私の思いと技術的覚え書き

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神戸トラック暴走 その7

2019-09-12 | 事故と事件
 9月3日に生じた神戸下り坂大型トラック暴走事故だが、事故から1週間経たが未だ事故の原因に迫る所轄からの発表はない。恐らく、現在、所轄の管理下で、何処かの整備工場(神戸のイスズディーラー工場か)に該当トラックを搬入し、科捜研などの応援を得て、車両の検証を行っていると思われるが・・・。

 愚人としては、まず可能性を疑う要因はブレーキフェードなのだが・・・。これは、該当車がドラム式かディスク式か不明ながら、未だ大型トラックではディスク式の普及率は高いとは云えず、ドラム式の可能性が高いと考えている。この場合、ブレーキドラムを外して、ブレーキシューやドラム内外面の焼け具合を観察すれば、容易に判別できると想像しているのだが・・・。このブレーキフェードとは、ブレーキシュー(摩擦板)とかブレーキドラムが、およそ400℃程以上に過熱することで、その摩擦係数が著しく低下し、制動不良を生じる現象だ。一度、フェードを生じる温度まで昇温してしまうと、制動を行わないで一定時間(ドラム式では通風も悪く大トラでは熱容量も大きいから温度低下して制動性能が復帰するまで5分程度要すると想像する)すれば復帰できるが、該当事故の下り坂では転落の瞬間まで運転車はブレーキペダルから足を離すことはできなかったであろう。

 今日(9/12)のNet探索で、転落トラック全面に転落時になぎ倒したと想定される街路樹がある写真を見た。恐らくこれが転落直後の状態なのであろう。

 また、転落に至るまでの該当トラックの経緯を表した図も見つけたが、転落場所から600m坂上が最初の他車との衝突だとすると、そこからさらに1,200m程坂上で、並木などに接触と記してある。これはブレーキで減速できぬを認識して故意に擦り付け減速を試みたのであろう。

 トラック運転手は死亡しているので動静は不明だが、恐らくブレーキが効かないことを認識し、約2kmを必死の思いで運転し続けたことであろうと想像する。そして、これは従前にも記したが、最後の転落は、もうここに突っ込んで止めるしかないという必死の思いが招いた結果ではないかと改めて思うところだ。



追記
 一番の想定原因はブレーキフェードなのだが、該当トラックの整備状況を確認してみることは極めて重要であろう。この事故以前の極短期間において、車検整備などブレーキに関わる整備を行っているとしたなら、整備の瑕疵の可能性も検討する必要があろう。

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