楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

箱ふぐの味噌焼き。

2008-09-10 23:20:33 | 食べもの。
五島の美味いものとして紹介されるのは「箱ふぐの味噌焼き」だ。見た目からして美味そうだし、間違いなく酒が進むはずだと出発前の雑誌を見ながら思った。五島に向かう飛行機の機内誌でも紹介されていた「か乃う」という店に決め、到着してじきに宿を出た。閑散とした商店街を抜けて店を目指す。暗くなった商店街で少し迷いながら、アーケードを抜けた場所に店を見つけて戸を引いた。店内もまた閑散としている、客はどうやら自分たちだけのようだ。空いている座敷に案内されるが、若干の不安を抱きながらビールを頼んだ。
メニューには色々な料理が並んでいるが、目指すは「箱ふぐの味噌焼き」だ。注文すると時間がかかることと、ご飯にとても合うと丁寧に説明してくれる。それではと刺身の盛り合わせと自家製の酒盗を頼みビールを飲んでいると皿がテーブルの上に並んだ。魚の説明の後、早速箸を運ぶ。キビナゴもイカもそしてカンパチも文句無く美味い。酒盗の美味しさに驚く。店内が閑散としているのが不思議なくらいだが、もしかしたらこの島はどこへ行っても美味いものばかりなのかもしれない。
しばらくして箱ふぐの味噌焼きが茶碗の白飯とともにやってきた。アルミホイルにくるまれた箱ふぐを上手にほぐしてもらう。味噌の味とふぐの身と肝が混ざり合い豊かな風味が口に広がる。飯を食べながら、やはり酒だと思い、酒を飲みながらつまむと、やはり飯も良いなと思う。そうして箸を運んでいるうちに茶碗の飯も杯の酒も無くなり、ふぐの身も空になった。箱ふぐの亀甲模様を眺めながら、五島に来てよかったと思った。
宿へ歩いて帰ろうと店を出てすぐの路地に「焼肉喜楽」の看板を見つけた。混んでいる店が美味いとも限らないし、空いている店が不味いとも限らない。厄介なのは、その逆の可能性も同じくらいにあるということである。しかし明日はあの店に行こう、と勘の様なものが働いたら、どこに行ってもその勘を信じたい。

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