goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

バルブトロニックエンジンのこと

2015-05-27 | 車両修理関連
 吸気バルブの開閉量を可変化させることによって、スロットルバルブを廃し(実際にはエマジェンシー用に残されている)吸気のコントロール、すなわちスロットル作用を行うというBMW社が開発したメカです。驚いた国産メーカーも急遽開発し、それぞれBMWのパテントに触れないように方式を変えて一部販売していますが、BMWほど一般化するに至っていないと感じられます。

 原理としては、直動型でないロッカーアーム式の支点を変化させることにより吸気バルブの開閉量をモーター駆動のカムで変化させているものです。その際、特に吸気量の少ないアイドルとか低回転域では吸気量の差がパワーバランスの差異となり、アイドル振動やエンジンのバラツキ振動の原因となるため、吸気バルブの開閉量の差異を0.2mm程度と極めて少ない精度に仕上げる必用があると聞きます。また、スロットルバルブを廃したおかげで、マニホールド負圧が少なくなりポンピング損失が減少し、熱効率が向上するというメリットがあります。しかし、そのままでは、吸気管負圧によるブレーキの助勢(ブースター)が効かないため、専用のバキュームポンプが必用となるなどコストアップの要因となります。

 なお、ネット記事を見ていると、エンジンスタートの際、パーキング位置でブレーキを踏み込む必用がありますが、バルブトロニック車で異様に大きな踏力を要する場合がある様です。これは、バキュームポンプ、ブースター間の配管中に負圧を逃がさないチェックバルブがあるはずで、それが密閉不良を起こしているのだと類推されます。

 それと直動型でない故のバルブ系の剛性不足から、超高回転でのバルブ系の追従不足が懸念されます。が、現状何車種か乗ったBMW車のバルブトロニック付きで実用車のレブリミット程度では問題は感じられません。まあ、ホンダなんかのVTECも直動型ではなく、8千くらいをレブリミットとしていますから、それ程の問題はないのでしょう。私も過去にBMW・E65(V8/4L)、E90(L6/2.5L)、E90(L4/2L)、R56(L4.1.6L)を乗り比べていますが、6~700rpmのアイドルも安定し、レブリミット付近での乱れも感じられずスムーズな吹き上がりをします。但し燃費の向上感は正直今一つ感じ取れませんでしたが。

 また、L6のN系エンジンで経験したのですが、結局一過性のものとして解消してしまいましたが、アイドルから回転上昇に伴いカチカチという異音(いわゆるタペット音)が出ました。ロッカーアームを支持する部位にHLA(ハイドロリック ラッシュ アジャスター)が使用されていますが、これのエア噛み込みによるものでしょう。ネット記事ではそこそこ生じている様です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。