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超小型原子炉との報に懸念を深める

2022-05-06 | コラム
超小型原子炉との報に懸念を深める
 このところ、Youtubeなどで超小型原子炉とかマイクロモジュルール炉などの名称で、三菱などが開発中などの報がある。
 説明を聞いていれば、冷却も電気いらずで自然対流で安全性も極めて高い、中には大型コンテナに原子炉と発電機を同梱して、超小型の発電設備として利用できるなどといいとこだけを報じているが、どうなのだろうか?

 こういう小型モジュール原子炉というのは、原子力潜水艦で米国などでは早くから実用化してきたことが知られているが、その米国でさえ民生用として利用は現在のところされていない。

 それと、既に何十年か以前だったが、確かカナダに衛星が落下し、それに搭載されていた小型原子炉がバラバラになって核汚染の問題が取り沙汰されたことがあった。

 米原子力潜水艦でも、原子炉は専門技術士官がそれなりに教育訓練されて登場しているはずだ。そういう中で、知らされていないが事故も皆無と云う訳ではないだろう。

 それと、拙人は損害保険の世界で長年生きて来たが、通常のあらゆる損害賠償保険は、核燃料物質に関する損害は、関連損害も含めすべて免責にする条項が入っている。それだけ、核燃料の汚染は、連鎖を起こし、危険であると云うリスクを保険会社は認知しているからそういう保険約款ができているのだろう。

 また、原子力発電所などを対象にする原子力保険というのがあるが、一定額でアマント(支払い保険金上限)は制限されており、それを越えたものは政府が責任を負うことになっている。

 幾ら安全と理屈を付けても、まったくリスクがない訳ではない。また内容物は、最終的にはプルトニウムができる訳で、最終的に処分場の問題も解決していない中でどうするんだろう。

小型モジュール式原子炉は、たいていが悪策だ | 連載コラム
https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20210528.php


#小型原子炉


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