私の思いと技術的覚え書き

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和歌山・大型クレーン車とトラックの事故

2022-11-13 | 事故と事件
和歌山・大型クレーン車とトラックの事故
 この事故だが1枚の写真しかないが、クレーン車はあまり見掛けない5軸の大型トラッククレーンということで、気を引き付けたので書き留めておきたい。

 この報道文と1枚の写真を見直すのだが、どういう事故だったのだろうか。文と写真とから判じるに、この大型クレーン車から見て、やや左カーブとなる現場状況だった様だ。しかるに、中央のセンターラインを越えた状態で大型クレーンは停止しているが、このクレーン車の右前部が衝突している様だ。
 一方、この写真左側の石積擁壁に乗り上げている箱アルミバンだが、写真に写る範囲では大きな損傷とか変形が見られないものの、このバン下に存在するはずのシャシとかアクスルはない様に見える。
 この写真の裏側から見れば即座に状況は明確になると思えるが、この1枚の写真だけから想像してみたい。
 相手トラック(バン車)は、クレーン車に対する対向車であったと考えて良いのだろう。そうなると、トラック側のキャブ(運転台)右前部と衝突したと考える訳だが、キャブが強烈に押し込まれ後方に移動しつつ、荷台となる箱バン固定の全ボルトをせん断させつつ、荷台はさらに擁壁に乗り上げまで押し込まれたのかもしれない。
 ここまでではあくまで想像だが、今回の衝突はいわゆる車両同士のオフセット衝突だが、オーバーラップが比較的小さいスモールオフセットという状況ではないだろうか。
 なお、この1枚の写真だけで、双方の責任割合までを決め付けることはできないが、クレーン車がマトモにセンターラインオーバーして衝突した様に見えてしまうところだ・・・。
 トラックの方の大きさは明確ではないがバンの長さなどから、10トンベースのフル規格の大型ではないように見える。5トン程度の中型バントラなのではないだろうか。この事故での双方車両の重量差は、少なくと2倍、もしかすると3倍程度クレーン車が思いだろうと想像する。そういう中で、クレーン車がセンターラインを越えない自車線の位置でトラックとスモールオフセットで強烈に衝突した場合、クレーン車は右廻りのモーメントが働くことと、クレーン車第1軸右前輪に強烈な入力を受ければ、事故写真の状態の様に右にステアがなされることもあり得そうだ。

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和歌山の国道でトラックとクレーン車が衝突、男性1人重体…一時通行止めに
読売新聞オンライン 11/13(日) 9:56配信
ソースURL:https://news.yahoo.co.jp/articles/055a6ced68bf6c48830e555b7dd00d20040b5986/comments
 12日午前4時半頃、和歌山県橋本市隅田町の国道で奈良県平群町の会社員男性(50)のトラックと、同県橿原市の会社員男性(55)のクレーン車が衝突した。県警橋本署によるとトラックの男性が重体。クレーン車の男性は軽傷とみられる。
 現場は片側1車線のゆるやかなカーブ。衝突のはずみでクレーン車が道をふさぎ、トラックがのり面に乗り上げたため、現場は午後3時50分まで通行止めが続いた。同署で事故原因を調べている。


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