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原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

遺された写真から

2011年03月11日 08時07分52秒 | Weblog
実家の棚を整理していた時、古い写真が出てきた。アルバムに整理されていない写真で、輪ゴムで束になっていた。そのなかに母の写真が数枚あった。野球のユニホームを着た女性の一群が並んでいる写真に引き付けられた。その中の母がいたからだ。場所は中学校のグランドらしい。もちろん私には全く記憶がない。お祭りかなにかの仮装大会なのかもしれない。私の知らない母の姿がそこにあった。ふと、母の人生を思った。母は幸せだったのだろうか。吹きあがるように、複雑な思いが湧いていた。 . . . 本文を読む

老いを思う。

2010年10月26日 08時49分53秒 | Weblog
老いを感じ、老いを思い始めたのは、いつからだったかな? こんな話をすると、老いた証拠と言われそうだが、ま、聞いてほしい。不思議なことに、晩節を迎える頃となって、齢のことなどあまり意識しなくなった自分に驚いているのだ。むしろ若い時の方が老いを意識していたような気がする。諦めがそうさせたのか、齢に慣れたからなのか、認知症の始まりなのか。それほどの意味は感じないが、堂々巡りに思考してみた。 . . . 本文を読む

わが宴の友

2010年02月23日 09時42分26秒 | Weblog
四つ並んだグラス。これは家で一人酒を楽しむ時のかけがえのない宴の友。左からビール用、焼酎用、ウイスキー用、ワイン用となる。これに加えて焼酎用の黒チャカ、紹興酒用のお燗セットがある。日本酒はあまりやらず、お猪口はあるものの、ほとんど使ったことがない。今年に入って飲まなかった日は三日間のみ。それも飲みすぎによる体調不良のためであった。ほとんど依存症なのではと時折不安に思うこともある。 . . . 本文を読む

遠い日の記憶

2009年12月11日 09時10分14秒 | Weblog
三年ほど前のことになる。北海道に戻って日も浅く、仕事も継続していたので、年に数回は海外に出かけていた。イタリアからの帰りで、たまたま空港での迎えがない日だったのでバスで釧路駅に向かい、久しぶりに鉄道で家に帰った時のことである。高校時代、汽車通学していた馴染みの釧網線に乗った。当時はSLが走っていた。今は気動車という味気ない車両が走っている。席についた時、通路を挟んだ隣に見覚えのある顔を見つけた。 . . . 本文を読む

熊牛原野

2008年10月27日 11時38分02秒 | Weblog
標茶町の弟子屈町寄りの高原に多和平という町営の牧場がある。標高220メートルの丘陵地帯で、2200ヘクタールに及ぶ広大な牧場である。数千頭の牛や羊が放牧されている。見晴らしのいい丘の上からは360度にわたり広大な北海道の自然が眺められる。丘陵地帯なのでまっ平らな地平線ではないが、空と大地の区切りが鮮明に眺められる名所でもある。夏には多くの観光客が訪れている。 この多和平から南一帯、弟子屈町から標茶 . . . 本文を読む