私の思いと技術的覚え書き

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EVカーに日本は立ち後れているのか?

2020-06-09 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 マスゴミなどの論調を聞いていると、トヨタなど含め日本の大メーカーはEVカーに立ち後れているのではないかと感じる。今回は、これについて長年クルマのメカに触れあって来た者として意見を記してみたい。

 そもそもEVカーといわゆる内燃機関自動車を比べ、その開発費など参入障壁はどちらが高いと思うだろうか?というのが、玄人としての質問だ。

 ここで、同じクルマだから大差がないとか、新しい技術だからしてEVカーが未知の技術を開発するからして開発費も参入障壁が高いだろうと思ったあなたは、クルマのド素人だ!

 EVカーを動かすのは、モーターとバッテリー、そしてそのモーターの出力制御回路だけがあればこと足りる。実際には、減速時のエネルギー回収技術も必用だからして、それ程簡単ではないところもあるが、ただ走れば良いのならこれだけで様が足りる。つまり、ガソリンやディーゼルの排出ガス制御性能や、そもそも発進時など低回転で弱いトルクに対応するためのトランスミッションも不要なのがEVなのだ。

 だから、ポット出の米テスラとか、C国の自国民需系企業の多くが、極簡単に作れるEVカーに飛びついたという訳だ。

 なお、EVカーが全世界的に普及しないのは、新車価格が高いとか、一充電あたりの航続距離が短い、数年でバッテリーの劣化が進み極端に航続距離が短くなってしまい、これを直すためには非常に高価なバッテリーを交換しなければならないことなどがあるだろう。

 そもそも、地球環境の悪化を指摘するCO2問題が本当か疑問ではあるが、それを推進するある種のバイアスが働いている様で、多くの国ではEVカーに多額の優遇税制を与え、見かけ上のEVカーの価格を引き下げる政策を行っている。つまり、原理的には簡単なEVカーだが価格が高くなってしまうのは、バッテリーのコストにあるといって良いだろう。

 また、EVカーは、1充電に要する電力量(コスト)が安く、従って走行距離当りのコストも安いからして、非常に省エネルギーだと喧伝している訳なのだが本当だろうか?

 EVカーの要となるリチウムイオンバッテリーの製造プロセスに投入するエネルギーは石油換算で5年分ほどもあるという論文がある。似た様なことに、太陽電池パネルの製造プロセスに要する投入エネルギーも類似のことがある。つまり、完成車を乗り出してからは、確かに省エネルギーだが、その完成車のバッテリーを作るために5年分のエネルギーを投入済みだとしたら、偽善以外のなにものでもないだろう。しかも、5年も載れば、バッテリーは大幅に劣化し、多くのEVカーがバッテリー交換を要すとなると意味があるのだろうか。

 マツダなどは、EVカーを当面推進しないと云いきっている。その理由は、石油発電により送電ロスや自然放電など様々なロスの生じるEVより、石油をダイレクトに動力に変える内燃機関の方が、エネルギー効率は高いと判断していると述べている。

 もう一つ、現実として表れているEVカーのデメリットを記しておきたい。それは、テスラは未知ながら、国産で既に以前より発売されている、日産リーフとか三菱iミーブなどの、中古車価格の下落さのことだ。つまり、クルマを寿命まで乗り切った場合は別だろうが、一定の寿命以前で乗り換える場合のリセールバリューが異様に低いのがEVカーなのだ。

追記
 米テスラモーターが立ち上がって程なく、俄にEVの新技術があると見込んだのだろう。トヨタとダイムラーが相次いでテスラと業務提携を締結した。しかし、この両社とも、数年を経て業務提携を解消している。このことをどう見るか。公式発表はないが、拙人の見立ては、何かテスラには偉大な発明があるのかと、驚いたトヨタとダイムラーは急遽業務提携を行った。しかし、何もそんな発明なんてなかったというアホな話しということだろう。

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