たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

自助努力

2007-10-04 09:31:32 | Weblog
「働けど働けどわが暮らし楽にならざる じっと手を見る」有名な詩だ。作者はじっと手を見ながら何を考えたのだろう。自分の能力のなさ、不甲斐なさを嘆いたのか。それとも自覚が足りず、うまく社会の波に乗れなかったことを悔やんだのか。そうではなく自分がこうした状況に陥っているのは国の政策が誤っているからだ。いわば国の責任なのだと思ったのか。
 現在ワーキングプアーが社会問題として大きく取り上げられている。低賃金で、働いても働いても一向に貧困から抜け出すことができない階層が増えている。以前、労働者の派遣制度もない頃、生活給中心の年功序列型賃金制度の下で長期勤続の雑役作業員の給料が有能な技術者の給料より多いといわれた時代があった。しかし現在ではそんな企業は一瞬にして潰れてしまうだろう。経済のグローバル化により、賃金が発展途上国も含めた世界的水準で考慮されるようになった。生産性に対する寄与の度合いによって賃金は大きく差が出るようになった。貢献度の低い仕事に従事している労働者は低い賃金しか払われない。
 現在の社会においては一度チャレンジに失敗するとなかなか浮かび上がれない傾向がある。また自分を企業に売り込む際もそれなりのセールスポイントがないと難しい。そんなことから政府は再チャレンジ支援、セイフティネットなどの政策を打ち出そうとしている。しかし自助努力に対する反省もなく、ただ社会が悪い、政府が何もしてくれないなどと言っていては本当の解決にはならない。


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