私の思いと技術的覚え書き

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クルマのトレンドに思う(その3/3)

2008-08-18 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 前回に続いてその3として記してみます。

⑧電子制御燃焼噴射(1978年以降)

 排出ガス対策の実施以前のガソリンエンジンでは、キャブレターが常識で、極一部に電子制御燃料噴射エンジンがあるというものでした。しかし、現在ではクルマ用ガソリンエンジンとしてのキャブレータ-はほぼ駆逐され、電子制御燃料噴射のガソリンエンジンは当たり前の装備となっています。そして50cc原付バイクのスーパーカブのエンジンでさえ、電制燃料噴射化されています。

⑨エンジンカバーリング

 これも以前の当ブログで記したことですが、昨今のクルマで、何でエンジンをカバーリングするのか不思議なことと感じています。極端な想像ですが、おざなりな設計の不格好なエンジンを覆い隠すという、ボロ隠しのデザイントレンドなのかと思っています。そして、何時起こるかもしれないエンジントラブルの予兆発見を困難にする、悪であるすら感じているのです。

⑩FF化(1980年頃)

 現在、世界的にも乗用車では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)が大勢を占めています。しかし、昔はFR(フロントエンジン・リヤドライブ)が大勢を占めていたのでした。この変換が何時頃行われたのかというと、1980年頃を境にして一気に変換が進んだのだと感じます。それ以前から、スバルやホンダといったメーカーは、FF車を中心に製造・販売を行っていましたが、世の大勢を占めることはなかったのです。ところが、1980年頃を前後して、トヨタや日産という大メーカーが、量販車種の多くをこぞってFRからFFに変更し出したのです。そして、現在ではFR車は上級車種もしくはスポーツタイプ車種のみに限定されるところまで、そのシェアは圧倒的に縮小されたのです。なお、この現象は日本だけのものでなく、世界的なトレンドなのです。

 では、何故にFFが主流となったのかということですが、細かい理由は色々とあるのでしょうが、一番は安く作れること、つまり製造コストを圧縮できることにあるのは間違いないのでしょう。

 なお、世界を眺めるとフェラーリ等の少量生産メーカーはともかくとして、量販車メーカーにおいても、まったくFF車を販売していないか極一部に限定しているメーカーがあります。それらメーカーは、ドイツに集中します。すなわち、ベンツ、BMW、ポルシェの各社です。なお、ベンツではA・BクラスはFF車ですが、販売の総数は大したことはない様です。BMWについては、新型ミニでFF作ってるじゃないかという意見はあるのかもしれません。確かに設計・開発にBMWは大きく関わっていますが、これはイギリス製であり、ブランドはBMWとは別のものです。

⑪1BOXおよびSUV

 昔のクルマは圧倒的にセダンが中心でした。一部のスポーティカーでクーペやコンバーティブルがあり、セダンの派生車としてのステーションワゴンはあったものの、需要は限られたものであったと思います。そしてライトバンや1BOXは、スペース効率を追求した商用車としてのものであったと感じます。それが何時の頃からか、1BOX車は大きくシェアを伸ばしました。もっとも最近の1BOX車はフロントにエンジンルームが付く、2BOXといって良いでしょうが。それと、SUV車の台頭も進みました。それまでは、類似のクルマとしては、ジープやランクルといった極悪路の走行を前提としたような特殊なものでしたが、トヨタ・ハリヤーが口火を切ったと云われますが、世界的に大きな販売トレンドを生みだしました。

 これら1BOXやSUVの拡販トレンドですが、私は非常に不思議にも感じています。1BOX車は大人数が乗れて、確かに目的によっては重宝することもあるのでしょう。しかし、道を走る車を眺めれば一人で乗車するクルマも多く、前席二人までという場合が多くを占めている様に感じられます。そんな実態の中、重量が重く燃料消費率の多い、すなわちCO2排出量の多いこの手のクルマが何処まで価値があるんだろう等と思ってしまうのです。

 もう一つのSUVですが、これも重量が重く、重心位置も高く、決してセダンに比べ運動性能の素養が良いとは考えられません。そして、大きなロードクリアランスを持ちますが、それを生かした不正地等をどれだけの方が必要としているのかと考えると、何故購入する方が多いのかを不思議にすら感じます。しかし、今や多様化の時代と云われていますので、好みはそれぞれで良いのですが、メーカー等の宣伝に惑わされていないのかとも思ってしまうのです。 

⑫ロープロフィールタイヤ

 これは、やはり当ブログの過去にも記したことですが、大容量ブレーキの装着等の背景があるのでしょう。しかし、ちょっと強めの段差を乗り越えただけで、ホイールリムに変形を生じる様な低扁平率タイヤの流行は、不思議にも感じています。これもコーナリング性能を追求した一部のスポーティカーのものであれば理解しますが、今や上級グレードというだけで、この種のタイヤ装着車が増えている様に感じます。私には、この種のタイヤが高級だとは(価格は高いが)とても感じられません。




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