先回東京に行った時のことです。
都心のある駅に着いたとき、ちょうどお昼時でした。
昼食をとろうとしましたが、どの店もいっぱいで座ることができません。
用事があり時間が迫っていたので、通りすがりにあった「吉野屋」へ入ることにしました。
「早い・安い」の吉野屋は一人で入ったことはありません。夫が「ここにしよう」というので入ったのです。
子ども連れやお一人様の女性がけっこういて、賑わっていました。
カウンターに着き、牛丼セットを頼むとすぐに運ばれてきました。
これならすぐに昼食が終わるわね、と食べながら顔を上げると、向かいのカウンターに座っている一人の外国人女性が目に入りました。
たまたま視野に入っただけなのですが、背の高い、若き金髪碧眼のお一人様外国人女性ときて、10秒ほど見つめ観察をした次第です。
すると、金髪碧眼は従業員に日本語で「オカワリ」と言いました。
従業員の若い女の子は、ジョッキの生ビールを金髪碧眼の前に置きました。
「オカワリ」の声を聞いたとたん、失礼ながらさらに20秒ほど見つめてしまいました。
金髪碧眼はビールを少し飲み、やがてハンカチを取り出して泣き始めたのです!
声は出さず何度も目にハンカチを当て忍び泣きをしているではありませんか!
ここへ来て私は夫を肘でつつき「ねえ、見て、あの人泣いてるよ」と教えました。
「そんなにじろじろ見るんじゃない」と叱られましたが、好奇心の強い私は目を離すことができません。
牛丼をゆっくり食べながら、不謹慎ですが上目使いにさらに30秒観察延長です。
見ると彼女のカウンターには空になった牛丼の器と、ジョッキが2つ
やがて金髪碧眼は携帯で何やら話し始めました。
「×××××××××アイシテル××××××××××××××××××アイシテル××××××××××××××××××・・・」
泣きながらの電話「アイシテル」の日本語だけが分かります。
相手は日本人男性でしょうか。どんな事情があったか分かりませんが、見ていて切なくなってきました。
延々と話し続けているのを上目使いで見ていましたが、牛丼がすっかり空になったので仕方なく私たちは店を出ました。
その場所から近いところでの用事を済ませ、約2時間後に再び同じ「吉野屋」の前を通りました。
何と、あの女性がまだ同じ場所に座っているではありませんか! 驚きました。
「早い・安い」のキャッチフレーズは知らないとしても、2時間以上も何をしていたのでしょうか。
異国の地で何を思っていたのでしょうか。
従業員はどのような対応をしたのでしょうか。
外国人女性が牛丼屋で長居をし、恋の悲嘆に暮れる姿が印象的で忘れることができません。
人それぞれにいろんな人生があるものだと思いました。
もし、私に鋭い観察眼、豊かな想像力、すぐれた文才があったなら、この1シーンをネタに小説が書けるかもしれません。
金髪碧眼女性と牛丼の吉野屋、その後どうなったか、皆様いろいろと想像してみてくださいませ。
牛丼をしっかり食べて店を出ることができたなら、きっと新しい一歩を踏み出すことができるはずです。
都心のある駅に着いたとき、ちょうどお昼時でした。
昼食をとろうとしましたが、どの店もいっぱいで座ることができません。
用事があり時間が迫っていたので、通りすがりにあった「吉野屋」へ入ることにしました。
「早い・安い」の吉野屋は一人で入ったことはありません。夫が「ここにしよう」というので入ったのです。
子ども連れやお一人様の女性がけっこういて、賑わっていました。
カウンターに着き、牛丼セットを頼むとすぐに運ばれてきました。
これならすぐに昼食が終わるわね、と食べながら顔を上げると、向かいのカウンターに座っている一人の外国人女性が目に入りました。
たまたま視野に入っただけなのですが、背の高い、若き金髪碧眼のお一人様外国人女性ときて、10秒ほど見つめ観察をした次第です。
すると、金髪碧眼は従業員に日本語で「オカワリ」と言いました。
従業員の若い女の子は、ジョッキの生ビールを金髪碧眼の前に置きました。
「オカワリ」の声を聞いたとたん、失礼ながらさらに20秒ほど見つめてしまいました。
金髪碧眼はビールを少し飲み、やがてハンカチを取り出して泣き始めたのです!
声は出さず何度も目にハンカチを当て忍び泣きをしているではありませんか!
ここへ来て私は夫を肘でつつき「ねえ、見て、あの人泣いてるよ」と教えました。
「そんなにじろじろ見るんじゃない」と叱られましたが、好奇心の強い私は目を離すことができません。
牛丼をゆっくり食べながら、不謹慎ですが上目使いにさらに30秒観察延長です。
見ると彼女のカウンターには空になった牛丼の器と、ジョッキが2つ
やがて金髪碧眼は携帯で何やら話し始めました。
「×××××××××アイシテル××××××××××××××××××アイシテル××××××××××××××××××・・・」
泣きながらの電話「アイシテル」の日本語だけが分かります。
相手は日本人男性でしょうか。どんな事情があったか分かりませんが、見ていて切なくなってきました。
延々と話し続けているのを上目使いで見ていましたが、牛丼がすっかり空になったので仕方なく私たちは店を出ました。
その場所から近いところでの用事を済ませ、約2時間後に再び同じ「吉野屋」の前を通りました。
何と、あの女性がまだ同じ場所に座っているではありませんか! 驚きました。
「早い・安い」のキャッチフレーズは知らないとしても、2時間以上も何をしていたのでしょうか。
異国の地で何を思っていたのでしょうか。
従業員はどのような対応をしたのでしょうか。
外国人女性が牛丼屋で長居をし、恋の悲嘆に暮れる姿が印象的で忘れることができません。
人それぞれにいろんな人生があるものだと思いました。
もし、私に鋭い観察眼、豊かな想像力、すぐれた文才があったなら、この1シーンをネタに小説が書けるかもしれません。
金髪碧眼女性と牛丼の吉野屋、その後どうなったか、皆様いろいろと想像してみてくださいませ。
牛丼をしっかり食べて店を出ることができたなら、きっと新しい一歩を踏み出すことができるはずです。