い。
それはある程度お金に余裕が出来たり、職場からアパートが支給されると、
そこから引っ越していき、住まなくなった部屋である。
何しろ「大雑院(ターザーユエン)」生活は、
・ 狭い: ほとんどの家庭は一部屋でせいぜい一二部屋しかない。隣の部屋を買い取ることもできない
・ 暗い: 前述のとおり、ほとんどの部屋が「せり出し小屋」を立てているため、採光が悪く、24時間電気をつけなければならない。
・ 汚い: 水道が共同、雑多な人々が使う水周りを清潔に保つのは難しい。
・ トイレが遠い: 道端の公共トイレへ行かなければならない。時には数百mも離れていることもある。
の悪条件が揃っており、どうにも改善できない。
これでは条件のある人は出て行きたくなるのは自然だろう。
外国人が胡同の間を練り歩き、素敵だ、文化だ、と興奮できるのは、
人事だからであり、実際に住んだらひどく不便なのである。
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写真: 番外編
西単の小堂胡同の王さんのお宅を後にし、
友人は実の祖母どののところに案内してくれた。
小堂胡同から歩いていくばくもない什坊胡同である。
おばばさま、やや耳も遠く、話の受け答えもおぼつかなく、
夢見心地なようだったので、写真を撮らせてもらうだけにとどめた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/a0/e4174bae6747d5d128ce50733d530131.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/07/b583ae1f0c0ed61e49a77a4bffe117d5.jpg)
ばばさまの住むのも、ごくこじんまりした「一進院」の雑居四合院だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/f6/3dc74abec39ff8891cc0d1af7df92698.jpg)
中庭。ばばさまの住まいは、南向き正面の部屋である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/69/5273a3dc7c90eba627051585b861a99e.jpg)
入り口には、豆炭を保管するための小屋を設ける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/14/68e388f36bf830ddf507fd0e22f42ef9.jpg)
「せり出し小屋」を造っていないため、南の太陽が冬でもさんさんと降り注ぐ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/e6/cf86793530abedb4351fba5bd13c6fd3.jpg)
部屋の中では、グリーンを育てる。琺瑯のコップは、使い込まれて年季が入っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/9f/d916c0d411508beb1e56ea8a5590f757.jpg)
暖房主力の豆炭ストーブ。
手洗い用の洗面器入れも必須の生活用品。
写真ではわかりにくいが、
上に重ねてある赤っぽい洗面器は、プラスチックではなく、なんと真鍮製。
めったにみかけないものだ。
せり出し小屋のない理由は、台所が共同になっているためである。
どうやら四合院の規模が小さいので、可能だったらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/e0/998fc75dd87b7ac0b85d2770fd6146a5.jpg)
台所の外観。
北向きの部屋をあてている。
誰も住みたがらない位置を利用。
入り口のテーブルの下に積まれたレンガや石に注目。
おそらく「スペアの建材」として、ストックしてあるのだろう。
ストーブの下に敷いて底上げしたり、ドアストッパーにしたり。あると何かと便利なのだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/b3/e3c55ac43af0f1fcb10013a50cf98893.jpg)
ばばさま、炊事中。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/f5/c930831f35274a1af638b9adf71b5423.jpg)
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