リハビの老いや看返る残り鴨
リビリの おいやみかえる のこりがも
近くの別府沼公園に住みついた鴨一族。人影少なき時はジョギングコースを散歩する。時にはリハビリの老夫婦を先導するかに先を行く。大相撲夏場所は稀勢の里の優勝期待がが夏の夢に終わり、千秋楽を待たずして白鵬の記録更新に終わった。
二人居に初花きそふ茄子4本
ふたりゐに はつばなきそふ なすしほん
老いの二人には茄子も2本植えれば間に合う。だから、食べ時をずらして植えた後植えの2本の茄子が先植えの2本と同日に花を付け始めた。オヤ1オヤ!
生命線駈ける4個や蛇苺
せいめいせん かけるよんこや へびいちご
厨房前の小道の雑草はこまめに引いてやる。しかし、郷愁を誘う蛇苺は温存する。今年も実をつけ出した。しゃがみ込んで幾つかを掌に乗せ転がしてやる。時には己の力で這い登るかの錯覚を覚える。年寄る程に山野を駆け回った昔が蘇る。
藤房や撮り手を拝む修行僧
ふじふさや とりてをおがむ しゅぎょうそう
藤の見事な咲ぶりも峠を越した。今の時期は雨・晴の天気差や朝・昼・夜の気温差に心していないと忽ち体調を壊してしまう。辛うじて健康を装うている私がそうである。運動過多、不適な着替えと睡眠不足で1日を寝込んでしまった。
五月雨や人間ドッグ出でし吾に
さみだれや にんげんどっぐ いでしわに
夜来の夏の雨が小降りに変る頃に終った健康診断。今年は「人間ドック」を受けてみた。結果は後日でないと判らないが、半日がかりの長時間検査にホット一息だ。メモ:今日は薬物事件の清原被告の初公判日。再生あれ!
観覧車の老いし二人や夏きざす
かんらんしゃの おいにえんきん なつきざす
遊楽地の混雑が一段落して五月の空になると決まって老妻と躑躅公園に行く。ひと歩きするとすぐに観覧車に乗る。夏の気配一杯の視界は日記句の種が溢れている。12年目に入った「日記句ブログ」申年7巡も12年目。まだ余生のカバンに余裕がありそうだ。
舎利佛てふ表札かぶる薔薇の門
とどろきてふ ひょうさつかぶる ばらのもん
2巡目のオープンガーデンデイ。本命は今が観時の薔薇。邸内の薔薇もさることながら垣根薔薇は手入れ時の変化も楽しめる。マニアは舎利佛の表札をトドロキさんと読むことを心得ている。隅々まで拝見できるので欠かせぬ1軒である。
筍旬や先ずは掘立て喰ふてから
じゅんしゅんや まずはほりたて くふてから
掘り立ての筍がスーパーで売られる季節になった。早い程渋味がカットされるから手際よい食べ方が良い。その極みは”掘ったらその場で多めに皮を剝きながらしゃぶれ”と。そんな貴重な体験をした事を繰り返し思う季節である。渋甘だった。