映画「ロストケア(2023年公開)」を観た。
【解説】松山ケンイチと長澤まさみが初共演を果たし、連続殺人犯として逮捕された介護士と検事の対峙を描いた社会派サスペンス。ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士・斯波宗典が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が働く介護センターで老人の死亡率が異様に高いことを突き止める。取調室で斯波は多くの老人の命を奪ったことを認めるが、自分がした行為は「殺人」ではなく「救い」であると主張。大友は事件の真相に迫る中で、心を激しく揺さぶられる。斯波を松山、大友を長澤が演じ、鈴鹿央士、坂井真紀、柄本明が共演。作家・葉真中顕の小説「ロスト・ケア」をもとに、「そして、バトンは渡された」の前田哲が監督、「四月は君の嘘」の龍居由佳里が前田監督と共同で脚本を手がけた。
長澤まさみ見たさで選んだ作品は「42人連続殺人犯」の解説を読んでカルト的な内容かと想像しつつ視聴開始。鏡やガラス、テーブルでの長澤まさみの映り込みが印象的な映像で「安全地帯」での快適な老人ホームと「穴の中」での排泄まみれの生活、「見えるもの見えないもの」と「見たいもの見たくないもの」・・・ただただやり切れない。傍聴席で叫んだ遺族介護者は本心なのか?それとも自責の念なのか?それとも・・・今まで観たどの作品よりも一番綺麗に見えた長澤まさみが母親の膝元で泣き崩れるシーンは素晴らしかった。ただラストの折り紙の〇〇は不要だった気がしたし、松山ケンイチが無表情で淡々と語る猟奇的な感じではなかった方がもっと深くなった気がする。「家族の絆の呪縛」の言葉がやたら響いた。
視聴した数日前に仕事で認知症の方々(ご本人と介護される方)とそれぞれお会いする機会があったばかりだったので一概に「救った(善)」「殺した(悪)」とは軽々しく判断出来ない作品である。ちなみに生活保護申請のシーンがあるが、役所の方がけんもほろろに追い返すシーンがある。これってよくありがちな「役人=冷淡」の構図であるものの、私は仕事上接点があるが皆さんとても丁寧で親切な方ばかりである。
観終えたらふと映画「プラン75」がチラついてしまった・・・