保坂 渉 池谷孝司 新潮文庫
子どもたちは学校が始まり、お母さんたちはほっとしていることでしょう。
しかし、9月1日は子どもの自殺が一番多い日だといわれています。
学校という限られた場所は、子どもらの居場所であるとともに、苦しみの場所になる子どもがいるという事実を忘れてはなりません。
いじめは一般の大人の目にはつきません。
現場にいたときは、教師として精一杯配慮したつもりでも、どうしようもない無力感を感じたこともありました。
学校だけでは分からない家庭の事情、子どもたちの本音など、深く深く追求し、救いの手をさしのべるには、あまりにも無力なのです。
社会問題になっている子どもの貧困、まったく傍目には分かりません。
えつ、こんなに何でも食べるものがあるのに?
でも、この本を読んで、奨学金のこと、給食費のこと、リストラ、非正規雇用のこと、DV、ネグレクト、虐待のこと、発達障害のこと、
すべてが関連し合って子どもの貧困に関わっているんだということが分かります。
高校生がいくつものバイトをかけ持ちし、食べるものも満足に食べられない実態があるとは正直知りませんでした。
小学生の頃から貧困の中で育ち、とうぜんいじめの対象になって学校生活を送る。
信じられないような貧困が、現実にあるのだということをまずは知るべきです。
このルポルタージュは、教師や貧困なんてないと思っている人たちに読んで欲しい。
貧困の連鎖を断ち切るために何ができるか、難しい問題です。
願うのは、すべての子どもたちが安心して心豊かな子ども時代をおくってほしい、ただそれだけです。
小学校は給食がありません。なぜなら給食費を親が
払わないからです。貧困家庭とは見えない暮らしで
一家は車も数台持ち派手な暮らしです。 学校側は
払わないから〇〇君の給食は出しません とは言えず
そんな人が増えると県や市は学校運営が出来なくなります。
中学校へ入ったらお弁当が普通ですが小学校6年間も
お弁当という そんな市があります。うちの子はお昼は
食べませんと親は言うらしいですが 育ち盛りにそんな
はずはなく貧困ではないのに あまりに勝手な親の
言い分に腹が立ちます。
腹が立ちます。
ほんとうに貧困な家庭の子は、分かっています。
お弁当だと、トイレで食べたり、家のお金を持ち出して
みんなと同じ程度の弁当を買ったて無理をするそうです。
鬱屈した心をいだいたまま成長し、またもや社会に受け入れられない人間になってしまうのは大問題です。
親の意識改革とともに、社会のセーフティーネットを作っていかないといけないと思います。
ああ、でもそういう自分には何もできないし、
自分ちはいいや、関係ないやという自分がいるのも事実です。
小さな小さな人間です。