いつものように羽田空港でメールを送る。
私にとって搭乗前の大切な「儀式」である。旅の安全を祈願してビールでひとり乾杯しながら、「お仕事、ご苦労様です。私、これからまた冒険の旅に出掛けます」と友人たちに送信したら、電源を切って夕陽を横目に機内へと入る。
3列3列の小ぶりな機内は約50%ほどの乗車率だった。いつものように「行きはすぐに降りられるように」前方寄りの通路側の席と決めている。手荷物を収納し、隣も前席も空席の快適な環境でシートベルトを締め、いつものように「蒸気でアイマスク」とイヤホンを用意したら準備万端である。旅はいつでもこの瞬間が一番ワクワクする。早く動き出さないかと目を閉じながらソワソワする。そして機体がようやく動き出し、飛行機のスピートがMAXに上がり、体がシートに吸いつけられれば離陸である。後方から赤ちゃんの泣き叫ぶ声がかすかに聞こえる。怖いよね~私だって怖いさ・・・しばらくしてシートベルト着用ランプの消えたのを耳で確認して、この日のオープニング曲、浜田省吾の「J・BOY」を流し、アイマスクを着用して仮眠を取る。仮眠から覚めると、四国上空を飛んでいた。CAさんからコンソメスープを受け取ると、もう間もなく火の国入りである。機内のモニターで到着予定時刻が表示される。あと20分、ついつい口元が緩んでしまう。「誰かが待ってる向かう旅」の私はいつも気が急いてしまい、早く早くと思ってしまう。
定刻通り20時過ぎに無事到着。私にとってはすっかり来慣れた空港の到着ロビーには、わざわざ探さなくてもすぐに見つかる友人が出迎えてくれる。昨年11月の東京以来の再会である。まあ~それにしても私たちはよく会うものだ。友人の車で市街地まで移動。21時過ぎに繁華街の中にあるホテルにチェックインをし、荷物を置いたら、すぐに出掛ける。ドアを閉める前に一度部屋を振り返って思う。今回も「横たわるだけ」「荷物を置くだけ」「シャワーを浴びるだけ」なんだろうな~と・・・
馬刺しで乾杯して、馴染のマスターから焼酎をサービスして貰い、たっぷりたらふく飲んで、差しつ差されつ、突っ込み突っ込まれ・・・・・・気が付けばホテルで朝を迎えてた・・・本当に時の流れが早い。ガンガンする頭が昨夜の飲み具合を教えてくれる。久し振りの飲み過ぎである。チェックアウトは11時なので、ゆっくりとシャワーを浴びて、友人が車で迎えに来るまで、熊本随一の繁華街である下(しも)通りから上(かみ)通りを散歩し、新聞とオレンジジュースでボーとした頭で昨夜の余韻を楽しむ。
ん~それにしても頭が痛い・・・