二ヶ月くらい前に懐かしい人から電話があった。
今から20年前の夏に俺は、愛機GS250FWを駆って北海道を
目指した。
北海道への往きは、日本海側を。帰りは太平洋側を走った。
学校の夏休みを利用して三週間ほどフラフラと出かけた。
寝袋だけを抱えて。
その時に出会った人との親交は今でも続くもので年始の挨拶
だけの人も多いが機会をみて再会することもアル。
今回は、北海道を走っていてもう旅の終わりに差し掛かった頃に
出会った当時TZR乗りとの再会である。
彼は、静岡は清水の人間だったが今は結婚をして名古屋の
小学校の教員だ。
バイクは、Z2に変わっていた。
どこで落ち合うかだったが、琵琶湖を走ろうと言うことで俺よりの
大津駅で待ち合わせをした。
朝は、あまりにも寒く、ウィンタージャンパーを着てオーバーパンツを
履くがグローブが、オールシーズン用だ。
ちょっと走り出すと指先が痛くなる。
取り敢えず、下道をフラフラと走っていたのだが、出発前にチェーンを
張ったのが原因なのか、後輪周りから何か擦るような音がする。
気になり何度か止まるが良くわからない。
そうこうしている内に結構時間が経ってしまい、結局京都南から大津まで
名神に乗ってしまった。
大津駅には、待ち合わせ時間の10分前に着くが彼はまだ来ていない。
教職と言うまじめな仕事柄朝飯は食ってくるだろうと思い、俺は
駅横のマックで朝マックをテイクアウト。
タクシー乗り場のベンチで貪る。
ちょうどポテトを食いフィレオフィッシュを半分ほど食ったところで
爆音が聞こえた。
Z2だ。
食いかけのフィレオフィッシュを大きく振り上げ手を振る。
なんだかんだで彼の結婚式の二次会に呼ばれて名古屋に行って以来だから
それでも10年ぶりの再会か!?
なんとなくぎこちない会話をしながら取り敢えず湖岸道路を北に向けて
走ることに。
湖岸道路は信号も無くとてつもなく走りやすい。
ネズミ捕りをやられると一発だがやっているのかな??
ただ今日は、湖岸道路を使っての駅伝??かなにかをやっていて
渋滞がひどい。
すり抜けで前に出ると最後のランナーが懸命に走っている。
しかし白バイとパトカーに護衛されさすがこれらを俺たちも
追い越せない。
途中で何度と無く道を変え、
シャーレ水ヶ浜に到着。
店の中に入ると薪ストーブがあり、ここで暖を取る。
先週のコテージに続き二週連続の薪ストーブ。
11時過ぎの店内はすいているのでそこらに防寒着を脱ぎ捨て
ヘルメットを置き陣取る。
ついでに軽く昼飯を摂ることに。
カレーを注文し食っている時に思い出した。
そう言えば今日の晩飯は、カレーだと嫁が昨日行っていた。
昨日は昨日で小腹がすいて得得うどんで思わず注文したのは
カレーうどんだったし。
最近かなりボケが進行していると感じる一瞬である。
この喫茶店、琵琶湖湖畔沿いにあり、ゆったりとできる。
お店の横の道から湖畔に降りることも出来る。
降りてみると、アフラックが居た。
お店の前にある木も真っ赤に燃えている。
お店から北上する道も紅葉が綺麗で今がまさしく見ごろといった感じ。
秋の昼下がり、仄かにヘルメットの隙間から滑り込んでくる冷たい
空気に刺激されながらバイクを流せば、ちょっとセンチになれる。
結局、北上しても時間が過ぎるだけなので、近江温泉に行くことにする。
今時の小綺麗なスーパー銭湯とは程遠く、地元のお年寄りの集う温泉
といった感じ。
実際に来ている人はじじいばかり。
ゆったりと風呂に入り色々と話をする。
風呂上りにビールを飲みたかったが、俺一人なら飲むだろうけど
彼は、教員だし。
今回は諦める。
学校のことを色々と聞いた。
今や学校では、親教育と言う言葉もあるそうで。
子供より親をイカに教育するかだそうです。
話を聞いているとホント大変そう。
学校の先生と言うのもクレーム産業のひとつだもんね。
アホナ親が増えてどうしようもない現実。
給食費をやはり踏み倒す親は居るらしい。
けど一番かわいそうなのは、子供なんだって。
先生が、子供に集金袋を渡して、子供は親に渡す。
しかし、親は集金袋におかねを入れて子供に渡さない。
学校に行けば、他の子供は先生にお金の入った集金袋を
渡しているのに、自分の家は。。。
子供は、傷つきやすいし大人以上に気遣いをしているようです。
親のあり方が、本当に子供の人生を左右するのだと改めて
実感。
子供は親を選べない。
話も尽きないがお互いに暗くなるうちに家に着きたいという気持ちは
同じで、15時過ぎに温泉を後にする。
八日市ICから名神に乗る。
彼は、名古屋方面に。俺は大阪方面に。
分岐点で手をあげてお互いの道に向けてバイクを加速させる。
俺的にはこのシーンが好きだ。
とセンチな気分になりながら名神乗ればいきなり渋滞。
傾く夕日に眼を焼かれながらバイクを加速させる。
彼が懐かしいB5のノートを持ってきていた。
そこには20年前に俺が書いたメッセージがあった。
懐かしい字体だ。今とは少し違う。
今回その下に40歳の俺がメッセージを同じように記した。
そして彼に言った。また20年後に書くからその時まで
このノートを大事にしておいてくれと。
しかし、20年後と言うと俺還暦ジャン。
えっ!!あの北海道走ってから今までと同じ時間が流れると
俺は還暦になっている!?
俺の人生もそんなに長くないなぁとしみじみと実感。
最後に彼の愛機Z2