「きの音の消えるまで」 -追悼市川団十郎丈 宮尾登美子
新聞で紹介されていたので、
即買って来て
一昨日主人が大学病院で治療している間に待合室で読みました。
15ページ位の短い文章ですが、息もつかずに一気に読んでしまった。
宮尾登美子さんが、今年2月に亡くなった十二代目市川団十郎さんを偲ぶには避けて通れない
自作の「きのね」執筆にまつわるあれこれを書いてある。
「きのね」は1988年~89年に朝日新聞の連載小説だった。
(そのときは朝日新聞とっていたけれど読んでない)
主人公の光乃は十一代目市川団十郎の二人目の妻で、
海老蔵と呼ばれていた頃から世話係として付いていて「役者子供」のような海老蔵を
辛抱強く受け止めて、内所をすっかり任せられる光乃は次第に欠かせぬ存在になっていった。
長男である十二代目を自宅で一人で(しかも逆子だった)産む様子が息が止まりそうになるくらいの描写
光乃さんとは何と強い女性だったのか・・・(抜粋されて載っていた)
この「きのね」を書くに当たり、これらの事がスキャンダルとして広がるのを恐れた人達が
宮尾さんに様々な方面から横槍を入れてきて、怖い思いまでしたそうで
それでもどうしても書きたかったそうだ。
十二代目に3度目に会った時に
「この小説が完成しても、あなたが舞台に立っている限り
劇化、ドラマ化の許可を一切与えません」と約束したらしい。しかし団十郎さんは無言を通した。
ダラダラ書いたけれど、ここはやはり「きのね」を読むしかないと思い図書館で借りてくる事にした。
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