遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

卯の花腐し

2021-05-19 16:14:49 | 日記

令和3年5月19日(水)

卯の花腐し : うのはなくたし

陰暦四月を卯の花月ともいうが、その頃に降り続く陰鬱な

霖雨のことで、卯の花を腐らせるという意味合いがある。

五月雨の別称でもある。

今年は梅雨入りが早く(この地は21日も早い)本来なら

丁度今頃に降り続いて居るのが「卯の花腐し」で在ろう。

 

今朝(5月19日)の中日新聞コラム欄「中日春秋」に、

「卯の花腐し」の記述が在ったので紹介したい。

『卯の花腐しは、古くから季節ごとにある多彩な雨の呼び

名の一つである。春の雨と梅雨の間に卯の花を腐らせる様

に降り続けるという、この時節の雨だろう。

詩歌にも詠まれてきた。

さす傘も卯の花腐しもちおもり : 久保田万太郎

傘を持つ手にじわりと伝わる重みが、緑豊かな季節に漂う

少々気の滅入る雰囲気を伝える。

今年はそんな季節の情緒をとばし、梅雨がやってきた様で

ある。 北陸、関東甲信などは未だの様だが、東海地方迄

梅雨入りした。 東海は平年より21日も早い。

各地で記録的な早さである。九州では既に災害に気を付け

なければならない程、強く雨が降っている。本格的な雨の

季節の訪れが急ではないか。 走り梅雨や迎え梅雨、戻り

梅雨等と梅雨にも昔の人が呼び習わした段階が在ったはず

であるが、今年はどうなのか。少なすぎても困る夏の雨で

ある。 高齢者のワクチン接種を思えば、この夏ばかりは

とくに優しくとも願わずにいられない。

雨の中予約を取るために、掛かりつけの病院などを往復す

る方の話も聞く。 上手く予約出来ればいいが。

「避難勧告」が廃止され「避難指示」一本になって最初の

梅雨期ともいう。季節の情緒はともかく、災害への緊張感

を持たなければならない季節の始まりでもある。

梅雨入りが早いからといって、明けるのが早いとも限らな

いそうだ。(中日新聞朝刊コラム:中日春秋より引用した)

 

今日の1句

コロナ過の卯の花腐し意に染まぬ    ヤギ爺