2月27日(火)は、日差しが届いても北風が強く、気温の数字より寒く感じられました。
午前9時に生坂村を出発し、昼食を挟んで午後2時前に豊田市に着き、最適土地利用総合対策事業の視察研修をさせていただきました。

最初に私と松本係長で豊田市の太田市長に挨拶させていただきました。豊田市は平成の大合併で都市部から中山間地域まで、918.32㎢と愛知県全体の17.8%を占める広大な面積を持つ市になりました。

市長室の写真を見ながら豊田市の説明をしていただき、私からは生坂村の紹介もさせていただきながら色々な話をし、最後は記念写真を撮って豊田市美術館の招待券までいただき失礼しました。

そして、研修室に行き、私から視察対応に対しての御礼と、生坂村の農業について話をさせていただき研修が始まりました。
豊田市は、農業委員会の杉浦会長、下山地区農業委員の倉地さん、農業委員会事務局 小木曽局長、産業部 農林振興室 農政企画課 疋田課長はじめ職員各位に対応していただきました。

次に、小木曽局長から、生坂村と比較しての豊田市の農業の概要、農業委員会の体制、農地集積、新規参入の状況、遊休農地の状況、農業振興地域、予算関係、農業委員会広報紙の発行などについて説明をしていただきました。

続いて、平坦で整備された水田作中心の大規模農業地帯、付加価値の高い梨・桃などの県内有数の産地、山村部の水稲中心に花き・畜産・地域特産物等による小規模農業経営などの豊田市の農業の特徴について説明していただきました。

次に、目標地図素案作成に向けた取組として、担い手が明確な3地域をモデル地域として先行着手し完成した、その作成ノウハウを横展開して他の地区で作成していました。

まず、リーダーシップの取れる委員がいる地区は、地域集落・農業関係者との対話を通し、その場で決めた独自の方法で作成しているとのことでした。
その地区以外の地区は、第1段階としてゾーニング(目標地図を作成する区域)と現況図を作成して、第2段階として意向調査を実施して、その調査結果を図面に反映させ、第3段階として、担い手等がいる地域は、農地の借受調整をし、その結果を図面に反映し、担い手等のいない地域は、地域集落等での話し合いの場を設けて、目標地図素案作成の必要性と当事者意識の醸成を行っているとのことでした。
その後、地域計画策定に向けた協議の場である地域営農協議会で情報提供と意見交換をして進めるとのことでした。

そして、当村の状況と類似した下山地区の農業委員の倉地さんに、下山地区の地域計画策定の経緯と進め方について説明していただきました。

令和4年度人・農地プラン下山地域の課題として、10年後下山全体の農地保全に限界があり、新たな担い手の確保や集落営農組織等の体制整備が必要であった。そのため、農地所有者は営農が困難となった場合は、原則として中間管理機構に貸し付け、中心経営体の認定農業者等に引き継ぎ、農地の集積・集約化を促進していく。また、下山農作業受委託システムを有効活用して農地を守っていく方針を立て取り組んで来られたとのことでした。

下山地区の地域計画策定の基本的な考え方は、農地利用の現状を見える化し、これからの地域農業を誰が担うのかを話し合うことで、策定の進め方として、新たな担い手育成や集落営農組織の受け皿となる組織体制の整備を進めながら、農地の集積・集約化を実施するとのことでした。

地域計画策定の実施手順として、目標地図草案の作成。草案を基に、将来の農地利用の姿について話し合い、10年後をイメージした土地利用計画図の目標地図素案原図の作成と年度ごとのメンテナンスを行っていくとのことでした。

それは、下山営農協議会の構成員が主となって、農振農用地を対象で構成員等が事前に白地図へ色鉛筆で色塗りをし、集落で確認していただき、合意形成する方法が効率的であり、草案を作成してから担当推進委員に提出されたとのことでした。

素案原図作成の実施手順として、10年後の意向を確認しながらの素案原図を作成し、地権者が集落外に居住している方へは、農業委員会経由で意向調査をお願いし、それらの結果を図面に織り込み、10年後の集落としての「農地利用の姿」として、集落で合意形成し農業委員会に提出されたとのことでした。

先行7地区を指定し、3ヶ月前出しして活動して問題摘出を含めて実施され、地域のキーマンが主導することにより、地域農業を守る話し合いの先頭に立っていただき、10年後の意向を確認することは、高齢化している農家にとっては難しく、2~3年後をイメージして意向を確認して、各集落ごとの意向の合意形成ができたとのことでした。

豊田市の農業委員や担当職員の皆さんには、お忙しい中、地域計画の策定の経緯や進め方などについて、当村と類似した地区の取組などを詳細にご説明いただき、当村との質疑応答も親切ご対応いただき感謝申し上げます。
やはり、地域を知り尽くしているリーダーの存在は大きく、中山間地域で農地を守っていくことや農業により生計を立てていくことの厳しさも感じ大変勉強になりました。

宿泊先への時間を遅らせて、太田市長から招待券をいただいたので、皆で豊田市美術館に寄らせていただきました。

シンプルなフォルムに、乳白色のガラスと深い緑のスレートをまとった姿は、それ自体がまるでひとつの美術作品のような洗練された雰囲気で、建築家・谷口吉生の最高傑作とも言われています。
白を基調とした館内は、自然採光をふんだんにとり入れた心地よい空間が広がり、ゆったりとした気持ちで過ごすことができます。


今は、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」展が開催され、従来の美術館イメージにとらわれることなく、斬新な企画展も多数開催される点も特長のひとつで、収蔵品は、20世紀美術とデザインを中心に、国内外を問わず幅広く集められていました。

作品にあわせた空間づくりのできる展示室もあり、作品の魅力を最大限に引き出せる美術館となっていて、なかなか見ることができない芸術に触れることが出来、太田市長さんに感謝するところです。

日岐と小舟上空からの風景
△▽ 毎朝出勤前恒例の撮影は、青空が広がって朝日が差してきた日岐と小舟上空からの風景を撮影しました。

その他生坂村では、申告相談などが行われました。
