毎日が高地トレーニング

標高950メートルの高原での日々。各地のお薦めトレイル、ジョギングコースの紹介です。

水晶岳(黒岳)日帰りトレイルランニング(2017年8月・七倉から入山~野口五郎岳~竹村新道~湯俣経由で下山)

2017-08-08 04:09:44 | トレイルランニング

2017年8月5日(土)に七倉から水晶岳(黒岳)に日帰りで登ってきました。その時の記録です。

日帰りとはいうものの、夜暗いうちの夜行登山としてスタートしないと厳しく、帰りもライトが必要となりました。距離が長いので、周到な準備が大切です。

行程:七倉3:48~高瀬ダム4:44~烏帽子小屋7:20~野口五郎岳9:47~真砂分岐10:20~水晶小屋11:37~水晶岳12:05(12:23再スタート)~水晶小屋12:46~真砂分岐14:07~湯俣岳15:31~湯俣晴嵐荘16:47~高瀬ダム19:02~七倉ゲート19:41

前夜0時過ぎに七倉に車で到着。30台程度の車が停まっていました。仮眠して2時40分に起き、準備。漆黒の闇のなかに飛び出していく勇気がなかなか出ず、スタートは3時48分になってしまいました(計画では3時出発予定でした)。出発時に夜行バスがちょうど到着し、少し明るい気分になります。ここには奥、右手に水洗トイレがあります。入ると照明が自動で点きます。

七倉のゲート。ここからはタクシーのみです。この時間、まだタクシーはいません。

初めに真っ暗な1km以上あるトンネルです。ライトは気分を盛り上げるため、頭、首、手の3灯体勢としました。

この道は槍ヶ岳北鎌尾根への道でもあり、厳粛な気分になります。

高瀬ダム手前の広場。空が白んできました。

ロック・フィールドダムの斜面をつづら折りに上がっていきます。

高瀬ダム(4:44)

ダムを渡った先のトンネルの上が展望台になっています。槍がちょこっとだけ見えるそうですが、登らず先を急ぎます。

不動沢吊橋。

キャンプ地。誰もいません。

山から流出してきた白砂が膨大に堆積したエリアで、山奥感があまりしません。

ブナ立て尾根の登山口です。地図に記載されている水場はわかりませんでした。

ブナ立て尾根は急登であるものの、しっかり整備されていて歩きやすいです。

安全対策も行きとどいています。

12番からはじまり、登るにつれて徐々に数値が減っていきます。(最後は1?0?すみません。忘れました)

三角点の石が実際にあり、そのすぐ先にこの標識があります。

徐々に視界が開けてきました。

下山のかたたちとすれ違うようになります。

遠方に浅間山。

大町方面の雲海。

斜度が緩んできました。

烏帽子小屋に到着(7:20)

 

ここからは明るい稜線の始まりです!

燕岳、餓鬼岳方面を望む。

三ッ岳への登り

高瀬ダムが直下に見えました。案外近いのね(望遠撮影)。

心地よい緩斜面のトレイル。

右のピークに登っていきます。

歩いてきた道を振り返ります(北方面)。

前方に槍ヶ岳が見えてきました。

青空とトンボと渋い標識

野口五郎岳はまだ見えません。

巻いていきます。

右に水晶岳(黒岳)

35kgのリュックを担いだお父さんとどんどん元気に歩いていってしまう子供。

突然、目の前に野口五郎小屋が現れます。

野口五郎小屋で水を補給。500mlで100円です。玄関に給水機があって、箱にお金を入れて、セルフで給水します。

 野口五郎岳のケルンが見えてきました。

鷲羽岳、水晶岳方面。これから歩く稜線が手前に見えます。

右奥に槍ヶ岳

子供のころから気になっていた野口五郎岳に立ててご満悦!(9:47)

脚にやさしい、気持ち良い下り。

真砂分岐。ここから水晶岳までは往復です。正面に槍ヶ岳。

水晶岳まで快適なトレイルに見えましたが・・・

大岩ゴロゴロでしかも浮石もあって要注意区間でした。

東沢乗越のお地蔵さん

地質が変わり、少し脆そうなエリアを登ります。見た目ほど危なくはありません。

水晶小屋直下はきれいに整備されています。

水晶小屋(11:37)

正面に水晶岳。多くの人は、小屋前に荷物を置いて往復してました。

水晶岳山頂が近づくと岩場になります。あわてず慎重に進みましょう。

水晶岳山頂(12:05)   読売新道から登ってこられた御夫妻と、40年ぶりに再訪されたかたと一緒になりました。

読売新道は全く水場がなく、雪を食べてのどの渇きをいやしたそうです。

登ってきた稜線をバックに1枚。

 

水晶岳を12:23に再出発。名残惜しくて、山頂を振り返ったところ。

水晶小屋までの稜線は歩きやすいです。

水晶小屋売店。給水は500mlで300円、500mlペットボトル飲料はポカリスエットとお茶があって、いづれも500円でした。ネクター等の缶ジュースは300円でした。

日帰りトレランする場合、宿泊しないのだから、せめて買い物くらいして、山小屋の運営に貢献しましょう。

まだまだ先は長い。下山開始(12:53)

真砂分岐点までは来た道を戻ります。岩場が多く、慎重に歩を進めます。

真砂分岐で同じコースを行くトレイルランナーさんに追い付きました。深夜2時に七倉スタートとのことでした。行動は別々でも、同じルートを辿る人がいることで、とても心強くなりました。

竹村新道のお花畑。ここは一番きれいだった場所。あとは、結構ワイルドな道でありました。

 

正面は南真砂岳。竹村新道は下り一辺倒でなく、南真砂岳、湯俣岳の登りがあります。

 

 

こんな看板が疲れた身体を癒してくれます。目指すは晴嵐荘の炭酸飲料です。

竹村新道は尾根を巻いたり、樹林帯に入ったり、切れ立ったガレ場を通過したり、変化に富んでいます。

他の方々がブログに書かれているように疲れた身体には辛い尾根でした。正面は湯俣岳。

 

このような小さなベンチから、この道を整備されている方々のやさしさが伝わってきます。

湯俣岳(湯股岳)は三角点はあるものの、展望は利きません。

湯俣岳から先、しばらくは笹を刈ったふかふかのトレイルが続きます。

そのまま湯俣到着かと思った甘かった!最後にやせ尾根やら、ガレ場やら、急なつづら折りの下りやら大変な道が待ってました。

このような場所に道を拓いてくださった先人のエネルギーに本当に脱帽です。そして整備を続けてくださる関係者さんに心から感謝です。

槍ヶ岳の展望ポイント

あと少し。

湯股温泉晴嵐荘到着(16:47)

コーラ(300円)で幸せに包まれます。今夜ここに宿泊の方たちと15分くらい談笑。もっとお話ししていたかったものの、まだ15km以上距離が残っているので、先を急ぎます。ここではホースから水も流れでており、顔や手を存分に洗えました。コーラもう1本と水をしっかり補給して、再スタート。

吊り橋を渡ってからキャンプ地と晴嵐荘を振り返ったところ。

安全で快適なフラットな幅広トレイルがずっと続くものと思っていたら・・・

断崖あり・・・

よしこれでもう林道だ思ったら・・・

 

再びシングルトレイルとなり・・・

ミニトンネルあり・・・

ちょっと寂しい感じの無名避難小屋あり・・・

道の崩落あり・・・

やっと本当の林道終点に到着(18:06)

空には多彩な雲

高瀬ダム湖が見えてきました。

トンネルはライトが必要です。

慰霊碑。ダム関連の工事で14名のかたが亡くなられ、その方々の氏名が碑の裏に刻まれていました。

電気がある今の贅沢な生活の裏に、多くの犠牲者がいるのです。

高瀬ダムに戻ってきました(19:02)

ダムを下っていたら突然の稲光。緊張が走ります。頭を低くして、へこへこしながらスピードアップ。雨も降り出します。

七倉のゲートに帰還(19:41)。と同時に雨が大粒になり、急いで車中へ。

車中で着替えて、帰路につきました。

七倉山荘の扉も閉まり、全く人影はなく、ひっそりしていました。

 

(まとめ)

 ヤマレコ等で、このコースを日帰りしている方々の記録を見つけて、勇気を得て、ずっと不可能と思いこんでいた水晶岳に日帰りで立つことができました。皆さまの記録がとても役に立ちました。ありがとうございます。

 時間、距離ともに長く、その分、達成感も大きいです。 しかし、日帰りとはいっても、車中泊で、暗闇の中の出発ですし、帰還も暗くなったあとだし、帰りの運転では睡魔との闘いがあるし、「宿0泊車中1~2泊3日の登山旅行」というのが正しいかもしれません(笑)。翌日は下りの衝撃で腰が痛く、年寄りのようなゆっくりな立ち上がり方しかできませんでした。

 大町市内に西友(24時間営業)があり、そこで行き帰りに食糧、飲料の調達ができました。

 危険個所として、真砂分岐の少し先~東沢乗越(不安定な岩場)、水晶岳直下の岩場、竹村新道のラスト20分くらいのエリア(急峻でトレイルが細い)が挙げられます。

 このコースにトライされる際には、天気の良い日を選んで、装備、食糧、水分をしっかり準備して、臨みましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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