タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

いびしい

2024年01月19日 | ふるさと長岡・嗚呼!田舎暮らし

昨日のブログ記事で、長岡(新潟?)方言の「かがっぽい」について書かせてもらいました。著書「鎌倉四季だより」の中でこの懐かしい言葉をボクに思い出させてくれた、高校の先輩である星野知子さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

さて、今日のタイトルは「いびしい」です。「いびしい」ってどんな意味だと思います?実はこれ、新潟県の方言ではありません。結婚後まもなくの頃に、愛媛県で生まれ育った女房がボクに教えてくれた四国の方言なんですよ。

ネットで「いびしい」と検索すると、広島弁で「怖い」「恐ろしい」「気色悪い」などの意味があるとヒットします。愛媛県内でも「気持ち悪い」「鬱陶しい」などの意味で使う地域もあるそうです。

しかし、女房が生まれ育ったのは愛媛県でも端っこの高知県境の地域です。予讃本線の終着駅の宇和島やさらにそこから高知県寄りの南予(南伊予)地域では、「いびしい」は単に「気持ち悪い」「鬱陶しい」というだけでなく、その状況が生活の中のある場面に限定されます。

「いびしい」は、「着ている服が濡れてうっとうしい様」を意味するのです。使用例は、「服がいびしいけん 着替えてくらい!」です。意味は、「服がうっとしいから着替えてきます!」です。

女房の解説によると、「雨に濡れたズボンや服が肌にまとわりついて気持ち悪い様子」を表すのが「いびしい」の正しい意味で、「この状況を標準語で適切に表す言葉はない」とのことです。そういえば昨日の長岡方言「かがっぽい」も、あえて標準語に訳すなら「まぶしい」ですが、やっぱりニュアンスは単なる「まぶしい」ではなく、雪国ならではのビミョーな感じなのですよね。つまり方言には、標準語化することができない繊細な表現が残っているのだということですよ。面白いですね。

わが家では老夫婦2人が残りの人生の中で、南予方言の「いびしい」と長岡(新潟)方言の「かがっぽい」を、八百政家の文化として継承していくことにしました。とりあえず2人の孫たちに(もうすぐ3人目が誕生します)、ジジとババはこっそりとこれらを伝承することにいたします。親たちは「変な言葉を教えないで!」なんて言うかもしれませんが、言語は文化です。ボクらが使えば自然と受け継がれていくことでしょう。わっはっは。なんと壮大な計画でしょう。愛媛の文化と新潟の文化がここに融合するのです。(笑)

コメント
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