タケ・タケ・エヴリバディ!

当ブログは「竹林や自然と共に生きる」をメインテーマに、管理人の田舎暮らしの様子をお届けします。

「火の鳥」ヤマト編・宇宙編・鳳凰編

2024年01月08日 | 読みました!見ました!

一昨日に引き続き、手塚治虫の「火の鳥」の紹介です。今日は3巻の「ヤマト編」と「宇宙編」、4巻の「鳳凰編」です。この3・4巻を読了しました。

まずは「ヤマト編」です。これは1巻の「黎明編」の続編ということになります。

4世紀ごろの日本。ヤマトの国の王子オグナは、父の命令で、九州のクマソ征伐に出発しました。しかしオグナには、実はもうひとつ別の目的がありました。それは、父の死によって殉死の生け贄となる人々を救うために、不老不死になる火の鳥の生き血を手に入れることでした。クマソの国に入ったオグナは、クマソの王タケルの人格に惹かれ、また彼の妹カジカと恋におちます。

まぁこんな感じでストーリーは展開するのですが、火の鳥は人間たちの様子を悠然と見降ろしているだけであり、「善悪を超越した存在」としての火の鳥の意味が、ここで明確になっています。

続いては「宇宙編」です。過去と未来を交互に描きながら現代へと連なる『火の鳥』の壮大な物語は、ここでいったん、それまでの3作の流れから切り離され、宇宙の果ての名もない星へと舞台を移します。西暦2577年、ペテルギウス第3惑星ザルツから地球へ向かって出発した宇宙船が、宇宙塵に衝突して故障してしまいました。そして人工冬眠から目ざめた4人の隊員たちが見たのは、見張り役の牧村隊員のミイラでした。

この牧村隊員の秘密が、読む者の心を揺さぶります。牧村は永遠に生と死を繰り返す罰を受けた宇宙の罪人だったのです。なぜ彼は宇宙の罪人となったのか?彼に思いを寄せる隊員のナナと、そのナナに思いを寄せる猿田(出た!猿田彦の子孫)の葛藤と決断とは??う~ん。深い!手塚治虫、恐るべし!

はい。続いて「鳳凰編」です。これはね、ボクが40数年前に読んだ記憶が鮮明に蘇ってきましたよ。これは仏師・茜丸と我王(これが猿田彦の子孫)の物語です。

舞台は奈良時代の日本。隻眼隻腕の盗賊・我王は、命を助けられた高僧・良弁上人と諸国を巡るうちに、病や死に苦しむ人々の姿に出会い、眠っていた彫刻家としての才能を開花させました。一方、若き日の我王に利き腕を傷つけられた仏師・茜丸は、精進の末にリハビリに成功して、名声を高め、奈良・東大寺の大仏建立のプロデューサーにまで出世します。この2人の芸術家が、大仏殿の鬼瓦の制作を競い合うのです。勝負はいかに…??

いやぁ、この「鳳凰編」は完成度の高い傑作です。ボクの記憶にもしっかりと残っていました。 あらゆる時代であらゆる役割を演じている猿田彦が、この「鳳凰編」では我王という悪党となって登場します。 そして、その我王の生き様を通して「生きることの意味」や「輪廻転生とは何か」など、人生の哲学が真正面から描かれているのがこの「鳳凰編」です。

いやぁ~深い。「火の鳥」はすごい。手塚治虫は天才だ。続きをすぐにでも読みたくなって、5~8巻を一気に図書館に予約してしまいました。続きはまた数日後に

コメント (2)
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