軍事と企業（ＩＨＩエアロスペースのこと）

　クルマのことに精通している方でも案外知られていないかと思うのが、日産のルノーによる企業買収以前、
日産はミサイル開発製造を行う部門を持っていたことだろう。

　この経緯は、日産の前身となる中島飛行機→富士精密→プリンス自工→日産に事実上吸収合併という流れの中、先の大戦でロケット砲弾などを中島飛行機が携わっていた関係上、戦後も固体燃料ロケットを応用したロケット弾や熱源もしくはレーダー反射波などを利用した追尾型ミサイルの開発と製造を日産自動車が行っていたそうだ。

　ところで、日産が巨額の負債を抱え、国内で手を差し伸べる企業もないところへ、仏ルノーの買収となったのだが、国防産業を他国に譲渡する訳にはならんと云う力学が働いたのだと想像されるが、旧日産のロケット及びミサイルの事業は、ＩＨＩエアロスペース社に譲渡されることになったのだそうだ。