目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

郷土菓子・とびつき

2010年04月04日 | 佐渡の頑張っている和菓子屋さん「しまや」
とびつくほど美味い、というのが名前の由来の
佐和田・沢根の郷土菓子です。
名前がいいですね、どんな味だろうと食べたくなるじゃないですか(笑)

かつての佐渡人のネーミングセンスが気に入っております。

早苗を植える頃の中休みに食べるお菓子だそうで、
うるち米で作られたお餅の間にあんこがはさまっています。
凹凸がついた板で飾り模様をつけるのも特徴のひとつです。

「そんなに美味しいの?」と聞かれて、美味しいものに
囲まれた現代人には、yesと即答はできないかもしれません(笑)

でも、バターや卵を使ったお菓子とは違う日本人の身体になじんだ…
そうですね、言うならば「身土不二」な味がすると思います。

田んぼの中休みという心身共に疲労している体には
しみじみと美味しい、それこそ
この上ない美味しさだったのではないかと思います。

そんな思いが、お菓子への名前にこめられていますね。

しまやさんで販売されているとびつきは、
餅米は使わず、うるち米だけで作っているのですが、
もちもち感が餅米並みにあります。

そのことをしまやの社長に伝えると、
「これはすごいんだ!」と社長は言います。力説します。

「そんなにすごい技術なんですか」と聞く私に
「ヒントを教えてやろう」としまやの社長は言います。

「赤飯を炊くときに、もち米を蒸す時にビックリ水といって
水をふるだろう、二、三十分ごとにな。」
「はあはあ、二、三十分ごとにですね」(メモをとる私)
「そのビックリ水をこのとびつきの餅にも同じようにする。
それがポイントだ」と社長。

「そのビックリ水のふり方こそがとびつきの美味しさの秘密で、
企業秘密!なんですね」と聞くと

「いや、いくらでも教えてやるっちゃ」とさらりと言って、タバコを一服(笑)


ああやって、こうやってと体で表現しようとして、
やっぱり(説明)できないという風な感じで
「これは口で教えてわかるもんじゃね」と(笑)

見て、自分の体で覚えて、そうしないとわからないもの、なんですね。

しまやのお菓子の美味しさは、全部そうです。
全部「からだ」で作り上げているもので、簡単に口だけでは、
例えばレシピ本だけでは伝わることはできないのですね。

だけど、教えられるものなら全部惜しみなく教えてくれる。
だけど、それがまんましまやの味になるかというと、そうではないようです。

職人の味、なんですね。

しっとりとしたしみじみしたお味です。
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