自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

民藝とは。民意とは。

2014年10月25日 | Weblog

 近頃の(に限らないのであろうが)政治家もしくは政治屋が「民意を大切に」という言葉を使うとき、本人が民意を傾聴してこなかったからこそ、使うのだと思う。民意を知っていれば、殊更に「民意を大切に」と言うのは自己顕示欲の発露に他ならず、知らないのであれば、自己隠蔽の誤魔化しに他ならない。彼らに民意なんぞというものが分かろうはずがないと思う。
 ところで、民藝は比較的はっきりした民意を表現している。民藝については以前に触れたと思うが、おさらいをしておく。「民衆の生活に必要な工芸品」を略して「民藝」という言葉を創ったのは、柳宗悦である。彼と彼の先人と有志については快いが長い話がある。いつかまた書くことにする。で、民藝品を民藝たらしめている特徴は次の6点にある。
 1、無銘品で只の工人の作であること。
 2、素朴で簡素で過剰な装飾がなく丈夫に作られた実用品であること。
 3、量産品で安価であること。
 4、雅趣にこったり、奇を衒ったりしない、自然のあたりまえの姿であること。
 5、地方性、民族性があること。
 6、手仕事であること。

 或る椀なり皿なり花入れなり猪口なりが、これだけの特徴を備えていれば、それらは民藝品と認められ、そこには民意が自ずと表れていると思う。が、現代という時代には民藝品は大抵片隅に追いやられている。雅趣を求め、地方性が情報化のせいでだんだんと無くなりつつある。これでは民意も品薄になるというものだ。

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