山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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障がいの特性に応じた「学習機会や体験の確保」

2013年04月23日 | 特別支援教育
 インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)構築にかかる報告書「概要」の紹介に引き続いて「別表」を取り上げている。

 障がいの特性に応じてどのような配慮を必要とするか。
 今までの紹介から通算すると第28回目となる。

 別表4では、障がいの特性に応じた「学習機会や体験の確保」について、次のように述べている。
 病弱といったことで、入退院を繰り返している場合、学習の機会が得られず学習空白が生ずる。それに伴い、著しい経験不足となったりする。
 こうしたことに配慮する対応が必要となる。
 そうしたことの指摘が次になされている。
 
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【引用始め】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm

共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための
特別支援教育の推進(報告)別表

別表4

○1-2-2 学習機会や体験の確保

 治療のため学習空白が生じることや
 障害の状態により経験が不足することに対し、
 学習機会や体験を確保する方法を工夫する。
 また、感覚と体験を総合的に活用できる学習活動を通じて概念形成を促進する。
 さらに、入学試験やその他の試験において配慮する。

視覚障害

 見えにくさからの概念形成の難しさを補うために、
 実物や模型に触る等能動的な学習活動を多く設ける。
 また、気付きにくい事柄や理解しにくい事柄
 (遠かったり大きかったりして触れないもの、動くものとその動き方等)
 の状況を説明する。
 さらに、学習の予定を事前に知らせ、
 学習の過程や状況をその都度説明することで、
 主体的に状況の判断ができるように指導を行う。

聴覚障害

 言語経験が少ないことによる、
 体験と言葉の結び付きの弱さを補うための指導を行う。
 (話合いの内容を確認するため書いて提示し読ませる、
 慣用句等言葉の表記と意味が異なる言葉の指導等)
 また、日常生活で必要とされる様々なルールや常識等の理解、
 あるいはそれに基づいた行動が困難な場合があるので、
 実際の場面を想定し、行動の在り方を考えさせる。

知的障害

 知的発達の遅れにより、
 実際的な生活に役立つ技術や態度の習得が困難であることから、
 調理実習や宿泊学習等の具体的な活動場面において、
 生活力が向上するように指導するとともに、
 学習活動が円滑に進むように、
 図や写真を活用した日課表や活動予定表等を活用し、
 自主的に判断し見通しをもって活動できるように指導を行う。

肢体不自由

 経験の不足から理解しにくいことや
 移動の困難さから参加が難しい活動については、
 一緒に参加することができる手段等を講じる。
 (新しい単元に入る前に新出の語句や
 未経験と思われる活動のリストを示し予習できるようにする、
 車いす使用の子どもが栽培活動に参加できるよう高い位置に花壇を作る 等)

病弱

 入院時の教育の機会や短期間で入退院を繰り返す
 児童生徒の教育の機会を確保する。
 その際、体験的な活動を通して概念形成を図るなど、
 入院による日常生活や集団活動等の体験不足を補うことができるように指導する。
 (視聴覚教材等の活用、
 ビニール手袋を着用して物に直接触れるなど感染症対策を考慮した指導、
 テレビ会議システム等を活用した遠隔地の友達と協働した取組 等)

【引用終わり】

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 知的障がいのある子どもにとって、実際の生活の習得が大切である。
 具体的で体験的な学習活動を構成することにより、生活自立をめざすこととなる。
 (ケー)


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