わたなべ動物病院の獣医さんブログin行橋

日々の思いをこごと、たわごと、ひとりごとに

技術屋の落とし穴

2015年07月05日 | 日記
 情報が豊富な社会になったもんだとつくづく感じられる。FBを見ながら誰がシェアしたのか、greapeやWhatsをみていると 自分がいかに小さい人間だったかとおもい知らされる。以前は新聞や本 テレビで十分と思っていたが、今はインターネットであらゆる情報が、しかも新しい情報が飛び交う。
FBを見ながら 考えてしまった。新しい情報...... 自分の診察に当てはめてしまった。
 例えばアレルギーだが数年前まではアトピー=吸引性だったが、今では吸引性は吸引性 アトピーはアトピーで別物となっており 接触性は接触性 食物性は食物性となって、さらに食物性の何かという事でアレルギー物質を考えないといけない。
アレルギーの講習会を聞かなければ数年前の情報が今でも新しい情報である。しかも同じアレルギーと名のつく講習会を立て続けに 数回も聞いてあらためて知る事もある。
 我々みたいな技術屋の一番の落とし穴は自分が一番とついつい思い込んでしまう所だろう。勉強をしている自負があっても、一年前に習ったことが今では時代遅れになっていることもたくさんある。新しい知識だとおもっていたものがすでに古かったりする。一つの疾病に対して何種類かのアプローチもあったりする。教科書や講習会で習っていても、実際に経験はないなと思ってもいたら「初めて やっぱりこんなことがあるんだ」と思い知ることもある。 
 自分の持ってる知識なんて微々たる物で やっても やっても追いつかないが、やらねばならない。次の日には時代遅れになっている可能性がある事を常に念頭に入れて、疾患に対処しなければならない。

 最近では 年を取ればとるほど病気がわかんなくなると伝えることがある。
「若いときは一発で病気が解ったけど」と言ってしまう。
 ギョッとする方もいれば なるほどね~と納得される方もおられる。
よっぽど特徴的で これしかないという病気であればいいのだが、それでも一つの疾患でも誘引は?要因は?と考えてしまう。一つの特徴的な疾患でも、こっちも考えて この方向も頭に入れて これもあれも考慮して、すぐに答えを出すのをためらってしまう。
これが普通だろうと自分では思っている。

 色んな情報を見ながら 驕ることなく高ぶらず 謙虚に 飼い主さんと動物たちに敬意をはらって 診察したいものですね。 
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