遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

八十八夜

2021-05-01 16:02:21 | 日記

令和3年5月1日(土)

八十八夜

立春から数えて八十八日目、今年は5月1日にあたる。

野菜の苗はようやく成長し、茶摘みが最盛期を迎えて、

農家は忙しくなる。

「八十八夜の別れ霜」と言われる様に、この頃はまた、

終り霜の時期でもある。

茶葉には、霜は大敵で「霜くすべ」といって藁屑等を

夜半から明け方まで焚いて防霜に努めた。近年では

「防霜ファン」(扇風機のようなもの)を取り付け

茶ぼ新芽を守っている。

茶摘みは八十八夜から約3週間くらいが最盛期となる。

最初に摘まれる一番茶、続いて二番茶、三番茶を摘み

時には四番茶を摘む所もあるようだ。

京都の宇治では陰暦の三月一日から三日頃に茶摘みを

始めるのが習いで、それを「手始」といった。

茶摘みは女性が多く「茶摘女」と呼んだ。指に絆創膏

を巻いて摘み採る早業は芸を見る様である。

過って、茶摘女は茜襷(あかねだすき)に赤前垂れ、

紺の着物にもんぺを履き、手甲に脚絆、姉さん被りと

いう出立であった。(今ではその姿は観光用である)

亦、手で摘むのは抹茶用や高級煎茶等で、他のものは

機械で摘み採っているようだ。

 

茶摘み

日本の唱歌に「茶摘み」があるが、「摘む」という漢

字は小学校では教えられぬので「茶つみ」である。

初夏に見られる茶摘みの光景を表した「茶つみ」は

1912年(明治45年)に尋常小学校唱歌として

記載された。

この歌は、ちいさい子供が二人向き合い「せっせっ

せーのよいよいよい」で始まる「手遊び」の歌とし

て広まった。この動作が茶葉を摘む手付きを真似た

とされている。

茶つみ (日本のわらべ歌)

作者(作詞、作曲)共に不祥

1)夏も近づく八十八夜

  野にも山にも若葉が茂る

  あれに見えるは茶つみじゃないか

  あかねたすきに菅(すげ)の笠

2)日和(ひより)続きの今日このごろを

  心のどかに摘みつつ歌う

  摘めよ摘め摘め 摘まねばならぬ

  摘まにゃ日本の茶にならぬ

 

今日の1句(俳人の名句)

霜害を恐れ八十八夜待つ    高濱 虚子