『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(アレクサンダー・ペイン監督、2023年)を観てきた。
1970年12月の、ボストン近郊にある寄宿制の名門バートン校。
誰もが家族の待つ家に帰るクリスマス休暇が近づく。
しかし、学校に残る者たちもいた。
生真面目で融通が利かず、皆に嫌われている古代史の教師ハナム。
彼は冬休み返上で、帰れない生徒の面倒をみることに。
学校に残る生徒の一人は反抗的なアンガス。
ベトナム戦争で息子を失ったばかりの料理長メアリーも一緒にクリスマスを過ごすこととなる。
孤独な彼らにはそれぞれ心を開かぬ理由があった・・・
(パンフレットより)
最初は学校に居残っていた他の4人の生徒もいなくなり、ただ一人だけ楽しみを奪われてしまったアンガス。
心を開かず反抗的な態度をとるアンガスと、偏屈で堅物のハナム。
それに、料理の世話をするメアリーを加えた2週間のクリスマス休暇。
いやが上でも疑似家族のように過ごすはめになる3人。
そんな3人にも、個々にそれぞれの心の奥にしまい込んでいる事情がある。
そんな事情はおいそれと簡単には他人に開かせられない。
それでもクリスマスの夜のころには、少しずつ結びつきが生まれて来ている。
そしてアンガスには特別の意味合いがあるボストンへ3人で行き、そこでの行動がお互いの絆をより一層深める。
ハナムの心の内を知ることによって彼の人生を垣間見、この2週間の間にアンガスの成長に多大な影響を与えただろうと、誰もが想像する。
そして、ハナムは何も偏屈だけではない彼の行動を見て、より一層感動する。
この映画は心温まるという通り一遍の言葉を遙かに超えた真に優れた作品だと言い切れる力を持っていると、私は確信している。
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