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タテ社会の人間関係の「中根千枝」氏亡くなる

2021-11-06 | 論評、書評、映画評など
タテ縦社会の人間関係の「中根千枝」氏亡くなる
 昔々、出張の行き帰りの際に、読んだ「タテ社会の人間関係」(中根千枝著)があり、内容として記憶に残る。その中根千枝氏の訃報だ。94才だったという。

 この書籍を読んだ上で、過去に職人達の人間会系という一文を記しているが、下記に再掲したい。
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中根千枝さん死去 94歳 社会人類学者「タテ社会の人間関係」
11/5(金) 19:01 毎日新聞
 女性初の東京大教授で、100万部を超すロングセラー「タテ社会の人間関係」の著者として知られる社会人類学者、中根千枝(なかね・ちえ)さんが10月12日、老衰のため死去した。94歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妹松井淳子(まつい・あつこ)さん。

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職人達の人間関係を思う
初稿2008-11-04(訂正2019-06-27)

 大昔読んだ本で「タテ社会の人間関係」(中根千枝:著)があります。この本でも判ることですが、特に日本人はタテ社会における人間関係が重視され、それが社会を動かして来たことは否めないことであると思います。これは企業組織等においても、軍隊組織程ではないにせよ、タテの上下関係は絶対の前提条件であることは自明のことです。

 ところで、もの作りにおける職人としての自営業の方々には、企業組織におけるタテの関係とは異なる相互の関係が持たれていることを感じつつ、私はサラリーマン時代の活動を過ごして来ました。このタテの関係とは異なる関係のことを、私はヨコの関係として認識しているのですが、いわゆる職人間における子弟関係を表すものであるとも感じます。具体的に云えば、A工場主の修業時代の親方がB工場であるということは、良くあることです。また、昨今は職人気質(かたぎ)が薄れて来たと云え、その工場主にとって技術的な師匠と仰ぎ見る、別の工場主という場合もあるでしょう。

 私は、サラリーマン時代の活動で、クルマの整備、鈑金、塗装の各工場主方々との触れ合いを通じ、そのことを意識させられ、また努めて意識しつつ、その様な関係の実態を知ろうと思い続けてきました。何故ならば、そのことが私の業務で必要とされる、これら修理業界との信頼関係の醸成に役立つものと意識して来たからでもあるのです。

 一方、修理業界にもタテ社会とも云える組織体があります。これは、整備振興会、車体協会やアウダ会(現コグニ会)なども含まれるのだと思いますが、その構成員たる会員方々のことを意識することも必要なことと思います。

 以上記して来た様な、タテとヨコの関係を持つクルマの修理業界ですが、例えばサラリーマン時代の活動において、ある同業の他社の者があるBP工場と喧嘩となったなどということが生じると、こんな情報は結構に早く近隣のBP業界に広がって行くものです。彼ら(BP工場)が集まれば、私のサラリーマン時代の業界活動に絡む話題も出るでしょうし、ある同業他者で生じた疑問等は、直ぐヨコの関係のある工場に連鎖していくものなのです。ですから、所属するグループとしてのタテの関係や、懇意な人的関係としてのヨコの関係を意識するのは大切なことと思います。


 こんなタテとヨコの関係としての知識を前提として、最終目的は私のサラリーマン時代の業界活動が修理工場と如何に信頼される関係を育て得て行けるのかということだったと思います。そのことが、適切、公平、妥当な損害額の決定のために、きっと役立つものと確信します。なお、工場との信頼関係を育てる基本は、真摯で誠心誠意な対応を行う、公平に接する、人としての情を忘れないことは当然のことです。

余談
 冒頭記した「中根千枝」(女性)氏ですが、93才でご存命なとことを知り驚きました。


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