私の思いと技術的覚え書き

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車載部品業の熾烈な競争

2022-01-04 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
車載部品業の熾烈な競争
 車両は、一説では3万とも5万とも云われる部品を集約して組み立て(アッセンブリー)した集合体と云われている。この部品を供給するのが、サプライヤーという、いわゆる部品製造業なのだが、合従連衡(がっしょうれんこう)による熾烈な競争が世界を股に掛けて行われている。

 そもそも、彼の昔たる半世紀以上前まで時代を遡ると、世界の部品メーカーというのは、、電装、タイヤ、ガラス、塗料程度しか、サプライヤージャンルはなかった。その当時、日本で聞いた主なブランドを並べてみれば、デンソー、日立、三菱電機、ボッシュ、ルーカス、マレリ、グッドイヤー、ファイアストン、ダンロップ、ミシュラン、ブリジストン、旭ガラス(現在AGC:三菱系)、日本板ガラス(住友系)、セントラル硝子(宇部興産系)、関ペ、日ペ、BASF(現在でも世界最大の化学メーカー)程度だったろう。

 添付図は、2020年の世界自動車部品メーカーランキングだが、首位辺りは変化ないが、3位以降はかなり順位や新規企業の参入が目立つ。


 例えば、3位のコンチネンタル(独)などは本来タイヤメーカーだったが独シーメンスVDOを買収して電装部門で成り上がってきている。

 4位のZF(独)も似ており、トランスミションメーカーだが、米TRW社(電装部品)を買収してシェアを向上させている。

 このランキング図を見ていると、例えば日立オートモーディブなど、本来はランキングに掲載されていてもおかしくない企業がある。ただし日立の場合、日立アステモというところに製造を集約したという見方もできる。また現在未掲載だが、今後ランキングするだろう日本メーカーとして、日本電産がある。この企業は、小型モータに強く、HDD用のスピンドルモーターなどで高いシェアを上げていたが、車載用機器での増収を目指してオムロンオートモーティブを買収したりと、今後のEV化を見据えて、モーター単品でなく、モーターを制御するインバーター-など、従来云われたモジュール化を一歩進めたプラットフォーム化を目指すとぶち上げているので、今後サプライヤーメーカーは、ますます激しいコストパフォーマンス競争で目まぐるしくランキングは入れ替わる様相を生み出している。

 それと、コンピューターのLSIなどでは、ファウンダリーという製造に特化した企業が台湾TSMCの様に生まれ、インテル除いたAMD、NVIDEA、Apple、その他多数社の受託生産を受けているのだが、今次のコロナパンデミックの影響で、様々な品不足を生み出ている。TSMC自体も、日本を含めた多国籍化して対応してくるのだろうが、日本も含めLSI製造への回帰の動きが出て作用するだろうと思える。

 それと、AppleやGoogleなどの米巨大IT企業は、ファウンダー(企画立案社)として自動運転車への参入の機会を目指していることは周知のことだ。今後ヘタ打つと、ブランドある車両メーカーが、一ファウンダリーとしての格下の部品メーカー化する可能性がありえる。


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