タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

「火の鳥」エジプト・ギリシャ・ローマ編

2024年01月23日 | 読みました!見ました!

手塚治虫の「火の鳥シリーズ」は一応前回の「太陽編」の11巻で一区切りしているのですが、実は「別巻」が存在します。それが今日紹介する「エジプト編」「ギリシャ編」「ローマ編」「漫画少年版・黎明編」です。ボクは今までのシリーズ同様に、大判の朝日新聞出版刊行の冊子で読みました。


これは、永遠の生命・火の鳥を軸として、古代ギリシャ・ローマ時代を舞台に描かれた歴史ドラマです。火の鳥の生き血を飲んで3千年の命を持った王子クラブと奴隷の娘ダイアのふたりが、それぞれ死んではまた別の時代に生き返り、さまざまな運命の遍歴の中で、出会いと別れを繰り返します。

一方、赤ん坊の火の鳥の成長を見守っているのは、やはり火の鳥の生き血を飲んで不老不死となった、ウサギのポポ、カメのノロ、そしてキツネのヨタでした。


こんなストーリーです。ちょっとページを繰ってみましょう。

絵を見て分かるとおり、これまでの「火の鳥」と違って完全に「少女マンガ」の画風です。もっとも手塚治虫には「リボンの騎士」や「不思議なメルモ」などの作品もありますから、おかしくはないんですけどね。巻末にそれぞれの作品が描かれた年代と発表されたマンガ雑誌が記載されていました。

あらまぁ。なんと!この別巻に掲載されている「火の鳥」4編は、1954年から1957年に描かれた作品でした。ボクの生まれる前に描かれたのですね。つまり手塚治虫がこれらの作品を描いたのは、これまでに紹介してきた「火の鳥」よりも前ということです。そして「黎明編」以外が発表されたのは、「少女クラブ」という少女向けの雑誌でした。

なるほど。これら別巻の作品を描きながら、手塚治虫は壮大な「火の鳥」の構想を抱き始めていたのですね。興味深いなぁ…。

コメント
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