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遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

年用意

2021-12-29 16:50:03 | 日記

令和3年12月29日(水)

年用意 : 春支度

新年を迎えるためにいろいろ支度を整えること。

家の中の掃除、畳み替え(今は皆無)、障子貼、外回り繕い、

正月の買い物、松飾りや注連縄の手配、年木取り(新春用に

年末に薪を準備する事)、晴れ着縫い等がそれにあたる。

 

古い書物等を整理していると、カミさんから声がかかる。

「買物に出掛けるので、一緒に出掛けない?」珍しく、、

何のことはない、荷物持ちの誘いで在ろう。

否応なしにご同伴、、、久方に大須商店街へでかける。

毎年この時期(28日)に大須観音で開かれる「骨董市」

は今年は中止となった。

それでも境内には結構な人出がある。

商店街に入ると大層な賑わいをみせて、行き交う人は皆

マスクをしている。 日本人は皆礼儀正しく必ず皆さん

外出時はマスクをしている。(マスクは日本の文化)

ワクチン接種も必要であるが、欧米等では皆マスクを

嫌がり、人混みの多い劇場、スタジアムやパーティ会場

果ては居酒屋等でも皆混雑で蜜の中、マスク無しで大声

で絶叫、会食している、、この光景を目にすると感染の

防止は出来ず、パンデミックは止むを得ない、、、、

大統領や首相等の政府関係者が宣言しても無視される。

日本と欧米(韓国、ロシア等も)との違いはマスク。

 

大手スーパーへ立ち寄り、食料売り場へ、、、、

正月用のお節を始め、海産物、肉等、、人出の多さに

驚く、、、、

かまぼこ、出し巻、カニ等を買い求め、、、

刺身やお節(小ぶりのもの)は31日に届く予定とか。

何やかやそれでも両手に一杯ぶら下げて、辺りを見回せ

ば、皆同じような姿でいらっしゃる、、、、、。

 

今日の1句

人混みの中妻逞しき年用意   ヤギ爺


息白し

2021-12-28 16:57:00 | 日記

令和3年12月28日(火)

息白し : 白 息

冬は空気が冷たいので吐く息が白く見える。

気温や天候に依ってはっきり見える時とそうでない時が在る。

犬や馬、時に寒冷地の丹頂鶴なども吐く息は白い。

真冬のこの時期、一歩外に出た途端に吐く息はまっ白い。

道行く人々の息が白く光る様に靡いて見える。

此の処に厳しい寒さを実感する。悴んだ手に白い息を吹きかけ

手を擦り合わせる。

厳しい寒気の中で息づいている温かな体温を改めて確かめられ

る瞬間である。

最近では「白息」という使いかたも見られるが、元来は大気が

冷えて息が急速に細かい水滴となって白く見える現象そのもの

を表す季語であると言われる。

コロナ過の中に在って、道行く人々の殆どがマスク付けて居り、

私の様に眼鏡をかけている人は、寒気に当たると直ぐに眼鏡が

曇ってしまう。其のたびに眼鏡を外し拭き取らねばならない。

曇り止めもあるが、忘れる事の方が多い。

逆に、出先から暖かいラーメン屋等でもこの現象に出くわす。

この一瞬、洩れ来る息の白さを感じ、あらためて外気の寒さに

震えて居る、、、、、。

 

今日の1句(俳人の名句)

白息のつづくかぎりの生身かな   渡辺 恭子


藪柑子

2021-12-19 16:48:18 | 日記

令和3年12月19日(日)

藪柑子 : 深見草

山林の湿地などに自生するヤブコウジ科の常緑小低木。

地下茎を伸ばして繫殖し、茎は直立して殆ど枝別れせず

高さは10~20cm。

光沢のある厚みのある長楕円形の葉は互生し、茎の

上部に1,2層の輪生状に付く。

夏に、茎の間に白い小さな花を付ける。

冬、光沢のある葉の間から真っ赤に熟した丸い実が覗く。

観賞用として庭や盆栽、鉢植え等として育てられる。

藪柑子は慶事や縁起物として用いられ、特に新年の飾り

には、「仙寥」(千両)や万両と伴に無くてはならない

ものである。

また、冬季の花材としても多くに重用されている。

古来から、赤い実を付けた植物は縁起物としてお正月飾

りに使用され、万両、千両、百両、拾両等と言われる。

万両は葉の下側に実を付け、鳥に実を食べられないので

多く実が在る。高さ1m位でクササンゴという。

千両は葉の上に実が付き、鳥に食べられ易い。温暖な

地域に多く分布する。高さ50cm、クササンゴという。

百両は、江戸時代たちばな」といわれとても高価な物と

して「百料金」と呼ばれた。1m、カラタチバナという。

十両は古くはヤマタチバナといわれ、近代にヤブコウジ

と呼ばれるようになった。

一両は、腋に長く鋭い棘があるが手軽(安価)に正月用

として用いられた。アリドオシ(有り通し)と言われた。

千両、万両のお金持ちでもこの有り通しがないとどうにも

ならぬと「千両、万両,有り通し」と囃されたようである。

 

寒さが厳しい今朝、散策に出掛ける。(気温は8℃)

先日、落語会が催された寺の前を通り、何気なく境内を

覗いて見ると、日陰の片隅に小さな赤い実を付けた植木

を見つけた。藪柑子で、ひっそりと日陰がよく似合う。

 

今日の1句

檀家寺訪ふ人なく藪柑子   ヤギ爺


海老芋

2021-12-13 16:22:01 | 日記

令和3年12月13日(月)

海老芋 : 蝦 芋

サトイモ属ヤマサトイモの変種で、里芋の一種。

親芋の発達した筍芋や八頭に比べ、親芋と子芋を食べるのが

赤芽とこの海老芋である。

土寄せ等の独特の栽培を施して、形状は湾曲し皮の表面には

横縞があり、これが海老の様であることからこの名が在る。

この芋の収穫期は12月から翌年の2月頃が旬となる。

頭が太く根元が細く曲り海老に似て、肉質はねっとりとして

白く柔らかく甘味がある。

京都市東寺付近の特産の里芋の一種で、京野菜として知られ

る根菜だが、大阪府の富田林市、兵庫県の姫路市や徳島県、

高知県等でも栽培されている。

昭和の始め(昭和2年)に静岡県の磐田市、天竜川東岸でも

栽培が始められ、今では日本一の収穫量を誇る産地となった。

最近では高齢化が進み、その生産量が減産している。

 

京都の丸山公園内に、今日の名物料理の「いもぼう平野本家」

が在る。

以前、丸山公園の枝垂れ桜を見に出かけた折り、直ぐ傍に在

る老舗の小料理屋の前に10人程が並んでいた。

昼食時、そそられる様に列の後に、、、、、。

「いもぼう」はこの時初めて口にした食べ物。

海老芋と乾した鱈を煮込んだもので、素朴ながら深い味わい、

柔らかくねっとりとした芋と鱈のハーモニーは絶妙で、ゆっく

りと堪能した。

「いもぼう」は京野菜の海老芋と北海道産の棒鱈を焚き合わせ

た料理で、海老芋と一週間余りかけて柔らかくした棒鱈を丸一

昼夜かけて焚き上げる。

棒鱈の膠質(にかわしつ)が海老芋の煮崩れを防ぎ、海老芋の

灰汁が棒鱈を柔らかくするといわれる。

その後、何度も京都を訪れる際には必ず立寄る様になった。

 

今日の1句

遥遥と海老芋の椀求め来る   ヤギ爺

※ 遥遥、はろばろ、時間や距離が離れた様


寒牡丹

2021-12-10 15:34:24 | 日記

令和3年12月10日(金)

寒牡丹 : 冬牡丹

厳冬に花を咲かせて観賞する牡丹。藁苞に入っている。

※ 藁苞(わらづと)は、藁で編んで作った苞のこと

 

花は直径10cmほどで、二期咲き性の牡丹の一変種。

ぼたんの変種で冬咲きにするために、夏咲きの花芽を

摘除する。

花期は12月から1月の末頃までが見頃となる。

花はやや小ぶりで、厳冬に咲くので藁苞をかけ、根元

にも藁を敷いて労わってやる。

寒気にもめげず咲く牡丹の花は健気で美しい。

 

名古屋の徳川園には、牡丹園がある。

園の北側(大曾根口)から入園すると直ぐ右手に牡丹園が

あり、目の前の池(龍仙湖)を見下ろすように高台となる。

ここには、凡そ20品種、1000株が育てられている。

寒牡丹は藁苞の中で、まるで城の姫君のようにぬくぬくと

育てられている。

これから1月末頃までの間、見頃を迎えている、、、、。

 

今日の1句

藁苞の箱入り娘寒牡丹   ヤギ爺