映画「お葬式(1984年公開)」を観た。
【解説】俳優・伊丹十三の記念すべき監督デビュー作にして大ヒットを記録した傑作コメディ。突然、妻の父がなくなったことで初めてお葬式を出すことになった一家の途方に暮れるさまと、お葬式に集まった多彩な人々の生態をアイロニーを交えてユーモラスに描く。俳優の夫婦である井上佗助と雨宮千鶴子は、二人でCF撮影中に千鶴子の父の訃報を聞く。さっそく家族で父のいた別荘へ向かった佗助だったが、お葬式を出すのは初めてとあって、何もかも勝手が分からないことばかりだった……。
2012年を始め、これまた何回観たか覚えていないほどたくさん観た伊丹作品であるが、50代で改めて観ると親戚の微妙な関係や悲しみにくれる暇もない遺族のお務めなどまた違った視線で観れたし、喪主の立場ではなく「当事者」の立場でも観れた。中でも特に印象的だったのは「旦那の逢瀬」の最中にブランコに揺られる無表情の妻がとにかく恐ろしく、BOX購入特典で付いていた絵コンテノートだけでもその怖さが伝わってくる。またそれほど重要ではないのだが、亡くなる直前に食したアボカドと鰻、雨と強風、サンドウィッチを渡すシーンがやたら象徴的だったが、長回しだと思っていた菅井きんの喪主の挨拶が長回しではない上に4分程度だった。
特に大きな山場も無いのだが、観終えるといつも清々しさが残る。またいつも思っていることだが、お葬式には子供や孫たちがいるとやたら救われる気がする。