私の思いと技術的覚え書き

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ディーゼル排ガス・路上走行時規制へ

2016-03-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 VWによるディーゼル排ガス規制ごまかし問題を発端とし、国交省では路上走行中のは排ガス浄化性能について検証を行ったという。その結果、メーカーや車種による違いはある様だが、台上試験の規制値を2倍から10倍を上回るものまでがあったという。なお、マツダのディーゼルエンジンだけは、ほぼ規制値に収まったという。

 このことは、VWの様な台上試験を検出をして排ガスの除去をオン、オフするという、あらかさまな手法でなくても、台上試験の条件(速度や加速域)外であれば予見されたことだ。これは、メーカーとしては、実燃費の向上、走行性の確保、そして排ガス浄化装置(触媒コンバーター)の保護などを理由となると説明するであろう。具体例として燃焼温度を抑えてNOxの低減させるEGR(排ガス再循環)装置を上げれば、台上試験における速度や加速域では積極的に使うが、それを除きなるべく使わないことになるのだろう。

 しかし、マツダの(好きではないが)ディーぜルは、相当に根源的に突きつめた設計を行ったもので、立派なことだと思う。つまり、後処理装置もあるのだろうが、それに頼ることなくエンジン本体での燃焼(熱効率)と排ガス浄化の両立を追及する技術があった故に、得られた結果だからだ。

 ガソリン車については、38年も前に設定されたS53年度規制値のままで、測定条件が10・15モードからJC08モードに変更されてはいるものの、何れも台上試験のものである。ディーゼル同様に、路上走行での排ガス試験を行ったとしたら、類似の問題が表出するのだろうと思える。それと、最近採用が増えているガソリン直噴によるPMの悪化が知られているが、現状ではガソリン車には適用されないPM規制の実施が検討されるのかもしれない。

 何れにしても、路上走行の排ガス試験を行うについては、一定の試験条件を定めることは必然となるが、台上試験の拡大版に過ぎない。最大加速での加速や、最高速度での走行などが行われることは、試験の難易性からあり得ず、台上試験の速度域をある程度広げ(100km/hまで)、加速度をやや強める程度であろう。報道からは国交省は、ここでの達成値を現行排ガス規制値の1.5倍程度までに止めることが読み取れるが、その他の条件では闇の中のことは変わらない。意味があることなのだろうかとも感じるところだ。

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