私の思いと技術的覚え書き

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CCV技術とは?

2012-04-19 | 技術系情報
 航空機、中でも最新のジェット戦闘機においては、大きな戦闘力向上への要素技術としてCCV(Control Configured Vehicle:運動能力向機)と云うのがあると聞きます。これは、従来の可動翼と操縦桿の機械的接続を、コンピューターを通じた接続(いわゆるフライバイワイヤ)にすることが進められて来ていました。CCV機では、それをさらに進めて、従来機では不可能な姿勢制御を行い得る様な運動性能を向上させたものだそうです。

 従来機では不可能な姿勢制御とは、例えば不自然な程の機体の縦や横の移動といったものから、バンク(ロール)なしの旋回を可能にしたり、旋回や上昇または下降中に機首をある程度可変化させるなど、正にアクロバティックかつ、ハイレスポンスな運動性を持たせることが可能ということの様です。従ってドッグファイト(対戦闘機空戦)において、機関砲や誘導ミサイルのロックオンを継続したままで離脱したり、素早く相手機の背後に回り込んだりという性能は格段に優れているのでしょう。

 だだ、CCVだと云っても、その程度は機種によりかなりの格差がある様ですし、技術自体が日進月歩で、コンピュータのソフトウェア技術の向上もあるでしょうし、従来機にカナードなどの追加補助翼を加えたり、可変ジェットノズルを装備したりといった新たな要素が加わることで姿勢制御の幅は拡大して行くのでしょう。

 ところで、クルマの技術も日進月歩ですが、その先端技術は航空機から取り入れられることが珍しいものではありません。バイワイヤ技術や、各種の空力技術などがその事例です。その様な中、航空機でのCCV技術に]類似したものとして、ESC(エレクトリック・スタビリティ・コントロール)などが既に採用されています。これは、各輪の制動力やエンジン出力を制御することによりクルマの安定性を回復しようという制御技術です。

 ここからは私の想像も含めてのものとして記してみます。航空機で各補助翼の個別制御を積極化したVCC技術ですが、クルマに置き換えてみますと、制動力に留まらず、各輪のキャンバー、キャスター、トーインなどのアライメントやホイールベースといった要素を、その時の要求に合わせ積極制御することにより、運動性能の限界は上がるし、制御不能と化した車両の回復制御の範囲を拡大して行くことが予測されるのです。



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