のぐち輪業

CRF250Lの整備・点検記録&ラーメン食べ歩き

XR650R エンジン オーバーホール 番外編 2

2006-12-27 11:15:49 | XR650RエンジンO/H
~カウンターシャフト磨耗原因についての考察~

そもそもの原因は、1枚目のフィキシングプレートの磨耗を長期間放置していたことが原因ではないかと思われる。
1枚目の交換時期は新車から12278.6㎞走行後で、磨耗状態はフィキシングプレートの厚み3.0mmに対し1.8mm磨耗していた。
この磨耗した1.8mm分、軸方向にFスプロケが頻繁に行ったり来たり移動することで、カウンターシャフトのスプラインとFスプロケ内側とが摩擦による磨耗を引き起こし、ちょっとした隙間が出きた事により今度は、駆動方向に加速減速の力が加わりカウンターシャフト-スプラインの磨耗を進行させたのではないかと思われる。
又、軸方向に移動しているという事は、移動時の衝撃でカウンターシャフト側のストッパーも磨耗している可能性が非常に高い。

1枚目のフィキシングプレートは、内側のストッパーが綺麗にセンターで磨耗しているが、実際この時すでにカウンターシャフトのスプラインも磨耗していた可能性が高い。
それは、2枚目のフィキシングプレートから読み取れる。
交換時期は、18568.8㎞で一枚目から6290.2km走行後、磨耗具合は0.5mm。
磨耗の状態は、ストッパーのセンターから微妙にズレるぐらいであるから・・・。
新品の2枚目を付けた時点で、上記のような事からカウンターシャフト-スプラインがすでに若干磨耗した状態でスペースが発生し、駆動方向にFスプロケがズレ、二枚目のような磨耗の仕方になったと思われる。

三枚目は、23000km走行で二枚目から5000km走行後、磨耗具合は0.4mm。
磨耗の状態は、ストッパーの山型の3/4ぐらいの位置から磨耗している。
この事からスプラインの磨耗が二枚目でも更に進行しているのがわかります。
で、Fスプロケが駆動方向にズレたことで、カウンターシャフトのストッパーも段付き磨耗している。

フィキシングプレートの磨耗状況。

~Fスプロケのカウンターシャフト軸方向への動きについて~
力がかかっている時(アクセル開又は、クラッチ繋ぎ)は常に外側に押し出されるかたちになっているのではなかろうか?
これは、フィキシングプレートの磨耗から判断できる。
(クランクケース側に引っ張られていたらFスプロケの内側が磨耗するからね)
で、力をかけたりかけなかったりするから磨耗するのである(力がかかりっぱなしだと、それほどでもないんだろうね)。
そのかけたりかけなかったりは、ストップ&ゴーが多いか少ないか、又は、シフトチャンジが多いか少ないかすなわち、クラッチ操作が多いか少ないかによる。
例えば、街乗りが多い人、渋滞路をよく通る人…このような使い方の人が、磨耗する可能性の高い人。
私が、ズバリこの使い方・・・。
(8~9割方通勤使用で、その内3割ぐらいが渋滞路のすり抜け)
でも、日本国内だと大半がこういう使い方だと思うんだけど・・・。

上記で述べたように、磨耗したフィキシングプレートを放置することにより、
軸方向の動きが大きくなり、スプラインの磨耗、カウンターシャフトのストッパーの磨耗を引き起こす。

これは、磨耗したカウンターシャフトの図。


実際に磨耗したカウンターシャフト。
駆動方向の力がかかる側が磨耗しています。


1枚目とカウンターシャフトを正規の位置で組んでみた。
この時点で、フィキシングプレートとストッパーとの間に隙間が見られる。
ストッパー磨耗してますね。
このシャフトに新品のフィキシングプレート組んでも軸方向のガタは無くなりません。


これも1枚目を組んだ物で、軸方向外側に目一杯移動させた状態。
正規の状態と比較するとかなり軸方向の動きがあります。
ここまで磨耗してしまうと、フィキシングプレート固定ボルトがスプロケットカバーと接触してしまいます。

~これからの対策~
いかにフィキシングプレートを磨耗させない走りが出来るかと、フィキシングプレートの管理が、キモとなりそう。

①走り方を変える
②フィキシングプレートをこまめに替える

①は、チョット難しいね。
でも、これを改善していかないとまた悲劇は起こりますね。
急なアクセルON、OFFを慎む、クラッチ操作に気をつける…ぐらいかな。
②これしかない。
磨耗がはじまったら軸方向の動きが活発となり磨耗も進行する。
なので、磨耗する前に替えてしまうか、磨耗を確認できたら即交換。
又は、無条件で定期的に交換するしかないね。
オイル交換と同時に(1500km毎)交換を考えています。
(カウンターシャフトのストッパーの磨耗は止められないだろうね・・・後は願うしかない)