私の思いと技術的覚え書き

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バスのダウンサイジング

2018-10-04 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ややメカの視点から最新バスを見てみましょう。JBUSの観光系エンジンは、13L級と9L級の2種ですが、エンジンはすべて日野が搭載されます。但し、今後主力を9L級の方に主力を移していく様子が伺えます。現在のバスもしくはトラックはターボ付きが当然で、その排気量も13L級が最大で、加給圧の設定で最大馬力を区分している様です。この内、先ほど記した様に今後は大型バスも(12m)も9L級エンジンにさらなるダウンサイジングしていく様子です。それは、ターボ付きエンジンで一番問題になる極低回転域のトルク特性を、最新のものではツインターボですが低速では1つだけの小径ターボで加給し、高速ではもう一つの大径ターボとの2つ同時での加給するというシーケンシャル機構を取り入れたりしているからの様です。

 さて、ボンネットバスの時代は車体(シャシ)がトラックと同じでしたから、FR駆動だったバスも、キャブレスのバス専用ボデーに変わってくる中で、エンジンが最後尾に追いやられたという進化をしてきたのだと思えます。この中で、マイクロバスは変わらずフレームを前提したFR駆動で、バスボデーを乗せています。中、大型では、一時期アンダーフローエンジンとかあったやに聞きますが、現在では全社リヤエンジン搭載のRR駆動です。このRR駆動ですが、バスボデーでは、前後の長いオーバーハングにより、最小回転半径をなるべく小さくしたいという配慮がされています。その代わり、急傾斜地に乗り入れたり、出てきたりした場合、車体が接地してしまい易いという点は、運転には記を使うところかと思えます。

 エンジンですが、初代国鉄ハイウェイバスなど、当初はエンジン排気量も20Lクラスで、V12、水平対向12、V10、V8、L6などとあったエンジンですが、トラックもまったく同じですが、現在はL6エンジンだけです。これに、ふそうの場合はダイムラーベースで日本でのローカルカスタマイジングしたエンジンが搭載されます。JBUSの観光系は全車日野エンジンが搭載されます。ところで、このエンジンを冷却する熱交換器たるラジエータおよびターボ過給の加給効率を上げるインタークーラーですが、従来バスだとエンジンの左右どちからの横に位置は前後オフセットしつつも進行方向に平行(つまりエンジンとは垂直)に付いていて、長いファンク駆動用のVベルトが伸びている場合が多かったと思います。ところが、現在では、ラジエータ、インタークーラー、オイルクーラーなどの熱交換器は、ふそうもJBUSも左リヤサイドにエンジンと平行に設置されています。当然、これら熱交換器は停車時や必要時には強力に大径のクーリングファンを駆動する必要があります。ここで、ふそうとJBUSでは、熱交換器の設置場所は同じでもクーリングファンの駆動の仕方に違いがあることはメカに関心ある方なら知っておきたいところかと思います。

 まず、ふそうの方ですが、エンジンのクランクシャフトプーリーから取り出した動力を、ファン駆動用1次側プーリーで受けます。そして1次側シャフト先端と2次側ファンシャフト端部に付くベベルギャセットで90度の方向変換を行っている様です。なお、ベベルギヤは専用ギヤボックスとして包まれ構成されています。

 JBUSの方ですが油圧駆動ファンということになろうかと思います。エンジンクランクプーリーから幅広の平ベルト駆動される大容量油圧ポンプがあります。(写真の青色のもの。)この油圧を油圧ホースによりファン取り付けぶに装着の油圧モーターに導きファンの回転をコントロールするのです。ファンを駆動した後のオイルは、10Lはありそうな専用オイルタンク(写真の白色のもの。)このメカニズムは、初代セルシオ1990年で採用されたものですが、ファン回転を自由に制御できるなど、騒音の点で優位なこともある様です。



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