職権打刻のこと(最近は打刻でなくシール方式に)
クルマのフレームNo(車台番号、欧米ではVINとも呼ぶ)が、何らかの要因で毀損して判読できなくなったり、そもそも車台(フレーム)そのものを交換する場合、並行輸入車だとか極少量生産車などで、車両メーカーの正式フレームNoが不明などの登録を行う場合、国による固有番号が新たに打刻されることを「職権打刻」と呼ばれるのは、およそ自整業やBP業の関係者ならご存じのところだろう。
この職権打刻だが、従来は正に打刻で行われていたのだが、近年は予め打刻済みの薄い金属プレートを貼付し、その両端を変造防止の封印シールを貼付する手法が行われる様になっているそうだ。
この記事を記そうという切っ掛けになったのは、以下のブログ記事で、この記事は何処かの運送会社の運行管理者が記されている様だ。そこには、自社のHマークトラックのフレームNoが経年の使用で、左前輪近くのシャシフレームに打刻された本来番号が、融雪剤の影響などからだと想像されると記されているが、腐食しつつ一部が判読不能になったということだ。これでは継続検査において、いわゆる同一性の確認がでできないことから検査が不合格となるという事象から、新たに職権打刻を行うに至った顛末が記されており、これは自己記憶と外部の方にも知ってもらおうと書き留めるものだ。
【該当ブログ記事:おやじ塾】
https://skiyo1956.com/tweet/stamping/
当方の従来知識では職権打刻とは、新たな職権打刻は、従来の各地方運輸支局において行われるが、その支局固有の文字で前後を囲んだ番号(例えば静岡運輸支局だと月○○○○月という)が新たに打刻され、もし古い車体番号がある様な場合は×打刻を重ねて取り消しするという処置が行われると認識していた。しかし、この記事などや、その他記事より、最近は打刻でなくシールプレートの貼付で打刻に変えているということを、一応予備知識で知ってはいたが、それが何時から開始されたのか、どういう処理かを今回はまとめてみた。
1.シール方式への変更は何時からか?
この根拠通達は、国交省・自動車局長名で「自動車検査業務等実施要領について(依命通達)」との表題で「最終改正 平成27年3月31日付け」で出されている内容による。
ここで余談となるが依命通達ということだが、国家行政機関(今回は国交省)の次官もしくは局長名で、法律は変えないでその取り扱いを変更できる細目的な通達を出すことができるという制度なのだ。法律を変えるには国会を経ないとできないが、国家機関はその実施要領を、あくまでも法の適用を曲げないという前提はあるのだが、その実施細目を変更できてしまうという強大な権力を持っているのだ。しかも、これは正式に聞いたことではないが、次官や局長名で出される通達も実務担当者は課長補佐辺りを経て課長クラスから局長に上げられ、通達が出されると聞いている。
話しは戻るが、「自動車検査業務等実施要領について(依命通達)・平成27年3月31日付け」の本文については、貼付の画像で見てもらいたいが、Netで検索するか日整連で出版している「自動車整備関係法令と解説」の通達編にも原文は掲載されている。
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この通達の第2章 職権による打刻等と云う部分には、以下の記述がある。
法第32 条に規定する職権による打刻は、あらかじめ打刻が施された金属片(以下「職権打刻プ
レート」という。) 及び封印( 以下「セキュリティラベル」という。) を車台又は原動機に標示する方法によるものとする。ただし、職権打刻プレート及びセキュリティラベルの標示可能箇所の確保が困難な場合にあっては、刻印を車台又は原動機に打ちつける方法によるものとする。
2-2(打刻の様式)
職権による打刻の様式は次によるものとする。
2-2-1 職権打刻プレートには、職権による打刻を示す符号及び打刻番号(車台番号にあっては6桁、原動機の型式にあっては3 桁とする。)の順に配列する。
(例)
国000001・・・国が職権打刻を示す符号+シリアル番号6桁
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ここで、内容にも記されているが「職権打刻プレート及びセキュリティラベルの標示可能箇所の確保が困難な場合にあっては、刻印を車台又は原動機に打ちつける方法」つまり旧来の手法が行われることとされている。貼付画像は、同通達の冒頭6ページ分(通達全文は58ページ)のみを掲載する。
2.シールラベルで剥がれてしまわないのか?
Netを見ていると、やはり金属プレート(たぶん薄アルミ板)に両面テープ方式とセキュリティラベルを両端にやはり両面テープなので、部位により剥がれてしまい、再度職権打刻手続きをした事例が掲載されている。トラックフレームなど、耐環境的に厳しいカ所だとか、車体番号でなくエンジン型式でも類似のラベルが使用されるが、かなり危うさを感じるところだ。
クルマのフレームNo(車台番号、欧米ではVINとも呼ぶ)が、何らかの要因で毀損して判読できなくなったり、そもそも車台(フレーム)そのものを交換する場合、並行輸入車だとか極少量生産車などで、車両メーカーの正式フレームNoが不明などの登録を行う場合、国による固有番号が新たに打刻されることを「職権打刻」と呼ばれるのは、およそ自整業やBP業の関係者ならご存じのところだろう。
この職権打刻だが、従来は正に打刻で行われていたのだが、近年は予め打刻済みの薄い金属プレートを貼付し、その両端を変造防止の封印シールを貼付する手法が行われる様になっているそうだ。
この記事を記そうという切っ掛けになったのは、以下のブログ記事で、この記事は何処かの運送会社の運行管理者が記されている様だ。そこには、自社のHマークトラックのフレームNoが経年の使用で、左前輪近くのシャシフレームに打刻された本来番号が、融雪剤の影響などからだと想像されると記されているが、腐食しつつ一部が判読不能になったということだ。これでは継続検査において、いわゆる同一性の確認がでできないことから検査が不合格となるという事象から、新たに職権打刻を行うに至った顛末が記されており、これは自己記憶と外部の方にも知ってもらおうと書き留めるものだ。
【該当ブログ記事:おやじ塾】
https://skiyo1956.com/tweet/stamping/
当方の従来知識では職権打刻とは、新たな職権打刻は、従来の各地方運輸支局において行われるが、その支局固有の文字で前後を囲んだ番号(例えば静岡運輸支局だと月○○○○月という)が新たに打刻され、もし古い車体番号がある様な場合は×打刻を重ねて取り消しするという処置が行われると認識していた。しかし、この記事などや、その他記事より、最近は打刻でなくシールプレートの貼付で打刻に変えているということを、一応予備知識で知ってはいたが、それが何時から開始されたのか、どういう処理かを今回はまとめてみた。
1.シール方式への変更は何時からか?
この根拠通達は、国交省・自動車局長名で「自動車検査業務等実施要領について(依命通達)」との表題で「最終改正 平成27年3月31日付け」で出されている内容による。
ここで余談となるが依命通達ということだが、国家行政機関(今回は国交省)の次官もしくは局長名で、法律は変えないでその取り扱いを変更できる細目的な通達を出すことができるという制度なのだ。法律を変えるには国会を経ないとできないが、国家機関はその実施要領を、あくまでも法の適用を曲げないという前提はあるのだが、その実施細目を変更できてしまうという強大な権力を持っているのだ。しかも、これは正式に聞いたことではないが、次官や局長名で出される通達も実務担当者は課長補佐辺りを経て課長クラスから局長に上げられ、通達が出されると聞いている。
話しは戻るが、「自動車検査業務等実施要領について(依命通達)・平成27年3月31日付け」の本文については、貼付の画像で見てもらいたいが、Netで検索するか日整連で出版している「自動車整備関係法令と解説」の通達編にも原文は掲載されている。
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この通達の第2章 職権による打刻等と云う部分には、以下の記述がある。
法第32 条に規定する職権による打刻は、あらかじめ打刻が施された金属片(以下「職権打刻プ
レート」という。) 及び封印( 以下「セキュリティラベル」という。) を車台又は原動機に標示する方法によるものとする。ただし、職権打刻プレート及びセキュリティラベルの標示可能箇所の確保が困難な場合にあっては、刻印を車台又は原動機に打ちつける方法によるものとする。
2-2(打刻の様式)
職権による打刻の様式は次によるものとする。
2-2-1 職権打刻プレートには、職権による打刻を示す符号及び打刻番号(車台番号にあっては6桁、原動機の型式にあっては3 桁とする。)の順に配列する。
(例)
国000001・・・国が職権打刻を示す符号+シリアル番号6桁
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ここで、内容にも記されているが「職権打刻プレート及びセキュリティラベルの標示可能箇所の確保が困難な場合にあっては、刻印を車台又は原動機に打ちつける方法」つまり旧来の手法が行われることとされている。貼付画像は、同通達の冒頭6ページ分(通達全文は58ページ)のみを掲載する。
2.シールラベルで剥がれてしまわないのか?
Netを見ていると、やはり金属プレート(たぶん薄アルミ板)に両面テープ方式とセキュリティラベルを両端にやはり両面テープなので、部位により剥がれてしまい、再度職権打刻手続きをした事例が掲載されている。トラックフレームなど、耐環境的に厳しいカ所だとか、車体番号でなくエンジン型式でも類似のラベルが使用されるが、かなり危うさを感じるところだ。