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のり巻き のりのり

飾り巻き寿司や料理、己書、読書など日々のあれこれを書いています



言葉の贈り物

2017年12月24日 | 随想
昨日のことです。

ミニオンズ、みんなが作り終えたので、おおまかな片付けをし終了のあいさつをしました。
みなさん、ご苦労様でした。

私は保護者や子ども達からの、ありがとうございました、さようならのあいさつを受け、笑顔で送り出しました。
やれやれです。

でもまだ残っている片付けをしなければなりません。
片付けをしていると10分ほどして、さっき送り出した1組の親子がまた部屋へ戻ってきました。

6歳の女の子と若い父親です。
「忘れ物ですか?」と聞くと「ええ。物ではないんですけど・・」と父親が言います。

「?」「この子が、先生に『ありがとう』を言い忘れたようで。」
「まあ、それで戻っていらしたんですか。」

父親は「さあ、今からでも言っていいんだよ。」と女の子に声をかけています。
女の子はもじもじしていましたが、私が腰をかがめると、私の顔を見て恥ずかしそうに「ありとうございました」と言いました。

「わざわざお礼を言いに戻ってきて来てくれて、こちらこそありがとう。よい子ね。きっとクリスマスやお正月に楽しいことがありますよ。」と私。
すっきりしたのか、女の子と父親は足取り軽く帰って行きました。

はて、父親が言わしめたものか、子どもの発露によるものか、忖度するほかないのですが、心が温かくなりました。

何よりも若い父親の態度に感心しました。
わざわざ言い忘れた「ありがとうございました」を言わせるために戻ってくるのですから。

一期一会の相手にもかかわらず、子どものためにとった行動はすがすがしいものでした。

私は技術を教え、小さなかまぼこ一片を与えただけです。
しかし「ありがとう」の言葉が大きな大きなプレゼントとなって返ってきました。