山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

障がいの特性に応じた「学習機会や体験の確保」

2013年04月23日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 今までの紹介から通算すると第28回目となる。

 別表4では、障がいの特性に応じた「学習機会や体験の確保」について、次のように述べている。
 病弱といったことで、入退院を繰り返している場合、学習の機会が得られず学習空白が生ずる。それに伴い、著しい経験不足となったりする。
 こうしたことに配慮する対応が必要となる。
 そうしたことの指摘が次になされている。
 
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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表4

○1-2-2 学習機会や体験の確保

 治療のため学習空白が生じることや
 障害の状態により経験が不足することに対し、
 学習機会や体験を確保する方法を工夫する。
 また、感覚と体験を総合的に活用できる学習活動を通じて概念形成を促進する。
 さらに、入学試験やその他の試験において配慮する。

視覚障害

 見えにくさからの概念形成の難しさを補うために、
 実物や模型に触る等能動的な学習活動を多く設ける。
 また、気付きにくい事柄や理解しにくい事柄
 (遠かったり大きかったりして触れないもの、動くものとその動き方等)
 の状況を説明する。
 さらに、学習の予定を事前に知らせ、
 学習の過程や状況をその都度説明することで、
 主体的に状況の判断ができるように指導を行う。

聴覚障害

 言語経験が少ないことによる、
 体験と言葉の結び付きの弱さを補うための指導を行う。
 (話合いの内容を確認するため書いて提示し読ませる、
 慣用句等言葉の表記と意味が異なる言葉の指導等)
 また、日常生活で必要とされる様々なルールや常識等の理解、
 あるいはそれに基づいた行動が困難な場合があるので、
 実際の場面を想定し、行動の在り方を考えさせる。

知的障害

 知的発達の遅れにより、
 実際的な生活に役立つ技術や態度の習得が困難であることから、
 調理実習や宿泊学習等の具体的な活動場面において、
 生活力が向上するように指導するとともに、
 学習活動が円滑に進むように、
 図や写真を活用した日課表や活動予定表等を活用し、
 自主的に判断し見通しをもって活動できるように指導を行う。

肢体不自由

 経験の不足から理解しにくいことや
 移動の困難さから参加が難しい活動については、
 一緒に参加することができる手段等を講じる。
 (新しい単元に入る前に新出の語句や
 未経験と思われる活動のリストを示し予習できるようにする、
 車いす使用の子どもが栽培活動に参加できるよう高い位置に花壇を作る 等)

病弱

 入院時の教育の機会や短期間で入退院を繰り返す
 児童生徒の教育の機会を確保する。
 その際、体験的な活動を通して概念形成を図るなど、
 入院による日常生活や集団活動等の体験不足を補うことができるように指導する。
 (視聴覚教材等の活用、
 ビニール手袋を着用して物に直接触れるなど感染症対策を考慮した指導、
 テレビ会議システム等を活用した遠隔地の友達と協働した取組 等)

【引用終わり】

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 知的障がいのある子どもにとって、実際の生活の習得が大切である。
 具体的で体験的な学習活動を構成することにより、生活自立をめざすこととなる。
 (ケー)

発達障がい等に対する情報保障

2013年04月22日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 今までの紹介から通算すると第27回目となる。

 別表3では、障がいの特性に応じた「情報・コミュニケーション及び教材の配慮」について、次のように述べている。
 特に、発達障がいのある子どもに対してどのような配慮が必要かである。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表3

○1-2-1 情報・コミュニケーション及び教材の配慮

 障害の状態等に応じた情報保障や
 コミュニケーションの方法について配慮するとともに、
 教材(ICT及び補助用具を含む)の活用について配慮する。

言語障害

 発音が不明瞭な場合には、代替手段によるコミュニケーションを行う。
 (筆談、ICT機器の活用等)

自閉症・情緒障害

 自閉症の特性を考慮し、視覚を活用した情報を提供する。
 (写真や図面、模型、実物等の活用)
 また、細かな制作等に苦手さが目立つ場合が多いことから、
 扱いやすい道具を用意したり、補助具を効果的に利用したりする。

学習障害

 読み書きに時間がかかる場合、本人の能力に合わせた情報を提供する。
 (文章を読みやすくするために体裁を変える、拡大文字を用いた資料、
 振り仮名をつける、音声やコンピュータの読み上げ、聴覚情報を併用して伝える 等)

注意欠陥多動性障害

 聞き逃しや見逃し、書類の紛失等が多い場合には伝達する情報を整理して提供する。  (掲示物の整理整頓・精選、目を合わせての指示、
 メモ等の視覚情報の活用、静かで集中できる環境づくり 等)

重複障害

 (視覚障害と聴覚障害)障害の重複の状態と
 学習の状況に応じた適切なコミュニケーション手段を選択するとともに、
 必要に応じて状況説明を含めた情報提供を行う。
 (補聴器、弱視レンズ、拡大文字、簡単な手話の効果的な活用 等)

【引用終わり】

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 障がいの特性に応じた情報提供によって、学習・生活が進展する。
 混乱を来していた生活を、安定的なものにすることができる。
 学習のつまずきを段階的に解消する方向へもっていける。
 そして、自分の得意を伸ばす。
 障がいの特性に合った配慮について、広く理解してもらう。
 (ケー)

情報・コミュニケーション及び教材の配慮

2013年04月21日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 今までの紹介から通算すると第26回目となる。

 別表3では、障がいの特性に応じた「情報・コミュニケーション及び教材の配慮」について、次のように述べている。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表3

○1-2-1 情報・コミュニケーション及び教材の配慮

 障害の状態等に応じた情報保障や
 コミュニケーションの方法について配慮するとともに、
 教材(ICT及び補助用具を含む)の活用について配慮する。

視覚障害

 見えにくさに応じた教材及び情報の提供を行う。
 (聞くことで内容が理解できる説明や資料、拡大コピー、
 拡大文字を用いた資料、触ることができないもの
 (遠くのものや動きの速いもの等)を確認できる模型や写真 等)
 また、視覚障害を補う視覚補助具やICTを活用した情報の保障を図る。
 (画面拡大や色の調整、読み上げソフトウェア 等)

聴覚障害

 聞こえにくさに応じた視覚的な情報の提供を行う。
 (分かりやすい板書、教科書の音読箇所の位置の明示、
 要点を視覚的な情報で提示、身振り、簡単な手話等の使用 等)
 また、聞こえにくさに応じた聴覚的な情報・環境の提供を図る。
 (座席の位置、話者の音量調整、机・椅子の脚のノイズ軽減対策
 (使用済みテニスボールの利用等)、防音環境のある指導室、
 必要に応じてFM式補聴器等の使用 等)

知的障害

 知的発達の遅れに応じた分かりやすい指示や教材・教具を提供する。
 (文字の拡大や読み仮名の付加、話し方の工夫、文の長さの調整、
 具体的な用語の使用、動作化や視覚化の活用、
 数量等の理解を促すための絵カードや文字カード、数え棒、パソコンの活用 等)

肢体不自由

 書字や計算が困難な子どもに対し上肢の機能に応じた教材や機器を提供する。
 (書字の能力に応じたプリント、計算ドリルの学習にパソコンを使用、
 話し言葉が不自由な子どもにはコミュニケーションを支援する機器
 (文字盤や音声出力型の機器等)の活用 等)

病弱

 病気のため移動範囲や活動量が制限されている場合に、
 ICT等を活用し、間接的な体験や他の人とのコミュニケーションの機会を提供する。
 (友達との手紙やメールの交換、
 テレビ会議システム等を活用したリアルタイムのコミュニケーション、
 インターネット等を活用した疑似体験 等)

【引用終わり】

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 障がいのある子どもたちは、円滑にコミュニケーションをとるのが難しい。
 それを補う工夫と配慮が必要である。
 より良いコミュニケーションを図ることで、障がいのある子も、障がいのない子も、安定した関係づくりが可能となる。
 より良い信頼関係を築くことになる。
 (ケー)

障がいに応じた学習活動内容の配慮

2013年04月20日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 今までの紹介から通算すると第25回目となる。

 別表2では、障がいの特性に応じた「学習内容の変更・調整」についてである。
 それが、次の内容。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表2

○1-1-2 学習内容の変更・調整

 認知の特性、身体の動き等に応じて、
 具体の学習活動の内容や量、評価の方法等を工夫する。
 障害の状態、発達の段階、年齢等を考慮しつつ、
 卒業後の生活や進路を見据えた学習内容を考慮するとともに、
 学習過程において人間関係を広げることや自己選択・自己判断の機会を
 増やすこと等に留意する。

言語障害

発音のしにくさ等を考慮した学習内容の変更・調整を行う。
 (教科書の音読や音楽の合唱等における個別的な指導、
 書くことによる代替、構音指導を意識した教科指導 等)

自閉症・情緒障害

 自閉症の特性により、数量や言葉等の理解が部分的であったり、
 偏っていたりする場合の学習内容の変更・調整を行う。
 (理解の程度を考慮した基礎的・基本的な内容の確実な習得、
 社会適応に必要な技術や態度を身に付けること 等)

学習障害

 「読む」「書く」等特定の学習内容の習得が難しいので、
 基礎的な内容の習得を確実にすることを重視した学習内容の変更・調整を行う。
 (習熟のための時間を別に設定、軽重をつけた学習内容の配分 等)

注意欠陥多動性障害

 注意の集中を持続することが苦手であることを考慮した
 学習内容の変更・調整を行う。
 (学習内容を分割して適切な量にする 等)

【引用終わり】

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 発達障がい等の特性に応じて、学習の質・量を調整する必要がある。
 それには、基礎・基本的な内容について個別指導も取り入れながら、スモールステップによる内容調整に配慮することである。
 (ケー)

障がいの特性に応じて学習内容の変更・調整

2013年04月19日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 
 今までの紹介から通算すると第24回目となる。
 別表1「学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮」を2回にわたって紹介した。
 別表2では、「学習内容の変更・調整」についてである。
 それが、次の内容。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表2

○1-1-2 学習内容の変更・調整

 認知の特性、身体の動き等に応じて、
 具体の学習活動の内容や量、評価の方法等を工夫する。
 障害の状態、発達の段階、年齢等を考慮しつつ、
 卒業後の生活や進路を見据えた学習内容を考慮するとともに、
 学習過程において人間関係を広げることや自己選択・自己判断の機会を
 増やすこと等に留意する。

視覚障害

視覚による情報が受容しにくいことを考慮した学習内容の変更・調整を行う。
 (状況等の丁寧な説明、複雑な図の理解や読むことに
 時間がかかること等を踏まえた時間延長、観察では
 必要に応じて近づくことや触感覚の併用、体育等における安全確保 等)

聴覚障害

音声による情報が受容しにくいことを考慮した学習内容の変更・調整を行う。
 (外国語のヒアリング等における音質・音量調整、
 学習室の変更、文字による代替問題の用意、
 球技等運動競技における音による合図を視覚的に表示 等)

知的障害

 知的発達の遅れにより、全般的に学習内容の習得が困難な場合があることから、
 理解の程度に応じた学習内容の変更・調整を行う。
 (焦点化を図ること、基礎的・基本的な学習内容を重視すること、
 生活上必要な言葉等の意味を確実に理解できるようにすること 等)

肢体不自由

 上肢の不自由により時間がかかることや
 活動が困難な場合の学習内容の変更・調整を行う。
 (書く時間の延長、書いたり計算したりする量の軽減、
 体育等での運動の内容を変更 等)

病弱

 病気により実施が困難な学習内容等について、
 主治医からの指導・助言や学校生活管理指導表に基づいた変更・調整を行う。
 (習熟度に応じた教材の準備、実技を実施可能なものに変更、
 入院等による学習空白を考慮した学習内容に変更・調整、
 アレルギー等のために使用できない材料を別の材料に変更 等)

【引用終わり】

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 以上、障がいの特性に応じた学びは、時間をかけ手をかけ具体的な内容を提示していくことである。
 いかに実情を理解して、ペースにあった学習内容を工夫することができるか。
 学習意欲が高まる組み立てを常に心がけて欲しいものだ。
 (ケー)

発達障がいのある人の困難を改善・克服するための配慮

2013年04月18日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 
 今までの紹介から通算すると第23回目となる。

 発達障がい等にかかる「学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮」は次のとおり。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

○1-1-1 学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮

 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するため、
 また、個性や障害の特性に応じて、
 その持てる力を高めるため、
 必要な知識、技能、態度、習慣を身に付けられるよう支援する。

言語障害
話すことに自信をもち積極的に学習等に取り組むことができるようにするための発音の指導を行う。(一斉指導における個別的な発音の指導、個別指導による音読、九九の発音等の指導)

自閉症・情緒障害
自閉症の特性である「適切な対人関係形成の困難さ」「言語発達の遅れや異なった意味理解」「手順や方法に独特のこだわり」等により、学習内容の習得の困難さを補完する指導を行う。(動作等を利用して意味を理解する、繰り返し練習をして道具の使い方を正確に覚える 等)

学習障害
読み書きや計算等に関して苦手なことをできるようにする、別の方法で代替する、他の能力で補完するなどに関する指導を行う。(文字の形を見分けることをできるようにする、パソコン、デジカメ等の使用、口頭試問による評価 等)

注意欠陥多動性障害
行動を最後までやり遂げることが困難な場合には、途中で忘れないように工夫したり、別の方法で補ったりするための指導を行う。(自分を客観視する、物品の管理方法の工夫、メモの使用 等)

【引用終わり】

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 障がいの特性によって、苦手な部分を補う。
 そうした手立ての工夫が重要である。
 そうすることで、今まであきらめていたことも、やりとげることができる。
 それが自信となって、積極的な活動につながっていく。
 自立を促す手立てを障がい者とともに工夫し、それを他の障がい者にも拡げてゆく。
 そうすることによって、障がい者にとっても学習や生活の困難さを乗りこえる姿勢ができてくる。
 (ケー)

学習・生活における困難をどう改善・克服するか

2013年04月17日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと、ずっと続けて紹介してきた。
 昨日(平成25年4月16日(火))の第21回で報告「概要」はすべて紹介したことになる。

 続けて本報告の中にある「別表」を紹介する。
 これも何回かに分けて取り上げる。
 今までの紹介から通算すると第22回目となる。

 障がい種別による「合理的配慮」のあり方についてである。
 まず、「学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮」に関してである。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

○1-1-1 学習上又は生活上の困難を改善・克服するための配慮

 障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するため、
 また、個性や障害の特性に応じて、
 その持てる力を高めるため、
 必要な知識、技能、態度、習慣を身に付けられるよう支援する。

視覚障害

見えにくさを補うことができるようにするための指導を行う。
 (弱視レンズ等の効果的な活用、
 他者へ積極的に関わる意欲や態度の育成、
 見えやすい環境を知り自ら整えることができるようにする 等)

聴覚障害

 聞こえにくさを補うことができるようにするための指導を行う。
 (補聴器等の効果的な活用、
 相手や状況に応じた適切なコミュニケーション手段(身振り、簡単な手話等)
 の活用に関すること 等)

知的障害

 できるだけ実生活につながる技術や態度を身に付けられるようにするとともに、
 社会生活上の規範やルールの理解を促すための指導を行う。

肢体不自由

 道具の操作の困難や移動上の制約等を改善できるように指導を行う。
 (片手で使うことができる道具の効果的な活用、
 校内の移動しにくい場所の移動方法について考えること及び実際の移動の支援 等)

病弱

 服薬管理や環境調整、
 病状に応じた対応等ができるよう指導を行う。
 (服薬の意味と定期的な服薬の必要性の理解、
 指示された服薬量の徹底、
 眠気を伴い危険性が生じるなどの薬の副作用の理解とその対応、
 必要に応じた休憩など病状に応じた対応 等)

【引用終わり】

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 障がいの特性に応じて、その困難を補う様々な工夫をすることが重要である。
 全盲の人であれば、白杖歩行によって自立的に移動ができる指導を行う。
 聴覚障がい者であれば、手話によるコミュニケーション法を学ぶ。
 知的障がい者は、円滑な日常生活ができるよう実生活に即した内容の指導が中心になる。
 肢体不自由であれば、車いすの安全な操作法を学ぶ。
 病弱であれば、体調管理が重要となる。
 障がいの違いこそあれそれに対応して自立的な学習や生活ができる環境整備を含めた配慮を工夫することである。
 (ケー)

障害のある人の教職員への採用

2013年04月16日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第21回目。

 インクルーシブ教育システム構築という観点から、障がいのある人も教職員という職業が選択できるようにすることが必要である。
 それについて次のような提言がなされている。

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

5.特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等

(3)教職員への障害のある者の採用・人事配置

•「共生社会」とは、
 これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった
 障害のある者等が、
 積極的に参加・貢献していくことができる社会であり、
 学校においても、障害のある者が
 教職員という職業を選択することができるよう
 環境整備を進めていくことが必要である。

【引用終わり】

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 障がいのある人も、教職員へ採用される道をもっともっと拡げていく。
 そのためには、障がい者が働ける環境整備がなされることである。
 公共施設には車いす用のトイレやエレベーターの設置、スロープによる移動といったバリアフリーが義務付けられてきている。
 また、点字の表示、点字ブロックなどもそこかしこにある。
 そうした環境整備が進んでいることは、もちろん歓迎すべきだ。
 さらに、障がいのある人が学校において教職員として働いている現実を増やすことも必要である。
 山形県においても、身障者の採用枠を設けていたと記憶している。
 (ケー)

特別支援教育に携わる教職員の専門性を確保

2013年04月15日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第20回目。

 特別支援教育の質を向上するには、教職員の専門性の確保が重要になってくる。
 そのあり方について、次に述べられている。 

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

5.特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等

(2)各教職員の専門性、養成・研修制度等の在り方

•学校全体としての専門性を確保していく上で、
 校長等の管理職のリーダーシップは欠かせない。
 また、各学校を支援する、
 教育委員会の指導主事等の役割も大きい。
 このことから、校長等の管理職や教育委員会の指導主事等を対象とした
 研修を実施していく必要がある。

•特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状(当該障害種又は自立教科の免許状)
 取得率は約7割となっており、
 特別支援学校における教育の質の向上の観点から、
 取得率の向上による担当教員としての専門性を早急に担保することが必要である。
 このため、養成、採用においては、
 その取得について留意すべきである。
 特に現職教員については、免許法認定講習の受講促進等の取組を進めるとともに、
 その後も研修を通じた専門性の向上を図ることが必要である。

•特別支援学級や通級による指導の担当教員は、
 特別支援教育の重要な担い手であり、
 その専門性が校内の他の教員に与える影響も極めて大きい。
 このため、専門的な研修の受講等により、
 担当教員としての専門性を早急に担保するとともに、
 その後も研修を通じた専門性の向上を図ることが必要である。

【引用終わり】

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 インクルーシブ教育システムを構築するには、特別支援教育を担う教職員の専門性が問われる。
 それも教職員全員が一定の知識と技術が必要である。
 そのため、専門性の養成と研修が求められている。
 学校においては、校長自ら先頭に立ってその専門性向上に取り組んで欲しい。
 こうした取組によって、学校の諸課題解決にも寄与すると信じる。
 (ケー)

教員にとって発達障害に関する一定の知識・技能は必須

2013年04月14日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第19回目。

 インクルーシブ教育システムの構築には、すべての教員が、特別支援教育に関する一定の知識と技能を有することが必要である。
 そのことの説明が次に述べられている。 

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

5.特別支援教育を充実させるための教職員の専門性向上等

(1)教職員の専門性の確保

•インクルーシブ教育システム構築のため、
 すべての教員は、特別支援教育に関する
 一定の知識・技能を有していることが求められる。
 特に発達障害に関する一定の知識・技能は、
 発達障害の可能性のある児童生徒の多くが
 通常の学級に在籍していることから必須である。
 これについては、教員養成段階で身に付けることが適当であるが、
 現職教員については、
 研修の受講等により基礎的な知識・技能の向上を図る必要がある。

•すべての教員が多岐にわたる専門性を身に付けることは困難なことから、
 必要に応じて、外部人材の活用も行い、
 学校全体としての専門性を確保していくことが必要である。

【引用終わり】

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 小学校・中学校教員免許状を取得するには、「介護等体験」が義務付けられている。
 福祉施設及び特別支援学校で7日間の介護等のお手伝いをする現場体験を行うのである。そうした体験によって、障がいのある人たちや高齢者に対する理解を得られるようにするという意図がある。
 貴重な体験といっていい。
 教員一人一人にとって、障がい者等についてよく理解しておくことの意義は大きい。
 学校現場もさまざまな課題を抱えている。
 いじめ、体罰、学級崩壊等、そうした課題解決において、インクルーシブ教育システム構築の取組は新たな解決策といっていい。
 (ケー)

関係機関等との適切な連携

2013年04月13日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第18回目。

 インクルーシブ教育システム構築にあたっては、教育分野の関係者の動きだけでは不十分である。
 多様な関係機関を巻きこんではじめて実現可能である。
 次にその説明がなされている。 

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

4.多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進

(4)関係機関等との連携

•医療、保健、福祉、労働等の関係機関等との適切な連携が重要である。
 このためには、関係行政機関等の相互連携の下で、
 広域的な地域支援のための有機的なネットワークが形成されることが有効である。

【引用終わり】

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 今は学校のみで問題が解決できない。
 広く他の専門家同士とのつながりをしっかりすることが必要となっている。
 インクルーシブ教育システム構築を図るには、多方面の人たちの知恵を借りることが肝要だ。
 また、専門家のみでなく、地域に暮らす人たちの協力連携も重要な要素である。
 ある意味、インクルーシブ教育システム構築は、世の中を変えることにつながる。
 関係者はもちろん、障がい者と接するあらゆる人たち一人一人の理解と支援がなければならない。
 (ケー)

交流及び共同学習の推進

2013年04月12日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第17回目。

 交流及び共同学習の推進によって、障害のある子ども、障害のない子どもにとって、多様な価値観を育むことができる。
 そのためには、計画的・組織的な推進が必要だ。
 推進のあり方について、次のように述べている。  

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

4.多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進

(3)交流及び共同学習の推進

•特別支援学校と幼・小・中・高等学校等との間、
 また、特別支援学級と通常の学級との間で
 それぞれ行われる交流及び共同学習は、
 特別支援学校や特別支援学級に在籍する
 障害のある児童生徒等にとっても、
 障害のない児童生徒等にとっても、
 共生社会の形成に向けて、経験を広め、社会性を養い、
 豊かな人間性を育てる上で、大きな意義を有するとともに、
 多様性を尊重する心を育むことができる。

•特別支援学校と幼・小・中・高等学校等との間で行われる
 交流及び共同学習については、
 双方の学校における教育課程に位置付けたり、
 年間指導計画を作成したりするなど
 交流及び共同学習の更なる計画的・組織的な推進が必要である。
 その際、関係する都道府県教育委員会、
 市町村教育委員会等との連携が重要である。
 また、特別支援学級と通常の学級との間で行われる
 交流及び共同学習についても、
 各学校において、ねらいを明確にし、教育課程に位置付けたり、
 年間指導計画を作成したりするなど計画的・組織的な推進が必要である。

【引用終わり】

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 学校における交流及び共同学習は、共生社会の形成に向けて大いに寄与するものである。世の中に関する多様性の尊重を育む基礎となる。
 そのためにも、学校関係者は計画的・組織的に交流及び共同学習を運営する必要がある。
 (ケー)

学校間連携の推進

2013年04月11日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第16回目。
 インクルーシブ教育システムの構築にあたっては、学校単独でできることに限界がある。域内にある教育資源の組み合わせをうまく活用することである。
 その問題を以下に取り上げている。  

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

4.多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進

(2)学校間連携の推進

•域内の教育資源の組合せ(スクールクラスター)により、
 域内のすべての子ども一人一人の教育的ニーズに応え、
 各地域におけるインクルーシブ教育システムを構築することが必要である。

•特別支援学校は、小・中学校等の教員への支援機能、
 特別支援教育に関する相談・情報提供機能、
 障害のある児童生徒等への指導・支援機能、
 関係機関等との連絡・調整機能、
 小・中学校等の教員に対する研修協力機能、
 障害のある児童生徒等への施設設備等の提供機能といった
 センター的機能を有している。
 今後、域内の教育資源の組合せ(スクールクラスター)の中で
 コーディネーター機能を発揮し、
 通級による指導など発達障害をはじめとする
 障害のある児童生徒等への指導・支援機能を拡充するなど、
 インクルーシブ教育システムの中で重要な役割を果たすことが求められる。
 そのため、センター的機能の一層の充実を図るとともに、
 専門性の向上にも取り組む必要がある。

•域内の教育資源の組合せ(スクールクラスター)や
 特別支援学校のセンター的機能を効果的に発揮するため、
 各特別支援学校の役割分担を、地域別や機能別といった形で、
 明確化しておくことが望ましく、
 そのための特別支援学校ネットワークを構築することが必要である。

【引用終わり】

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 インクルーシブ教育システム構築において、特別支援学校の役割は大きい。
 特別支援学校は次のような機能が期待されている。
 ① 相談・情報提供機能
 ② 指導・支援機能
 ③ 連絡・調整機能
 ④ 研修協力機能
 ⑤ 施設設備等の提供機能
 以上のように、特別支援学校はセンター的機能、コーディネーター機能が域内において求められている。
 特別支援学校の力量が試されているといってもいい。
(ケー)

多様な学びの場の整備

2013年04月10日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第15回目。
 特別支援教育では多様な子どものニーズに応える必要がある。
 そのためには、教員だけでなく、様々な専門家と連携を図ることである。
 以下にその説明がある。  

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

4.多様な学びの場の整備と学校間連携等の推進

(1)多様な学びの場の整備と教職員の確保

•多様な学びの場として、
 通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校
 それぞれの環境整備の充実を図っていくことが必要である。

•通常の学級においては、
 少人数学級の実現に向けた取組や複数教員による指導など
 指導方法の工夫改善を進めるべきである。

•特別支援教育により多様な子どものニーズに的確に応えていくためには、
 教員だけの対応では限界がある。
 校長のリーダーシップの下、校内支援体制を確立し、
 学校全体で対応する必要があることは言うまでもないが、
 その上で、例えば、公立義務教育諸学校の学級編制
 及び教職員定数の標準に関する法律に定める教職員に加えて、
 特別支援教育支援員の充実、
 さらには、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、
 ST(言語聴覚士)、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)等の
 専門家の活用を図ることにより、
 障害のある子どもへの支援を充実させることが必要である。

•医療的ケアの観点からの看護師等の専門家についても、
 必要に応じ確保していく必要がある。

•通級による指導を行うための教職員体制の充実が必要である。

•幼稚園、高等学校における環境整備の充実のため、
 特別支援学校のセンター的機能の活用等により教員の研修を行うなど、
 各都道府県教育委員会が環境を整えていくことが重要である。

【引用終わり】

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 以上、障がいのある子どもの特別支援教育は、多様な学びの場がある。
 通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校、さらには、幼稚園、高等学校において、多様なニーズに的確に応えることができるシステムが必要だ。
 それぞれの場において、「合理的配慮」「基礎的環境整備」を行うことが求められている。
 (ケー)

新概念としての「合理的配慮」

2013年04月09日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書が、
 文部科学省「初等中等教育分科会」より平成24年7月23日付けで発表された。
 その報告概要を項目ごと続けて紹介している。

 その第14回目。
 「合理的配慮」は、新概念として学校においてとらえ、その充実を図るべく新たな取組が必要だ。
 そのあり方が次に提示されている。 

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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告) 概要

3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備

(4)「合理的配慮」の充実

•これまで学校においては、
 障害のある児童生徒等への配慮は行われてきたものの、
 「合理的配慮」は新しい概念であり、
 現在、その確保についての理解は不十分であり、
 学校・教育委員会、本人・保護者の双方で情報が不足していると考えられる。
 そのため、早急に「合理的配慮」の充実に向けた調査研究事業を行い、
 それに基づく国としての「合理的配慮」のデータベースを整備し、
 各教育委員会の参考に供することが必要である。
 また、中長期的には、それらを踏まえて、
 「合理的配慮」、「基礎的環境整備」を充実させていくことが重要であり、
 必要に応じて、学校における「合理的配慮」の観点や
 代表的なものと考えられる例を見直していくことが考えられる。

【引用終わり】

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 「合理的配慮」の充実に向けた取組が早急に行わなければならない。
 そのための手立ては次のとおりである。
 ① 学校関係者に対する「合理的配慮」の概念への理解啓発
 ② 国として「合理的配慮」のデータベースの整備
 ③ 中長期的に、「合理的配慮」、「基礎的環境整備」の充実
 以上により、学校において「合理的配慮」の充実を図っていく必要がある。
 (ケー)