タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹と生きる・竹を生かす」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

グレン・ミラー物語

2024年07月17日 | 読みました!見ました!

中央図書館で開催された映画会に行ってきました。今回上映されたのは、1953年の作品「グレン・ミラー物語」です。1953年といえば、現在65歳のボクが生まれる5年前。70年も前の映画にも関わらず、オールカラーで古さもほとんど感じさせず、聞き覚えのあるご機嫌なジャズ音楽がたっぷりの映画でした。

グレン・ミラーはアメリカのジャズミュージシャン(トロンボーン奏者)で、グレン・ミラー楽団を結成し1940年代に多くのヒット曲を生んで活躍しました。 この映画は、彼と奥さんの夫婦愛にスポットを当て、人気絶頂期に英仏海峡を飛行中に消息を絶ったミラーの劇的生涯を描いた伝記映画です。「真珠の首飾り」「ムーンライト・セレナーデ」「イン・ザ・ムード」「茶色の小瓶」などのヒット曲が、数々のエピソードと共に紹介されています。「あぁこの曲、聞いたことのある曲だ!」ってシーンがたくさんありました。ジャズ・トランペット奏者として有名なルイ・アームストロング本人も、映画の中に登場していました。

冷静にストーリーを振り返ると、若い頃のミラーは結構ひどい生き方をしています。質屋に自分のトロンボーンを入れなければいけない程の売れないミュージシャンで、後に妻になるヘレンには何年も音沙汰なしなのに強引に口説き落とします。婚約者がいると言っているのに聞かないし、また平気で音信不通になります。次に呼び寄せられたと思ったらいきなりのプロポーズ。

結婚後もグレン・ミラーのスタイルを確立するまで苦労の連続です。映画ではコミカルに描かれているし、映画用に脚色された部分も多いとは思いますが、実際のグレン・ミラーは気難しく偏屈だったことも容易に想像できます。奥さんのヘレンは大変だったんだろうな…と思います。彼を誰よりも忍耐強く明るく支え続けたヘレンの内助の功がなければ、ミラーの成功は無かったのだろうと思います。

そんなミラーとヘレンの夫婦の愛情を中心として、グレン・ミラーの音楽が誕生していく様はとても心地よいです。第二次世界大戦で入隊し軍の規律に反したり、慰問楽団を結成して飛び回る様子も痛快です。それなのに彼の人生の幕引きはあまりにも唐突であっけないものでした。誰も彼の最期を知らないし映画でも詳しくは描かれません。だからこそ余計に悲しく苦しいのかもしれません。ラストに流れる茶色の小瓶の曲の中、彼を想うヘレンの表情だけで映画は幕を閉じます。

映画を見終えて、これが70年も前に制作された映画だという事にボクは驚きました。これは間違いなく名作ですね。古い映画の中にも、「見ておきたい映画」はまだまだたくさんあるんでしょうね。こういう名画を「映画会」で上映してくれる長岡市の図書館にも感謝ですね。
 
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映画「長岡大花火」

2024年07月15日 | 読みました!見ました!

映画館で「長岡大花火 打ち上げ、開始でございます」を見てきました。今年の長岡花火まであと半月。「映画を見てちょっとモチベーションを上げようかな?」って気持ちもあったし、何より「地元の映画だし、話のタネに見ておくかな?」ていうのが正直なところだったんです。「花火はホンモノにかなうわけないけど、まぁ慰霊や復興などの長岡花火の意味や、長岡の歴史をおさらいするのもいいかな?」くらいのユルイ気持ちだったんですよね。

いやぁ〜ヨカッタです。感動しました。長岡花火の音と映像の迫力、半端なくすごかったです。フェニックスをはじめ、さまざまな代表的な長岡花火を、いろいろな角度から撮影した映像は、ホンモノとは違った魅力も見ているボクらに与えてくれました。花火師さんの視線で見た正三尺玉の映像なんて、ビックリのど迫力ですよ。

長岡花火を見たことのある人にも見たことのない人にも、長岡花火の魅力が十分伝わる映画でした。そして映画を見た人の誰もが「あぁ!この花火、生で見てみたいな!」って思うことは間違いありません。

この映画、全国の映画館で封切られているんだそうですね。長岡花火の魅力を全国の多くの人が感じてくれるだろうな…と嬉しくなります。どうぞ皆さんもこの映画を見て長岡花火の魅力を再確認し、長岡花火を見に長岡においでください。

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桶川ストーカー殺人事件~遺言

2024年07月08日 | 読みました!見ました!

新潮文庫の「桶川ストーカー殺人事件~遺言」を読了しました。著者はジャーナリストの清水潔氏。この事件を、写真週刊誌「FOCUS」の記者として追い続けたジャーナリストです。

本書は、桶川ストーカー殺人事件の真相と、警察の不祥事を克明に描いたノンフィクション作品です。 著者の執念の取材により、警察の隠蔽体質や杜撰(ずさん)な対応が浮き彫りになり、被害者の無念さがひしひしと伝わってきます。単なる事件の記録ではなく、社会に警鐘を鳴らすジャーナリズムの力を感じさせる作品です。ボク自身が40代の頃に起きたこの事件。当時の報道を思い出しながら(忘れていたことがほとんどでしたが)、本書を読み進めました。

桶川ストーカー殺人事件は、埼玉県桶川市で、元交際相手の男性らからストーカー行為を受けていた大学2年の猪野詩織さん(当時21歳)が、男性の仲間に殺された事件です。警察の対応が問題視されるとともに、この事件によって、ストーカー犯罪の法整備が進むきっかけとなりました。遺族は今も、再発防止を訴えて講演活動などを続けているそうです。

1999年10月26日、埼玉県桶川市のJR桶川駅前で、大学2年の猪野詩織さん(当時21歳)が刃物で刺殺されました。猪野さんは元交際相手の男性(以後Aと表記)やAの兄らからストーカー被害を受けており、99年12月、兄ら4人が殺人などの容疑で逮捕されました。Aは指名手配後に北海道で自殺しているのが見つかりました。

猪野さんは最寄りの県警上尾署にストーカー被害を相談していましたが、署員らが告訴をなかったことにするため調書を改ざんしていたことなどが発覚。関与した元署員3人が懲戒免職処分を受ける不祥事に発展しました。元署員3人は虚偽有印公文書作成罪などで起訴され、いずれも有罪となっています。

事件を受けて2000年5月にストーカー規制法が成立し対策は進みましたが、警察の怠慢に対する遺族の怒りや憤りは決して払拭されることはないでしょう。

本書を読み終わった今、やりきれない気持ちと憤りで胸が苦しいほどです。詩織さんはどれほど怖かっただろう。一番の悪は犯人グループですが、埼玉県上尾署が警察として当然の対応をしていれば、詩織さんが命を奪われることは無かったのでは…と思います。本書の中にあった「警察官も普通の人達、みんなサラリーマンなんだぜ」この言葉、とても不愉快に感じました。確かにそうかもしれませんが、それを言ってはいけないと思います。そんな考えで就いていい職業ではありません。プロとしての職業のあり方も大いに考えさせられました。

この事件を機に「ストーカー規制法」が制定され、現在に至っています。この事件のことは日本人として決して忘れてはいけません。多くの人が読むべき本だと思いました。

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医師 中村哲の仕事・働くということ

2024年07月01日 | 読みました!見ました!

柏崎市産業文化会館で開催された、映画「医師 中村哲の仕事・働くということ」の上映会に行ってきました。

中村哲さんの生き方についてはこれまでにも断片的な知識はあったのですが、今回映画を見てあらためてその凄さに感銘を受けました。まずは中村哲さんのプロフィールを紹介しましょう。

戦乱と干ばつに苦しむアフガニスタンで、36年間にわたり人道支援を続けた中村哲さん。医師という立場を超えて井戸の掘削や用水路の建設にも取り組み、多くの命を救った。中村さんは昭和21年福岡県生まれ。九州大学医学部を卒業し精神科医に。昭和59年パキスタン北部ペシャワールの病院に赴任、医療支援に取り組む。アフガニスタンを大干ばつが襲って以降は水資源の確保にも取り組み1600本以上の井戸を掘削。さらに25キロ以上にもおよぶ用水路も建設し砂漠化した大地に緑を蘇らせた。令和元年、何者かに銃撃され死亡。貧困という荒野を緑豊かな大地に変えることを夢見た73年の生涯だった。

まぁこんな感じです。

この映画は中村哲さんの実際の活動を追ったドキュメンタリーです。生涯をかけて、現地の人々と共に、現地の人々のために働いた中村哲さん。その軌跡を通し、“働く”とは何かを問いかける映画です。中村さんは自身のの活動について、「私たちに確乎とした援助哲学があるわけではないが、唯一の譲れぬ一線は、『現地の人々の立場に立ち、現地の文化や価値観を尊重し、現地のために働くこと』である。」と語っています。「人は人のために働いて支え合い、人のために死ぬ。結局はそれ以上でもそれ以下でもない。これは人間の仕事である。」中村さんの言葉がずっしりと心に響きました。

ただね。この上映会に参加している人たちの平均年齢は、明らかに70歳以上でした。もちろん高齢者にも多大な感銘と生き方のヒントを与えてくれる映画ではありますが、やっぱりこの映画は、これからの時代を生きる若者たちに見てほしい映画だよな…と思いました。でもまぁ65歳のボクとしても、「まだ自分も人のためにできることがあるんじゃないかな?」と、考えるきっかけにはなりました。

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朽ちないサクラ(映画)

2024年06月27日 | 読みました!見ました!

杉咲花が主演の映画「朽ちないサクラ」を見てきました。柚月裕子による警察ミステリー小説の映画化。杉咲演じる県警の広報職員が、親友の変死事件の謎を独自に調査する中で、事件の真相と公安警察の存在に迫っていくサスペンスミステリーです。

ボクはこの原作を、ちょうど1年ほど前に読んでいましてね。まぁ「柚月裕子の小説にハズレなし」って感じで夢中になり、続編の「月下のサクラ」も一気に読了した記憶があります。確か、ブログの記事にもしていましたよね。ありました、ありました。

 

朽ちないサクラ - タケ・タケ・エヴリバディ!

柚月裕子さんの「朽ちないサクラ(徳間書店)」を読了しました。実は半分以上は岡山からの帰路の新幹線の中で読んでいましたので、残りを一気に今日(2日)読んだって感じ...

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月下のサクラ - タケ・タケ・エヴリバディ!

柚月裕子さんの「月下のサクラ(徳間書店)」を読了しました。言わずと知れた、数日前に読み終えた「朽ちないサクラ」の続編です。2021年に発売された本なので、図書館の予...

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ストーリーは、こんな感じです。

たび重なるストーカー被害を受けていた愛知県平井市在住の女子大生が、神社の長男に殺害された。女子大生からの被害届の受理を先延ばしにした警察が、その間に慰安旅行に行っていたことが地元新聞のスクープ記事で明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が記事にしたと疑うが、身の潔白を証明しようとした千佳は一週間後に変死体で発見される。後悔の念に突き動かされた泉は、捜査する立場にないにもかかわらず、千佳を殺した犯人を自らの手で捕まえることを誓うが……。

いやぁ〜原作の小説を読んでいて、内容をある程度知っていても面白かったです。警察、公安、報道、カルト宗教の暗部を描く重厚ミステリーって感じ。渋めながら複雑な構造のストーリーは見応え十分でした。やはり見どころは終盤の杉咲花と安田顕による静かなるバチバチなやり取りかな。タイトル「朽ちないサクラ」の回収もお見事でしたし、作品全体に繰り返し使われた満開の桜の映像も効果的でした。「大義の為の犠牲、それは正義なのか?」と視聴者に投げかけられたテーマも、重厚で考えさせられました。

主人公を演じた杉咲花のほか、安田顕、萩原利久、豊原功補らの俳優陣が、とてもいい味を出していた映画でした。続編の「月下のサクラ」も映画化してほしいな。

それにしても、最近は見たい映画が多くて困ります。テレビドラマで放送されてボクが大好きな「おいハンサム!!」、もうすぐ封切られる「キングダム:大将軍の帰還」や「長岡花火物語」。この夏は、映画も楽しみたいと思います。

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