毎日が高地トレーニング

標高950メートルの高原での日々。各地のお薦めトレイル、ジョギングコースの紹介です。

剣岳日帰りトレイルランニング(早月尾根往復)

2012-09-13 17:37:00 | スポーツ

 2012年8月26日(日)  早月尾根往復で剣岳に登ってきました。初めての剣岳です。地図を眺めると、日帰り可能なのは、早月尾根しかなさそうです。

 

 早月尾根は、以前は、積雪期の熟練者向けの登山ルートでした。昭和33年にコースが整備され、昭和35年に避難小屋、さらに昭和46年に伝蔵小屋ができ、一般ルートとなったそうです(昭文社エアリアマップ解説文より)

 ヤマケイ8月号に日本の急登の特集が組まれていて、編集部のランキング1位に早月尾根が挙がっていました。

行程:馬場島キャンプ場6:45~登山道入口6:51~伝蔵小屋9:13~剣岳山頂11:07~11:30(再出発)~伝蔵小屋13:03~登山道入口15:04~馬場島キャンプ場15:10

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馬場島キャンプ場の管理棟前の駐車場(無料)。40台くらい停められます。朝6時15分到着で1台分だけ空いてました。これより上流エリアに路上駐車の車が20台くらいありました。ちょっと下流の数百メートル離れた駐車場は空いてました。

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キャンプ場入口。あまりキャンパーはいませんでした。トイレ、水場あり自由に利用できます。

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キャンプ場上部の路上駐車。まだ停められそうでした。芝地に沿って左に曲がります。

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帰らぬ人となった若者たちの慰霊碑。

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登山路の入り口。右の階段を登っていきます。

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この標識は標高が200メートル上がるごとに登場します。

現在地の馬場島は標高760M。山頂までは8.3kmです。非常にわかりやすくて親切な標識です。

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竹で作った階段。地元の方々が外注せずに、自分たちで整備しているのでしょうか。この尾根に対する愛情が伝わってきます。また、この画像でもわかるように道は緩やかにカーブしていて先が見えないので、「この先に平地が・・・」と期待できて、結構がんばれます。実際、常に同じ傾斜でなく、フラットなエリアも散りばめられています。

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松尾平。標高1000M。一旦平らになります。ベンチもあり休憩に最適です。

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この早月尾根、多くの杉の大木が登場します。太さだけを見れば屋久スギに負けないくらいです。

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急登とはいっても里山風のこのような走れるエリアもあります。

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伝蔵小屋(早月小屋)が見えてきました(標高2200M)。小屋の手前に小ピークがあり、小屋に向かって少し下ります。

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剱伝蔵小屋と早月小屋の2つの看板出ています。買いませんでしたが、ジュース類も売っています。馬場島から小屋まで5.4km、ここから剱山頂まで2.9kmと表示されていました。

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小屋前でキャンプもできます。

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これから進む稜線と剣岳が見えてきました。

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残雪。8月26日です。少し前はもっと大きな雪渓だったのでしょうね。

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岩場も登場。他のかたのブログにも良く出てくる岩場です。

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天気が良いと急登でも明るい気持ちで臨めます。

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通ってきた鎖場を振り返ったところ。下の谷が深いので結構怖かったです。

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最後の壁。ペンキでマーキングがあるので迷うことはありません。

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片側通行の部分では、集団の通過を待ちます。集団のあとにまた別の集団がきてなかなか登れない!トレランしていると気が急(せ)くのですが、あわてない、あわてないと自分に言い聞かせます。

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山頂直下の標識が見え来ました。この標識の文字は判読不能です。しかし「正しいトレイル上ですよ」という意味で重要な存在だと思います。

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剱岳山頂到着(11:07) 

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ヘルメットをかぶった方々をみると気持ちが引き締まります。一般人の山ではないんだなあ・・・と感じていると・・・

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山頂でゲーム?に集中している子供たちもおりました◎

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周囲は険しい峰峰で、その中心に剱岳が存在しています。

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11:30下山開始です。ぐんぐん高度を下げていきます。といっても歩きです。

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やっぱり雪があると心が躍るものですね。記念撮影したくなる気持ちわかります。

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深い溝状の急な下り。

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剱伝蔵小屋に帰還。画像中央のトイレは外見は立派ですが、中はあまりきれいでありませんでした。

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何気ない道に見えますが、道が崩れないように麻袋の土嚢で階段が作ってあります。

滑らずに安心して下りられます。整備してくださる地元のかたに本当に感謝です。

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最後、走れるフラットなトレイルが続きます。急登とは無縁のエリアです。

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馬場島のキャンプ場にもどってきました(15:07)。のんびりお弁当食べるだけにきても心地よさそうな場所です。

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朝、車で馬場島に向かうとき、気になった立山寺の入口です。帰りの道中、寄り道していきました。いい雰囲気の杉並木が続きます。

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上市町の市街地にあるアルプスの湯に入って行きました。観光客よりも、地元のかたが中心の温泉のようでした。

早月尾根は、急登であるものの、登る人のことを考えてしっかり整備されていました。竹の階段や土嚢に地元の方々の汗を流した手作業のぬくもりが感じられて、下山後とても温かい気持ちになりました。登山口の立派な慰霊碑も、もっぱら自己責任といわれる登山において若者を悼む気持ちがあふれており、感銘を受けました。

「愛のある急登、早月尾根」そう私は名付けたいです。

とはいっても、エスケイプルートのない一本尾根です。水場もありません。しっかりした装備で臨みましょう。


槍ヶ岳日帰り往復トレイルランニング(上高地から)

2012-09-06 23:52:45 | 旅行記

 2012年8月19日、上高地から槍ヶ岳日帰り往復をしてきました。今までに新穂高温泉からの槍ヶ岳日帰り往復は5回していますが、上高地からは今回がはじめてです。

両者の違いを比較すると次のようになります。

(新穂高温泉から槍ヶ岳往復)

1.距離30km

2.標高差2090m

3.駐車場は無料。安房トンネルは普通車片道750円。

4.所要時間(私の場合)7時間50分~9時間00分(過去5回の実績より)

(上高地から槍ヶ岳往復)

1.距離 44km

2.標高差1675m

3.車は沢渡に駐車。(駐車料金は1日あたり500円。夜0時を過ぎると500円追加)沢渡から上高地までバス往復2000円。始発5:00  上高地発最終バス18:45(新島々行き、夏期のみ)

4.所要時間(私の場合)10時間52分(今回)

 両ルートとも、はじめは林道を進みます。新穂高ルートはスタート直後から登り坂です。トレイルに入ってからは、石がごろごろしている箇所が多いです。一方、上高地ルートの林道はほとんどフラットです。11km先の横尾までで標高は105mしか増えません。どちらも、槍ヶ岳が近づくにつれて、勾配は急になっていきます。所要時間は、新穂高温泉からのほうが短いです。

 

 静かなトレイルをのんびりマイペースで楽しみたいなら新穂高温泉から、活気ある明るい雰囲気の中を進みたいなら上高地からが良いでしょう。

行程:上高地バスターミナル5:40~横尾7:18~槍ヶ岳山荘10:41~槍ヶ岳山頂11:03~11:09まで~槍ヶ岳山荘11:26~横尾14:11~バスターミナル16:32(距離約44km)

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上高地バスターミナル前の広場。みんなここで準備です。中央に水場があります。

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河童橋前(5:45) 

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小梨平キャンプ場(5:52) 河童橋からすぐです。

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明神館前から前穂高方面をみたところ。正面のピークは明神岳かな(6:16)

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朝靄(あさもや)にしっとり濡れた道を行きます。左は梓川。

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徳沢のキャンプ場。きれいなトイレが完備されています(6:45)

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東側の山並みの陰になり、なかなか朝日が当たりません。

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横尾エリアに入ってきました。

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横尾山荘。ここまでは林道があるためか立派な造りです(7:18)

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横尾山荘の正面にある橋。涸沢方面はこの橋を渡っていきます。

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横尾を過ぎて、道も狭くなってきました。

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一の俣(7:52) 常念岳方面からの沢との合流地点です。

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徐々に山道らしくなってきました。

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槍沢ロッジ(8:16) ここも立派な山小屋です。槍のてっぺんを見るための望遠鏡が設置されていました。

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傾斜も急になってきます。もちろん歩きモードです。

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ばば平のキャンプ地。展望が開けてきます。沢からホースで引いた水道があります。

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雪渓が見えてきました。あとにも先にも雪上を歩いたのはここだけでした。

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槍沢大曲り。水俣乗越はここを右に上がっていきます。北鎌に取り付く方法として水俣乗越を越えていくルートがメジャーになっていると以前に聞いたことがあります。

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槍沢の底部は進みません。向かって右側の樹林~ハイマツ帯に山道はあります。

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槍が穂先を見せてくれるのは、大分近づいてからです。

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振り返ると一気に高度を上げたのがわかります。

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岩屋近くの分岐。槍ヶ岳まで1.25kmです。Cimg1953

やっぱり槍ヶ岳は絵になります。デジカメ取りまくりです。

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東鎌尾根方向を眺めたところ。前日、槍の頂上とこの東鎌尾根上で落雷事故があったことは、この日帰宅後に新聞で知りました。山頂での落雷死亡事故は、肩の小屋の従業員が、メガホンで山頂に登らないように呼びかけたそうですが、応じずに起きてしまったようです。

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槍ヶ岳山荘へ至る美しい最後のアプローチ。整備してくださる方々に感謝です。

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肩から見た槍。たくさんの人が岩に取り付いています。Cimg1963_2

急にガスが出てきました。

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何度来ても結構怖いです。中学生のときが一番怖くなかったのは、なぜなのかな。かつては多少今と違う位置に鎖やはしごがありました。Cimg1966_2

落石に細心の注意です。ここは急いではいけませんね。Cimg1967

このはしごを登ると山頂です。

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登りと下りは別になっています。

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槍ヶ岳山頂到着!(11:03) 雲の中に入り何も見えなくなってしまいました。幸い今日は、雷鳴はまったく聞こえません。

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下山開始です(11:09)

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登るより下るほうが怖いかも。お姉さんはゆとりの?ピースサイン。

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ここまで降りて来るとひと安心。肩にはヘリポートがあります。お世話にならないようにしましょう。

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多くの人がくつろぎ、活気があります。みな、ほっと一息って感じです。

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槍ヶ岳山荘の売店。3000mの場所とは思えない華やかさがあります。

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食堂もきれい。カレーライス、中華丼、牛丼、ラーメン、生ビールが1000円、ココア、コーヒー、紅茶が500円、カップめんは400円です。Cimg1989

さあ、下山開始です(11:30)

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斜面の崩落を防ぐために整備をしてくださる山小屋のかた。奥のかたはネパールから手伝いにきてくださったそうです。ありがとうございます。

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殺生(さっしょう)ヒュッテ。中学時代の登山でここに泊まりました。ちょっと寄り道していきます。

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ひっそりとしていました。カレー1000円、うどん800円、ビール500円、柿の種100円、板チョコ250円でした。

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これから下る槍沢の全景

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落ちないように小枝で囲ってあります。やさしさが伝わってきます。

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雪上は涼しいです。

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槍沢ロッジまでくると道も良くなります。

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北アルプスのメインルートだけあって、ちょっと硬めのトレイルです。

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横尾に到着(14:11) 明るい雰囲気が漂っています。

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明るく見通しのよい森林が続きます。

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徳沢園前(14:43)  ソフトクリームも販売されています。ぐっと我慢。

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食堂のメニューもいろいろ。ビールもハイネケン500円、コロナ600円、ギネス600円と選べます。

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ゆったりと景色を楽しむかたがた。登山以外の方も増えてきます。

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明神館前(15:16)。日曜日の午後なので、人は少ないです。

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小梨平(15:46)。あとちょっとです。ときどきにわか雨も降ってきます。

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河童橋の100m手前。ちょっと気になるビジターセンター。立ち寄ることにします。

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開園当初、展示品をどう調達しようか考えて、川の流木を運んできたとのことが書かれていました。

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販売コーナーには、普通のお土産品とはちょっと違うシンプルな製品が多くお薦めです。私は、キツツキのバッジと野うさぎのストラップを買いました。

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河童橋が見えてきました。この橋は、しみず橋です。

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とても澄んだ冷たそうな水です。

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上高地到着!このあとこのテーブルで地図で今日のコースチェックをしました(16:03~16:20)。

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あとは400m先のバスターミナルに向かうだけ。夕刻のゆったりした空気が流れます。

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水を集めて、梓川の川幅も広くなります。

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バスターミナル到着!(16:32) 無事にかえってきました。めでたしめでたし。このあとバスで車を停めてある沢渡の市営第2駐車場へ向かいました。

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市営第2駐車場にある足湯。ここには浸からず、別の温泉に行きました。

(まとめ)

 上高地からの槍ヶ岳日帰り往復は、距離は長いものの、標高差が少なく、半分はフラットなコースなため、思ったよりも楽でした。感覚的には、横尾でなく、ババ平あたりが中間地点って感じです。かなり接近するまで槍ヶ岳は見えないので、その分、穂先が視界に入ってきたときの感動は大きいです。

 飲料水は、槍沢大曲り(水俣乗越への分岐)の先でも沢の支流がいくつかあり、まったく困りませんでした。

 登山者の多いコースです。クマ鈴を鳴らすなどして、歩行者を驚かせないようにゆっくり走りましょう。